集信管理情報

集信するファイルのファイル情報を登録します。登録するには以下の2通りの方法があります。

(1) 項目一覧

下記表は管理画面による登録の場合の値です。コマンド登録の場合、「省略」が画面の設定と異なる場合があります。コマンド登録の場合の「省略」の詳細は「各管理情報の登録、変更」を参照してください。

表2.4 集信管理情報項目一覧

項目名

初期値

設定値

省略

備考

画面

ファイル

ファイルID

RCVFILE

 

英数字

×

先頭英字の50バイト以内

集信ファイル名

FILENAME

 

英数字

×

3バイト以上33バイト以内

レコード長

RECORDLEN

128

1~32766

×

 

EBCDICセット

CHANGETYPE

0

0,A~I,V~X

×

 

登録モード

TRANSMODE

R

N,R,M

×

 

異常時の処置

ABNORMAL

K

D,K,R

×

 

集信形態

RCVTYPE

S

S,M

×

 

世代管理

GENCTL

N

N,Y

×

 

世代管理数

GENMNGNO

0

0,2~9999

×

 

正常時ジョブID

JOBID

 

英数字

先頭英字の50バイト以内

異常時ジョブID

ERRJOBID

 

英数字

先頭英字の50バイト以内

集信完了通知

JOBWAIT

T

T,J

×

 

転送グループID

GRPID

 

英数字

先頭英字の50バイト以内

暗号キー(高強度暗号強制モードが無効)(*1)

PASSWORD

 

 

 

英数字

8バイト以上20バイト以内

暗号キー(高強度暗号強制モードが有効)(*2)

16進文字列

×

64桁

データ検証

DATAVERIFY

0

0,1

×

 

コメント

COMMENT

 

文字

60バイト以内

:

省略可

×

:

省略不可

*1

:

システム動作環境設定の高強度暗号強制モード(STRONGKEYMODE)で“0(無効)”を設定した場合に設定できます。

*2

:

システム動作環境設定の高強度暗号強制モード(STRONGKEYMODE)で“1(有効)”を設定した場合に設定する必要があります。

(2) 各項目の説明

集信管理情報に設定する項目について説明します。()内はパラメータファイル使用時に指定する項目名です。

ファイルID(RCVFILE)

集信するファイルを認識するためのID

「_INSTANT_TRANSFER_」は簡易転送用のIDであるため、ファイルIDに指定できません。

集信ファイル名(FILENAME)

IBM i上に格納するファイル

物理データファイルの場合は「ライブラリ名/ファイル名(メンバ名)」の形式で指定します。

保管ファイルの場合は「ライブラリ名/ファイル名」の形式で指定します。

集信ファイル名に「*FIRST」や「*FILE」などの予約語を用いた指定はできません。指定した場合は予期せぬ動作をすることがあります。

レコード長(RECORDLEN)

集信するファイルのレコード長

集信ファイルが存在しない場合は、新たに作成する集信ファイルのレコード長を指定します。すでに集信ファイルが存在している場合は、そのファイルのレコード長を指定します。

EBCDICセット(CHANGETYPE)

1バイトコードを変換するときに使用する、集信側ホスト(自ホスト)のEBCDIC系コードセット

自ホストの転送コードセットがEBCDIC系コードセットの場合、集信側(自ホスト)のEBCDICセットを指定します。

自ホストの転送コードセットがUTF-8の場合、配信側(相手ホスト)のEBCDICセットを指定します。

0

: 自動

A

: EBCDICカナ文字

B

: EBCDIC英小文字

C

: EBCDIC ASCII

D

: EBCDIC ASPEN

E

: IBM英小文字

F

: IBM英小文字拡張

G

: NECカナ文字

H

: IBMカナ文字拡張

I

: 中国語簡体字拡張

V

: ユーザテーブル1

W

: ユーザテーブル2

X

: ユーザテーブル3

省略すると“0(自動)”が設定されます。

登録モード(TRANSMODE)

集信するファイルの登録方法

N(新規作成)

: 集信ファイルを新規作成。同名のファイルがすでに存在している場合はエラー

R(置き換え)

: 既存のファイル内容を受信データに置き換え。ファイルが存在しない場合は新規作成

M(追加)

: 既存ファイルの最後に受信データを追加。ファイルが存在しない場合は新規作成

異常時の処置(ABNORMAL)

集信に失敗したときの集信ファイルの処置

D(削除)

: 集信ファイルを削除

K(保存)

: 集信が失敗した時点の集信ファイルを保持

R(復元)

: 集信開始前に集信ファイルをバックアップし、集信が失敗したらバックアップを復元。集信開始前に集信ファイルが存在しなかった場合は“D(削除)”と同じ動作

集信形態(RCVTYPE)

集信するファイルの集信形態

S(単一集信)

: 単一ホストからファイルを集信

M(複数集信)

: 複数ホストからファイルを集信し、1つのファイルを作成

“M(複数集信)”を指定する場合、登録モードに“M(追加モード)”を、異常時の処置に“K(保存)”を指定してください。

世代管理(GENCTL)

集信するファイルの世代管理の有無

N

: 世代管理なし

Y

: 世代管理あり

“Y(世代管理あり)”を指定する場合、登録モードに“N(新規作成)”または“R(置き換え)”を、異常時の処置に“D(削除)”を指定してください。

世代管理数(GENMNGNO)

集信するファイルの世代管理数

世代管理に“Y”を指定した場合は、“2”から“9999”までの間で指定します。世代管理に“N”を指定した場合は、“0”を指定します。

正常時ジョブID(JOBID)

ファイルの集信が正常終了したときに起動するジョブが登録されているジョブ起動情報のID

ジョブ起動情報の詳細は「ジョブ起動情報」を参照してください。

省略するとジョブは起動されません。

異常時ジョブID(ERRJOBID)

ファイルの集信が異常終了したときに起動するジョブが登録されているジョブ起動情報のID

ジョブ起動情報の詳細は「ジョブ起動情報」を参照してください。

省略するとジョブは起動されません。

転送グループID(GRPID)

集信するファイルの配信元が登録されている転送グループ情報のID

転送グループ情報の詳細は「転送グループ情報」を参照してください。

暗号キー(高強度暗号強制モードが無効)(PASSWORD)

データを復号化するキー

暗号化されたデータを復号する場合に指定します。

相手ホストの配信管理情報に設定されている暗号キーと同じ暗号キーを設定してください。

異なる暗号キーを設定した場合、データは正しく復号されません。

また、集信側で暗号キーが指定されていても配信側の配信管理情報で暗号キーが指定されていない場合、集信側の暗号キーの設定は無視されます。

暗号キー(高強度暗号強制モードが有効)(PASSWORD)

データを復号化するキー

暗号化されたデータを復号する場合に指定します。

相手ホストの配信管理情報に設定されている暗号キーと同じ暗号キーを設定してください。

異なる暗号キーを設定した場合、データは正しく復号されません。

暗号キーの値を必ず指定してください。配信側が高強度暗号強制モードでない場合は転送エラーになります。

集信完了通知(JOBWAIT)

配信側ホストへの集信完了通知

T

: 受信完了後に通知

J

: 集信後正常時ジョブ完了後に通知

データ検証(DATAVERIFY)

受信したデータに対するデータ検証の有無

0

: データ検証を行わない

1

: データ検証を行う

コメント(COMMENT)

集信するファイルに対するコメント

(3) 設定時の注意点

登録モード、集信形態、世代管理の指定

集信形態が“S(単一集信)”で登録モードに“M(追加)”を指定した場合、集信中に何らかの異常が発生すると、異常が発生する前までの集信データは追加書きされてしまいます。異常時の処置が“R(復元)”の場合、集信前の集信ファイルが集信ファイル内の別メンバとして退避されます。

表2.5 集信管理情報の組み合わせ

登録モード

異常時処置

集信形態

単一集信(S)

複数集信(M)

世代管理

世代管理

世代管理

世代管理

あり(Y)

なし(N)

あり(Y)

なし(N)

新規作成(N)

削除(D)

 

 

保存(K)

 

 

 

復元(R)

 

 

 

置き換え(R)

削除(D)

 

 

保存(K)

 

 

 

復元(R)

 

 

 

追加(M)

削除(D)

 

 

 

保存(K)

 

 

復元(R)

 

 

 

:

組み合わせ可

空欄

:

組み合わせ不可

保管ファイル

保管ファイルの場合、チェックポイント再配信およびチェックポイント再送はできません。そのため、チェックポイント再配信またはチェックポイント再送を行った場合、先頭から転送されます。また、集信管理情報の登録モードに“N”を指定して、チェックポイント再配信またはチェックポイント再送を行った場合エラーとなります。

異常時の処置

“D(削除)”指定時の留意点

登録モードで“N(新規作成)”を選択した場合、集信ファイルがすでに存在してエラーになると、存在していたファイルは削除しません。

“K(保存)”指定時の留意点

集信形態で“M(複数集信)”を選択した場合、一時ファイルへの集信中に異常が発生すると、そこまでの集信データは集信ファイルに書かれません。また、一時ファイルを集信ファイルにコピー中に異常が発生すると、そこまでの集信データは追加書きされてしまいます。よって、アプリケーションプログラムでデータの重複をチェックする仕組みが必要となります。

メッセージの置換

メッセージの置換を行える項目は下記のとおりです。

以下の項目に“&MSG0”~“&MSG5”または“&MSGL0”~“&MSGL1”を指定すると、送信要求時に指定したメッセージや配信側より送信されたメッセージに置換します。

  • 集信ファイル名

  • 転送グループID

  • 正常時ジョブID

相手ホストの言語設定によっては、メッセージの置換が正しく行われず、転送に失敗する場合があります。メッセージ送信の注意点については「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

集信ファイル名

  • 以下のいずれかを指定するときは、集信形態に“S(単一集信)”を指定してください。

    • “&SNDFILE”

    • “&SNDFILES”

    • “&MSG0”~“&MSG5”

    • “&MSGL0”~“&MSGL1”

  • 以下のいずれかを指定する場合、配信ファイル名に2バイトコードが含まれると、エラーになります。

    • “&SNDFILE”

    • “&SNDFILES”

  • 以下のいずれかを指定する場合、送信されたメッセージに2バイトコードが含まれると、エラーになります。

    • “&MSG0”~“&MSG5”

    • “&MSGL0”~“&MSGL1”

  • “&SNDFILE”または“&SNDFILES”の後に文字は指定できません。

  • 相手ホストの言語設定によっては、メッセージの置換が正しく行われず、転送に失敗する場合があります。

    メッセージ送信の注意点については「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

  • “&SNDFILE”または“&SNDFILES”を指定することにより、配信側の配信ファイル名を集信ファイル名とします。また配信側がIBMiの場合は、“&SNDLIB”を指定することにより、配信ファイルのライブラリ名を集信ファイルのライブラリ名とします。配信ファイル名を集信ファイル名とする際の命名規則を以下に示します。

    表2.6 ファイル命名規則

    機種

    集信ファイル名(IBM i)

    配信ファイル名

    &SNDLIB&SNDFILE

    MYLIB/&SNDFILE

    &SNDLIB&SNDFILES

    MYLIB/&SNDFILES

    Mainframe

     

     

    順編成ファイル

    HULFT.DAT.SND.F01

    変換エラー

    MYLIB/F01(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    区分編成ファイル

    HULFT.DAT.F02(SND)

    変換エラー

    MYLIB/F02(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    UNIX・Linux

     

     

    拡張子がある場合

    /HULFT/DAT/SND.F03

    変換エラー

    MYLIB/F03(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    拡張子がない場合

    /HULFT/DAT/SND

    変換エラー

    MYLIB/SND(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    Windows

     

     

    拡張子がある場合

    C:\HULFT\DAT\SND.F04

    変換エラー

    MYLIB/F04(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    拡張子がない場合

    C:\HULFT\DAT\SND

    変換エラー

    MYLIB/SND(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    IBMi

     

     

    物理ファイル

    HULFT/F05(SND)

    HULFT/F05(SND)

    HULFT/F05(SND)

    変換エラー

    変換エラー

    保管ファイル

    HULFT/F06

    変換エラー

    変換エラー

    HULFT/F06

    MYLIB/F06

レコード長

管理情報で指定したレコード長と、集信ファイルのレコード長が同じでない場合は集信形態により動作が異なります。集信形態に“S(単一集信)”が指定されているときは、管理情報で指定されているレコード長を無視して集信を行います。集信形態に“M(複数集信)”が指定されているときは、集信エラーとなります。

集信完了通知

集信完了通知に“T(受信完了後に通知)”が指定されている場合、ジョブ起動情報に登録されているジョブ記述を使用してCLコマンドが実行されます。このCLコマンドは集信ジョブとは別のジョブとして実行されます。

集信完了通知に“J(集信後正常時ジョブ完了後に通知)”が指定されている場合、ジョブ記述を使用せずに集信ジョブによってCLコマンドが実行されます。

中国語データを集信する場合

EBCDICセット(CHARTYPE)に“I(中国語簡体字拡張)”または"0(自動)"を設定してください。

システム動作環境設定の転送コードセット(CS4TRNSFR)に“C(IBM簡体字)”または“8(UTF-8)”が設定されていることを確認してください。

自動的に設定されるEBCDICセットの値

EBCDICセットに“0(自動)”を設定した場合、ファイル転送時の1バイトコード変換で実際に使用されるEBCDICセットの値は、以下のように決定されます。

表2.7 自動的に決定されるEBCDICセットの値

自ホストの転送コードセット 相手ホストの転送コードセット
UTF-8 SHIFT-JIS EUC-JP GB18030 IBM漢字 JEF KEIS NEC漢字 IBM簡体字
IBM漢字 F F F × F F F F ×
UTF-8 F A D G I
IBM簡体字 I × × I × × × × I

― : EBCDICセットの値は、ファイル転送時のコード変換で使用されない

× : ファイル転送時にコード変換できない組み合わせ

A : EBCDICカナ文字

D : EBCDIC ASPEN

F : IBM英小文字拡張

G : NECカナ文字

I : 中国語簡体字拡張

 

自ホストのコードセットを登録するシステム動作環境設定の転送コードセット(CS4TRNSFR)の詳細は、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

相手ホストのコードセットを登録する転送コードセット(KCODETYPE)の詳細は、「詳細ホスト情報」を参照してください。