転送共通でタイムアウトの値を変更したい

デフォルト設定で配信ストレージ管理情報のデフォルト情報を変更する例を説明します。

ここでは、クラウドストレージDBの配信ストレージ管理情報のデフォルト情報に登録されているストレージタイムアウトの時間を変更して、個別設定を行わなかった場合に共通で使用されるストレージタイムアウトを設定する例を紹介します。

ストレージタイムアウトを例としていますが、他の転送関連情報でもこの例と同じ方法で変更できます。

= 備考 =

アップロードまたはダウンロードに使用される値の優先度を説明します。

集信ストレージ管理情報および配信ストレージ管理情報(以降、ストレージ管理情報)とデフォルト情報に値が登録されている場合、デフォルト情報よりもストレージ管理情報に登録されている値が優先されます。

デフォルト情報の値を使用したい場合は、ストレージ管理情報の値を未設定にしてください。

アップロードまたはダウンロード時に使用される値の優先度は以下のとおりです。

表D.5 ストレージ管理情報とデフォルト情報の優先度

ストレージ管理情報の項目名

ストレージ管理情報の設定値

ストレージ管理情報のデフォルト情報の設定値

使用される値

ストレージタイムアウト

60(秒)

600(秒)

60(秒)

1転送あたりの最大並列数

未設定

未設定

32

パートサイズ

未設定

未設定

5(MB)

使用リージョン

未設定

ap-northeast-1

ap-northeast-1

ストレージ認証情報ID

未設定

未設定

ストレージ認証情報のデフォルト情報

各項目で以下の値が使用されます。

ストレージタイムアウト

:

60秒
ストレージ管理情報に登録されている値が優先して使用されます。

使用リージョン

:

ap-northeast-1
ストレージ管理情報が未設定のため、デフォルト情報の設定値が使用されます。

ストレージ認証情報ID

:

ストレージ管理情報およびデフォルト情報が未設定の場合、ストレージ認証情報のデフォルト情報が使用されます。

その他の項目

:

ストレージ管理情報およびデフォルト情報が未設定の場合、下位互換設定の値が使用されます。

 

配信ストレージ管理情報のデフォルト情報に、ストレージタイムアウトを以下のとおり変更する手順を説明します。

表D.6 配信ストレージ管理情報の変更前と変更後の設定値の例

デフォルト情報の項目名

変更前の設定値

変更後の設定値

登録有無

ストレージタイムアウト

60(秒)

600(秒)

1転送あたりの最大並列数

未設定

未設定

パートサイズ

未設定

未設定

使用リージョン(*1)

ap-northeast-1

ap-northeast-1

エンドポイントのURL(*1)

未設定

未設定

ストレージ認証情報ID

未設定

未設定

:

設定値を変更して登録する項目

:

設定値を変更せずに登録する項目

:

設定値を登録しない項目

*1

:

Amazon S3の場合のみ設定できます。

 

  1. 配信ストレージ管理情報のデフォルト情報に登録している値を、クラウドストレージDBの情報リストの表示コマンドで確認します。

    utls3infolist -t snd --default

    ストレージ管理情報のデフォルト情報のリスト表示コマンドの詳細は、「クラウドストレージDBの情報リストの表示コマンド」を参照してください。

    コマンドを実行すると、以下のリストが表示されます。

    #
    # Cloud Storage Information for Amazon S3
    #
    
    Default information for Send Storage Management Information
    Timeout:           60
    Parallels:         Use the default value.
    Part Size:         Use the default value.
    Default Region:    ap-northeast-1
    Endpoint:          Use the default value. 
    Auth ID:           Use the default value. 
    

    デフォルト情報のTimeout(ストレージタイムアウト)に、"60"秒が設定されています。

     

  2. ストレージ管理情報のデフォルト情報の登録コマンドで、ストレージタイムアウトの設定値を登録します。

    utls3infoadd -t snd --default --timeout 600 --default-region ap-northeast-1

    ストレージ管理情報のデフォルト情報の登録コマンドの詳細は、「ストレージ管理情報のデフォルト情報の登録コマンド」を参照してください。

    注意

    デフォルト情報では、登録コマンドで指定した情報がすべて上書きされます。

    変更しない設定をオプションで指定しなかった場合、未設定(Use the default value.)で上書きされるため、この例では「--default-region ap-northeast-1」を指定しています。

    未設定(Use the default value.)の場合、下位互換設定の値が使用されます。

    ただし、ストレージ認証情報IDをオプションで指定しなかった場合のみ、下位互換設定ではなくストレージ認証情報のデフォルト情報に登録されている値が使用されます。

    以下のリストが表示されます。

    $ utls3infoadd -t snd --default --timeout 600 --default-region ap-northeast-1
    The default information for Send Storage Management Information will be changed.
    Timeout:           600
    Parallels:         Use the default value.
    Part Size:         Use the default value.
    Default Region:    ap-northeast-1
    Endpoint:          Use the default value.
    Auth ID:           Use the default value.
    

    ストレージタイムアウトの設定値が、"60"秒から"600"秒に変更されたことを確認します。

    ストレージ管理情報のデフォルト情報の登録コマンドで「-f」または「--force」を指定しなかった場合、以下の確認メッセージが表示されます。

    Are you sure to register? [y/n]:

    確認メッセージの表示後に、“y”または”Y”を入力し、ストレージ管理情報のデフォルト情報の登録コマンドを実行します。

    これで、ストレージタイムアウトの時間が変更され、オブジェクトストレージからダウンロードする設定が完了しました。