並列ダウンロード
オブジェクトストレージから配信側ホストまでのネットワークは、配信側ホストから集信側ホストまでのネットワークに比べて転送速度が遅くなる場合があります。それに対処するため、配信データを複数のパートに分割して並列にダウンロードされます。
並列ダウンロードの処理の概要を以下に示します。

図1.3 並列ダウンロードの処理
1) 並列ダウンロード
配信データは一定サイズに分割され、そのデータを1パートとして順次オブジェクトストレージからダウンロードされます。
先頭のパートから順番に、各パートのダウンロードは並列して行われます。
2) ファイルを転送
配信側ホストから集信側ホストへファイルを転送します。
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オブジェクトストレージへのダウンロードの時間が長いと、オブジェクトストレージとの通信でタイムアウトになります。
Ver.8.5.1以降のHULFT クラウドストレージオプションでは、オブジェクトストレージとの通信で、HTTPリクエストのタイムアウト(ストレージタイムアウト)になるまでの時間を指定できます。詳細は「配信ストレージ管理情報の設定」を参照してください。
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配信側ホストのメモリー負荷、およびオブジェクトストレージから配信側ホストまでのネットワークの負荷を考え、同時に並列ダウンロードできる最大数を設定し制限しています。
並列ダウンロード数が最大数に達した場合、後続のダウンロードは先行するダウンロードが1つ以上終了して並列ダウンロード数に空きが出るまで待機します。このとき、待機時間が長いとHULFTとの通信でタイムアウトになります。
タイムアウトするまでの待ち時間の設定は、集信側ホストのシステム動作環境設定で指定します。詳細は「システム動作環境設定」を参照してください。
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1つの集信ファイルに同時に複数ダウンロードを実施すると、タイムアウトまで転送中のままとなります。
また、転送キャンセルも行えません。
このため、1つの集信ファイルには同時に複数のダウンロードを実施しないでください。
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オブジェクトストレージでは配信ファイルの排他制御ができません。ダウンロード時の配信ファイルの排他制御(オブジェクトの排他制御)については、「オブジェクトストレージからダウンロードするときのHULFTの機能制限」を参照してください。