同報配信

(1) 配信側クライアントの動作

HULFT-HUBの同報配信では、ファイルの実際の宛先をHULFT-HUB Server上で決定し、対象のホストへ同報配信を行います。このため、配信側クライアントでは以下の動作となります。

配信履歴

配信側クライアントでは、相手先ホストが同報サーバとなる履歴が1件だけ作成されます。同報サーバが複数ある場合は、経路上で配信側クライアントに一番近い同報サーバのホスト名が表示されます。

配信後ジョブの実行

ファイル転送後に配信側クライアントで実行される正常時ジョブまたは異常時ジョブは、1回だけ実行されます。

配信キャンセルコマンドの実行

配信側クライアントの転送先はHULFT-HUB Serverとなります。ホスト名を指定して転送キャンセルコマンドを実行する場合には、HULFT-HUB Serverの自ホスト名を指定してください。

(2) 同報配信の条件と転送エラー時の動作

同報配信中に、配信側クライアントが転送キャンセルを実行したり、配信側で転送異常を検知した場合、HULFT-HUB Serverはただちに同報配信を中断します。

一方、集信側クライアントが転送キャンセルを実行したり、集信側で転送異常を検知した場合、HULFT-HUB Serverは、同報配信の条件によって表5.1 のような動作をします。

表5.1 集信側クライアントからのキャンセル受信と転送エラー時の対応について

同報配信の条件

発生した事象

各クライアントの転送結果

同報配信

異常時の

扱い

同報配信

異常扱いの

条件

集信

キャンセル

集信側で

転送異常

検知

集信成功の

クライアント

あり

配信側

クライアント

キャンセルを

要求した

集信側

クライアント

転送異常が

発生した

集信側

クライアント

正常完了した

集信側

クライアント

キャンセル

対象外の

集信側

クライアント

続行

全転送で

エラー時に

エラーとする

転送成功

転送中断

(*1)

転送成功

転送成功

転送中断

(*1)

転送中断

転送成功

転送失敗

(同報エラー)

転送中断

(*1)

転送失敗

(同報エラー)

転送中断

(*1)

転送中断

同報先

どれか1つで

エラー時に

エラーとする

転送失敗

(同報エラー)

転送中断

(*1)

転送成功

転送失敗

(同報エラー)

転送中断

(*1)

転送中断

転送成功

転送失敗

(同報エラー)

転送中断

(*1)

転送失敗

(同報エラー)

転送中断

(*1)

転送中断

中断

全転送で

エラー時に

エラーとする

転送中断

(集信側

キャンセル受信)

(*1),(*2)

転送中断

(*1)

転送中断

(配信側

キャンセル受信)

(*1)

同報先

どれか1つで

エラー時に

エラーとする

転送中断

(集信側

キャンセル受信)

(*1),(*2)

転送中断

(*1)

転送中断

(配信側

キャンセル受信)

(*1)

*1 :

集配信後の異常時ジョブは、起動されません

*2 :

再配信待ちに登録されません

【凡例】

発生した事象(順不同)

該当なし

注意

HUB同報において転送データが蓄積された場合、サーバへ蓄積が正常終了した時点で配信側クライアントはサーバから転送完了通知を受け取って処理を終了します。そのため、サーバから集信側クライアントへの転送がエラーとなっても、「同報配信異常時の扱い」の設定は適用されません。

この場合、蓄積が異常終了した時のみ「同報配信異常時の扱い」の設定が適用されます。

(3) 転送エラー時の再配信

同報配信中に転送エラーが発生し、配信側クライアントで再配信待ちとなった場合、当該ファイルを再配信すると、同報対象のすべてのホストを宛先として、ファイルの先頭から配信します。チェックポイント再配信は行いません。また、転送エラーとなった宛先だけを対象として再配信することもできません。

ただし、転送と蓄積を併用している(蓄積条件に「蓄積しない」以外を設定した)場合は、転送異常になった転送先へのみデータ送出が可能です。蓄積機能については「蓄積機能」を参照してください。