通信経路の決定方法 

(1) 最短経路

HULFT-HUB Manager管理画面の構成図から最短経路を探索します。

最短経路の探索はダイクストラ法に基づき、HULFT-HUBが自動的に行います。

= 備考 =

最短経路探索の情報源となる構成図は、各HULFT-HUB Serverの隣接サーバ情報および収容クライアント情報から構成されます。

(2) 自動設定経路

自動設定経路は、各HULFT-HUB Serverに経路管理情報として登録した下表に示す情報に基づいて、コネクション要求が発生するつど、HUBシステムが自動的に選択する経路です。さらに、HULFT-HUB Server間の通信がリトライオーバとなった場合、経路の優先度に従い、自動的に経路を切り替えて転送します(経路切り替え機能)。

表2.11 経路管理情報の管理項目

項目

説明

サーバルーティング情報

-

到達目標のネットワークと接続すべきHULFT-HUB Serverの対応情報

ネットワークアドレス

到達目標のネットワークのアドレス

優先度

上記「ネットワークアドレス」で指定したネットワークに到達するための接続試行順序

サーバ名

上記「ネットワークアドレス」で指定したネットワークに到達するために接続するHULFT-HUB Serverのホスト名とサービス名

サービス名

デフォルト接続情報

サーバ名

サーバルーティング情報から該当する経路がみつからなかった場合に転送先とするサーバのホスト名およびサービス名

サービス名

下図に、自動設定経路の決定方法を示します。

図2.77 自動設定経路の決定方法

図2.77 では、ネットワークAからネットワークDに到達する経路として、各HULFT-HUB Serverに下表の3通りの経路が設定されています。

表2.12 ネットワークAからネットワークDに到達する経路

No.

経路

備考

1

ServerA → ServerD

ServerAの優先度1の経路情報に従って、ServerDへ接続する

2

ServerA → ServerB → ServerD

ServerAの優先度2の経路情報に従って、ServerBを経由してServerDに接続する

3

ServerA → ServerC → ServerD

ServerAの優先度3の経路情報に従って、ServerCを経由してServerDに接続する

ネットワークAのクライアント「CLTA01」から別のネットワークDのクライアント「CLTD01」へ通信を行うケースについて説明します。

  1. 収容クライアント「CLTA01」から管理元サーバ「ServerA」への接続

  2. 「ServerA」「ServerB」「ServerC」の経路情報に従って「ServerD」に接続

    2-1

    : 表2.12 のNo.1の経路を使用して、ネットワークD「172.17.13.0」へ接続

    2-2

    : 2-1で「ServerA」から「ServerD」への接続がエラーとなった場合、表2.12 のNo.2の経路を使用してネットワークD「172.17.13.0」へ接続

    2-3

    : 2-2で「ServerA」から「ServerB」への接続がエラーとなった場合、表2.12 のNo.3の経路を使用してネットワークD「172.17.13.0」へ接続

  3. 管理元サーバ「ServerD」から収容クライアント「CLTD01」への接続

注意

2-2において、「ServerB」→「ServerD」への接続がエラーとなった場合、2-3は行われません。

= 備考 =

2-1、2-2、2-3ではコネクションリトライオーバとなるまで、それぞれ接続を試行します。コネクションリトライの詳細については、「コネクションリトライ」を参照してください。

(3) ユーザ選択経路

ファイル転送は、通常、配信側クライアントの管理元サーバと、集信側クライアントの管理元サーバ間の自動設定経路に従って行います。ただし、経由するHULFT-HUB Serverを手動で選択して、ファイルID単位に使用する経路を作成することもできます。

ユーザ選択経路の定義はHULFT-HUB Manager転送情報画面の経路設定で行います。詳細な操作方法についてはHULFT-HUB Managerのオンラインヘルプを参照してください。