スクリプトタスク

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仕様制限

• スクリプトの処理中にエラーが発生した場合は、スクリプト内のすべての処理は行われません。
  正常に処理されたスクリプト部分のみ適用されることはありません。
  エラー発生時には、コントロール権限を持つユーザに対して通知メールが送信されます。


• DataSpider BPMサーバにおけるスクリプトの処理時間を最長5秒に制限しています。
  制限時間内に処理が完了しなかった場合は、「スクリプトタスク」は失敗となります。
  5秒以上の処理時間になる可能性がある場合は、複数の「スクリプトタスク」に処理を分割してください。
  処理時間は、DataSpider BPMサーバの負荷状況により変動します。


• ファイル型、掲示板型およびガイドパネル型プロセスデータ項目の値の編集には対応していません。

基本仕様

前提条件

使用可能なJavaScriptクラス

• 「ECMA-262, Edition 3」(JavaScript 1.5 相当)に規定されたクラス
• 「ECMA-262, Edition 5」(JavaScript 1.7/1.8 相当)の多くのクラス

使用可能なJavaクラス

プロセスデータ項目の参照方法

• 取得: data.get("<プロセスデータ定義番号>");
  プロセスデータ項目の値を取得する場合は、dataというMapを使用します。
        Mapのキーは「プロセスデータ定義番号(の文字列)」であり、データ型ごとに登録される形式が決められています。
  プロセスデータ項目に入力がないまたは選択されていない場合は、取得した値はnullとなります。


• 設定: retVal.put("<プロセスデータ定義番号>", <データ型に応じた形式の値>);
  プロセスデータ項目に値を設定する場合は、retValというMapを使用します。
        Mapのキーは「プロセスデータ定義番号(の文字列)」であり、データ型ごとに決められた形式(型およびフォーマット)で設定する必要があります。
  プロセスデータ項目への設定は、スクリプト処理完了後にまとめて行われます。retVal.put()を実行したタイミングではありません。

サンプル

文字型: 文字型プロセスデータ項目に対する値の取得と設定

シナリオ

1. 文字型(単一行)プロセスデータ項目に固定値を設定します。
2. 文字型(複数行)プロセスデータ項目に固定値を設定します。

実装

 retVal.put("0", "HelloWorld!!");
 retVal.put("1", "Hello\nWorld!!");

シナリオ

1. 新しいアジェンダの内容を保持した文字型(単一行)プロセスデータ項目から値を取得します。
2. アジェンダのリストを保持した文字型(複数行)プロセスデータの最後に、改行コードおよび新しいアジェンダの内容を連結します。
3. アジェンダのリストを保持した文字型(複数行)プロセスデータ項目に新しい内容を含めたすべての値を設定します。

実装

 var newAgenda = data.get("0");
 var agendaList = data.get("1");

 agendaList += '\n';
 agendaList += newAgenda;

 retVal.put("1", agendaList);

数値型: 数値型プロセスデータ項目に対する値の取得と設定

シナリオ

1. 数値型プロセスデータ項目に固定値を設定します。
2. 数値型プロセスデータ項目にランダム値を設定します。

実装

 retVal.put("2", new java.math.BigDecimal(123));
 retVal.put("3", new java.math.BigDecimal(Math.random()));

シナリオ

1. 数量を保持した数値型プロセスデータ項目から値を取得します。
2. 単価を保持した数値型プロセスデータ項目から値を取得します。
3. 数量×単価の値を計算し金額を求めます。
4. 文字型プロセスデータ項目に、金額の値をフォーマット変換して設定します。

実装

 var quantity = data.get("4");
 var unitPrice = data.get("5");

 var price = quantity * unitPrice;

 retVal.put("6", new java.text.DecimalFormat('#,##0円').format(price));

選択型: 選択型プロセスデータ項目に対する値の取得と設定

シナリオ

1. 選択したい値のリスト(「JP」および「US」)を設定します。
2. 選択型プロセスデータ項目(チェックボックス)にて、複数の値を設定します(チェックを入れます)。

実装

 var selects = new java.util.ArrayList();

 selects.add("JP");
 selects.add("US");

 retVal.put("7", selects);

シナリオ

1. 選択型プロセスデータ項目(チェックボックス)で現在選択されている複数の値を取得します。
2. 選択されている値の選択肢IDおよび表示ラベルを取得し、改行コードとともに文字列連結します。
3. 連結した値を文字型(複数行)プロセスデータ項目に設定します。

実装

 var text = "";
 var selects = data.get("7");

 for (var i=0; i < selects.size(); i++){
     var select = selects.get(i);
     text += select.getValue() + ":" + select.getDisplay();
     text += '\n';
 }

 retVal.put("8", text);

日付型: 日付型プロセスデータ項目に対する値の取得と設定

シナリオ

1. 日付型プロセスデータ項目に固定値を設定します。

実装

 retVal.put("9", java.sql.Date.valueOf("2015-03-15"));

シナリオ

1. 日付型プロセスデータ項目の値を取得します。
2. 取得した値を年月日のフォーマット変換(年号YYYY年MM月DD日)を行います。
3. フォーマット変換した値を文字型プロセスデータ項目に設定します。

実装

 var text = "";
 var requestDate = data.get("9");

 var dateFormatter = new java.text.SimpleDateFormat("GGGGyyyy年MM月dd日", new java.util.Locale("ja", "JP", "JP"));

 text += dateFormatter.format(requestDate);

 retVal.put("10", text);

日時型: 日時型プロセスデータ項目に対する値の取得と設定

シナリオ

1. 日時型プロセスデータ項目に固定値を設定します。

実装

 retVal.put("11", java.sql.Timestamp.valueOf("2015-03-15 12:34:56"));

シナリオ

1. 製造日時を保持した日時型プロセスデータ項目の値を取得します。
2. 取得した値から2か月後の日時を、消費日時を保持する日時型プロセスデータ項目に設定します。

実装

 var manufactureDate = data.get("11");

 retVal.put("12", manufactureDate.addMonths(2));

ユーザ型: ユーザ型プロセスデータ項目に対する値の取得と設定

シナリオ

1. DataSpider BPMに登録されているユーザ情報から、指定のメールアドレスを持つユーザを取得します。
2. 取得した値を、担当者を保持するユーザ型プロセスデータ項目に設定します。

実装

 var repUser = quserDao.findByEmail("Ito@localhost.localdomain");

 retVal.put("13", repUser);

シナリオ

1. 担当者を保持するユーザ型プロセスデータ項目から値を取得します。
2. 承認者を保持するユーザ型プロセスデータ項目から値を取得します。
3. 取得した値を改行を含んだ「担当者: <担当者名>[<メールアドレス>]」および「承認者: <承認者名>[<メールアドレス>]」に変換します。
4. 変換した値を関係者情報を保持する文字型(複数行)プロセスデータ項目に設定します。

実装

 var text = "";
 var repUser = data.get("13");
 var appUser = data.get("14");

 text  = '担当者: ' + repUser.getName() + '[' + repUser.getEmail() + ']\n';
 text += '承認者: ' + appUser.getName() + '[' + appUser.getEmail() + ']';

 retVal.put("15", text);

組織型: 組織型プロセスデータ項目に対する値の取得と設定

シナリオ

1. 担当部署を保持した組織型プロセスデータ項目から値を取得します。
2. DataSpider BPMに登録されている組織情報から、担当部署の親組織を取得します。
3. 取得した値を、承認部署を保持する組織型プロセスデータ項目に設定します。

実装

 var repGroup = data.get("16");
 var appGroup = qgroupDao.findParentQgroup(repGroup);

 retVal.put("17", appGroup);

テーブル型: テーブル型プロセスデータ項目に対する値の取得と設定

シナリオ

1. 購入商品リストを保持したテーブル型プロセスデータ項目から値を取得します。
2. 取得した値に1行もデータがなければ、空のテーブル型プロセスデータを生成します。
3. 空のデータ行を生成し、初期値として以下の商品リストを1行生成します。
   
   • 商品名:「PRODUCT-01」
   • 数量:「10」
   • 単価:「1200」
   • 金額:「12000」
4. 生成した行データを、テーブル型プロセスデータに追加します。
5. テーブル型プロセスデータ項目に値を設定します。

実装

 var productList = data.get("18");

 if (productList == null) {
     productList = new com.questetra.bpms.core.model.formdata.ListArray();

     var row = new com.questetra.bpms.core.model.formdata.ListArray.ListRow();

     row.addCol("PRODUCT-01");
     row.addCol("10");
     row.addCol("1200");
     row.addCol("12000");

     productList.addRow(row);

     retVal.put("18", productList);
 }

[その他] プロセス属性: 全プロセス共通のプロセス属性に対する値の取得と設定

シナリオ

1. プロセス属性から、プロセス連番の値を取得します。
2. 取得した値を使用し、以下の値を件名に設定します。
   
   • 第<プロセス連番> 回 定例ミーティング開催

実装

 var seqNum = processInstance.getProcessInstanceSequenceNumber();

 processInstance.setProcessInstanceTitle("第" + seqNum + "回 定例ミーティング開催");

[その他] 部門検索: 「本部-部-課」という構造をもった組織における、所属する本部の取得と設定

シナリオ

1. プロセス属性から、プロセス開始組織の値を取得します。
   ここでは、課が取得されているものとします。
2. 取得したプロセス開始組織から、本部組織を検索します。
   
   • 組織名の最後に「本部」と名のつく親組織を、組織階層を遡りながら検索します。
3. 検索した本部組織を担当本部を保持する組織型プロセスデータ項目に設定します。

実装

 var qGroup = qgroupDao.findById(processInstance.getProcessInstanceInitQgroupId());

 var division = findDivision(qGroup);

 retVal.put("19", division);


 function findDivision(aGroup){
     while (aGroup != null && aGroup.getName().endsWith('本部') == false) {
        aGroup = qgroupDao.findParentQgroup(aGroup);
     }
     return aGroup;
 }

[その他] JSON解析: 文字型(複数行)に保持されているJSON形式の文字列を解析

シナリオ