DataSpider Servista概要

本ページでは、DataSpider Servistaの概要について説明します。

DataSpider Servistaとは

DataSpider Servistaは、種類の異なるシステムやアプリケーション間でデータのやり取りを行う際に、通常はプログラム開発、もしくは手作業でデータの移行や入力作業を行う処理を、GUIベースで作成することができるデータ連携ミドルウェアです。
多種多様なデータソースとの連携をオペレーションという処理単位で表し、それらをフローでつなぐことにより全体の処理をグラフィカルに記述します。一連の処理の流れをサービスとして公開し、トリガーなどのツールから実行することができます。
また、データ連携だけではなく、ユーザやグループなどの開発支援機能や、ログ出力や各種トリガーなど、運用に関する機能も提供しています。

DataSpider Servistaの構成

DataSpider Servistaは、以下のアプリケーションから構成されています。

名前 説明
DataSpider Studio 専用のクライアントを用いてGUIベースでサービスの設計・開発・運用を行う統合開発環境です。
DataSpiderServer サービスの実行環境です。
ScriptRunner 外部プログラムからサービスを起動するためのアプリケーションです。
CLI Console コマンドラインからサービスの運用・管理を行うためのアプリケーションです。

また、以下のアプリケーションはDataSpiderServerをインストールするとウェブブラウザから使用することができます。

名前 説明
DataSpider Studio for Web ウェブブラウザ上でサービスの設計・開発・運用を行う統合開発環境です。
WebConsole ウェブブラウザ上でサービスの運用・管理を行うためのツールです。
ブラウザヘルプ ウェブブラウザで参照可能なヘルプです。

DataSpider Studio/DataSpider Studio for Web

DataSpider Studio(以下、Studio)、およびDataSpider Studio for Web(以下、Studio for Web)は、GUIベースでサービスの設計・開発・運用を行う統合開発環境です。合わせて「クライアント」と呼ばれることもあります。

Studio/Studio for Webは、以下のツールで構成されています。

名前 説明
デザイナ サービスを構成する一連の処理(「スクリプト」)をGUIで作成するツールです。
一つ一つの処理はオペレーションとしてアイコンで表現され、アイコンをドラッグ&ドロップの操作で配置・移動し、アイコンとアイコンをフローでつなぎ合わせるというGUI操作でスクリプトを作成します。
作成したスクリプトは、DataSpiderServerに登録することでトリガーや外部プログラムから実行可能なサービスとなります。
マイプロジェクト プロジェクトを管理するツールです。
DataSpider Servistaでは、プロジェクトはユーザごとに管理されています。マイプロジェクトには自分が閲覧できるプロジェクトの一覧が表示されます。マイプロジェクトからプロジェクトの新規作成や複製、仕様書の出力も行うことができます。
マイトリガー トリガーを管理するツールです。
マイトリガーには自分が閲覧できるトリガーの一覧が表示されます。マイトリガーからトリガーの新規設定や設定変更を行うことができます。
マイログ ログの検索条件の登録や、検索条件の実行、ログの参照を行うツールです。
ログの検索条件はユーザごとに管理されています。マイログには自分が登録したログの検索条件が表示されます。
マイログでは、運用時などに定期的に実行したい検索条件を登録します。たとえば毎朝昨日発生した異常終了をチェックするという運用を行っている場合には、「昨日発生した異常終了」という検索条件を登録しておき、毎朝マイログから登録した検索条件を実行するだけでチェックが簡単にできます。
エクスプローラ DataSpiderファイルシステムを操作するツールです。
エクスプローラから、ファイルやディレクトリの作成、削除、設定変更などを行うことができます。また、ファイル内容の編集も行うことができます。
コントロールパネル DataSpider Servistaの各種管理、状態表示を行うツール群です。
コントロールパネルには、DataSpiderServerの各種設定をはじめ、環境変数やユーザアカウント、リポジトリDBなどの管理を行うツールや、DataSpiderServerのリソース使用量などを参照できるツールがあります。

DataSpiderServer

DataSpiderServerは、デザイナで作成・登録したサービスを実行する環境です。DataSpiderServerは単に「サーバ」と呼ばれることもあります。
サービスは、トリガーや「ScriptRunner」によって起動・実行されます。
DataSpiderServerは、トリガーを実行する機構や、ファイルなどのリソースに対するアクセス制限を行うセキュリティ機構、OSによるファイルシステムの差異をDataSpider Servistaから透過的に扱うことを可能にした仮想ファイルシステム機構(DataSpiderファイルシステム)も持っています。
詳細については、「DataSpiderServerアーキテクチャ」を参照してください。

リポジトリDB

サービスやユーザ情報、各種設定データを保管するリポジトリ領域が設定されたデータベースを「リポジトリDB」と呼びます。
複数人による開発時のログイン情報やアクセス権限を管理したい場合は、リポジトリDBを使用する必要があります。

ScriptRunner

ScriptRunnerは、DataSpiderServerに登録されたサービスを外部プログラムから呼び出すためのツールです。
$DATASPIDER_HOME/server/bin下にインストールされるServer ScriptRunnerと、$DATASPIDER_HOME/client/bin下にインストールされるClient ScriptRunnerがあります。
Java APIからの呼び出しには「ScriptRunnerProxy」を使用します。

CLI Console

CLI Consoleは、DataSpiderServerを管理するためのコマンドラインインターフェースです。
$DATASPIDER_HOME/server/bin下にインストールされるServer CLIConsoleと、$DATASPIDER_HOME/client/bin下にインストールされるClient CLIConsoleがあります。

WebConsole

WebConsoleは、ウェブブラウザ経由でDataSpiderServerの設定を閲覧・設定するためのツールです。

インストールディレクトリの構成

DataSpider Servistaのインストールディレクトリの構成は、以下の通りです。
「(*)」が付与されたディレクトリは、サービス開発、または運用でユーザがファイルを配置・参照するなどで使用する場合があるものを表します。

ディレクトリパス 説明
$DATASPIDER_HOME/server bin(*) サーバアプリケーションの実行ファイルや設定ファイルが配置されています。
conf(*) サーバアプリケーションの設定ファイルが配置されています。
data(*) ユーザ用のディレクトリです。
doc ヘルプファイル用のディレクトリです。
etc 各種設定ファイルが配置されています。
ftp(*) FTPサーバ用のディレクトリです。
home プロジェクト保存用のディレクトリです。各ユーザのホームディレクトリとなります。
lib(*) 外部に配置が必要なライブラリ用のディレクトリです。
lic(*) ライセンスファイル配置用のディレクトリです。
logs(*) ログ出力用のディレクトリです。
plugin アダプタ・トリガーモジュールが配置されています。
samples サンプルファイル配置用のディレクトリです。
schema(*) スキーマファイル配置用のディレクトリです。
share 共有プロジェクト保存用のディレクトリです。
system システムモジュールが配置されています。
thirdparty_license(*) DataSpider Servistaが使用するサードパーティ製ソフトウェアの使用許諾書が配置されています。
tmp(*) システムやコンポーネントのテンポラリとして使用されます。
$DATASPIDER_HOME/client bin(*) クライアントアプリケーションの実行ファイルや設定ファイルが配置されています。
conf(*) クライアントアプリケーションの設定ファイルが配置されています。
doc ヘルプファイル用のディレクトリです。
logs(*) ログ出力用のディレクトリです。
plugin アダプタ・トリガーモジュールが配置されています。
report 仕様書出力用のディレクトリです。
system システムモジュールが配置されています。
tmp(*) システムやコンポーネントのテンポラリとして使用されます。

DataSpider Servista使用禁止文字について

DataSpider Servistaでは、以下の文字制約があります。

仕様制限

注意事項

JREについて

DataSpider Servistaには、Java Runtime Environment(JRE)がバンドルされています。
DataSpider Servistaの各アプリケーションは、DataSpider ServistaにバンドルされたJREを参照して動作します。

DataSpider Servistaが稼働するOSに別途インストールされたJREやJDKによって、各アプリケーションの動作が影響を受けることはありません。

システムが作成するファイルについて

システムは各種設定、プロジェクトなどをファイルに保存しています。そのため、それらのファイルを直接編集すると予期せぬ動作が発生することがあります。
ユーザ側で作成していないファイルについては直接編集を行わないでください。