こんまり®︎(近藤 麻理恵) こんまり®︎メソッドで始めるデータ整理
Lesson2
「データを選ぶ基準とビジネスへの効果」 講師:砂子貴紀さん

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▼プロフィール
KonMari Media Japan(株) / KonMari Method Business School Founder
こんまり®︎メソッドを自社・他社関わらず、企業経営や事業マネジメント、コミュニケーションに日本で最も活かしてきた現役経営者 兼 プロコーチ。こんまり®︎メソッドの発案者である近藤麻理恵とは 12年以上前から親交があり、「チームこんまり」の経営に参画するまで メソッドの良き理解者であり実践者でもあった。外資系金融機関最年少支社長というキャリアを周りの反対を押し切って手放し、三児の父であるにも関わらず、全てをリセットした経験あり。ジョブレス中、家族で世界一周へ。こんまり®︎メソッドのビジネス応用に関する企業研修・オンライン研修・講演・著名人との対談などの実績多数。(早稲田大学・リクルート社・Facebook社 etc.)
※役職や所属は取材時のものです。

KonMari Media Japan
KonMari Method Business School

「データを選ぶ基準とビジネスへの効果」

レッスン1では、データ整理を行おうとしているビジネスマンに向けて、こんまり®︎メソッドとデータ整理の関係から、実際にデータ整理を行うための前半のプロセスについて、お伝えしました。
レッスン2では前回に引き続き、KonMari Media Japan株式会社のCEOであり、こんまり®︎メソッドをビジネスで応用する方法を多くの企業に紹介してきた砂子貴紀さんに、データ整理とそのメリットについてお話をお伺いしました。

1. 最後に、「選ぶ」「戻す」を経てデータは整理される

前回お話しした「出し切る」の次は、「選ぶ」というプロセスが待っています。こんまり®︎メソッドでは、この「選ぶ」というプロセスをするにあたって「ときめくかどうか」という基準を大切にしています。しかし、データ整理において「ときめくかどうか」を基準にするのは難しいですよね。「私はときめかないから」と言ってチームの誰かが重要なファイルを捨ててしまう…なんてこともありえます。ですので、データ整理をする際の「ときめくかどうか」に関しては、3つの基準で「選ぶ」ことをおすすめしています。その3つの基準とは、

①今使っているモノ
②一定期間必要なモノ
③一生必要なモノ

の3つです。基本的に、この3つに当てはまるデータは「戻す」という次のプロセスに進みます。もしチームでデータ整理を行う場合は、一定のセーフティネットを設けて、この3つに当てはまらなかったデータについても最終確認するようにしてください。多くの人が必要なデータと必要ではないデータを区別することができていない中、この3つの基準でデータを確認することはとても大切です。

「選ぶ」を終えたら、後は選んだモノを戻していくだけです。この状態はまさに、「ときめくモノだけが整理されて残っている」状態です。 ここまでお話してきたデータ整理の4つのプロセスをもう一度確認すると、

①描く
②出す
③選ぶ
④戻す

という流れになっています。実際にこの流れでデータを整理するためにかかる時間はかなり個人差があるため、一概には言えません。しかしひとつアドバイスをするなら、だらだらと時間をかけて行うより、目安の時間を決めて一気に行うのがおすすめです。こんまり®︎メソッドでは片づけや整理をする期間のことを「片づけ祭り」と呼んでいます。なぜ祭りが楽しいのかを考えたとき、何週間も何ヶ月も行うのではなく、1日か長くても数日の短い期間で行うからだと思うんです。片づけも同じで、短い時間で行うことで祭りのように楽しむことが大切です。時間を決めて、ポジティブな気持ちで取り組んでみてください。

2. データ整理の第一歩は、「理想を描くこと」

データを整理すると何が起こるか。第一に、データを取り出そうと検索することがなくなります。よくあるのが、データを見つけようと検索しても検索したキーワードに引っかかって結局たくさんのデータが出てきてしまい、目当てのデータにたどり着けないケース。しかしデータ整理ができていると、ルールや理想を固めた上でナンバリングされ、ちゃんとデータの場所が明確化されているので、検索するよりも早くクリックしてたどり着くことができるんです。まさに図書館の索引検索と同じで、どの棚の何段目に目当ての本があるかすぐに分かるように、データも整理することで同じ状態をつくることができます。

こうして検索が不要になることで、業務が効率化され時間短縮になります。そして時間短縮は、コミュニケーションの円滑化にもつながります。例えば、上司が部下に「あのタスクお願いね」という指示を出した際、上司も部下もそのタスクを行うために必要なデータがどこにあるか把握できているので、部下がその要望に応えるスピードが上がります。依頼されるプレッシャーが下がり、リラックスして仕事に取り組むことができるのです。そして上司も同じようにお願いするハードルが下がっているので、二人のコミュニケーションが円滑になり、信頼関係につながります。データを整理することは、こうしたコミュニケーションにもとても役に立つのです。その他にも、トラブルやミスが減少したというケースもあります。ある運輸会社で研修を行った際、データや社内の備品を片づけたことで、無駄な会議や残業時間が減り、最終的には事故件数が減ったんです。片づけと事故数が直接的に関係しているかは明言できませんが、片づけた結果として事故数が減ったのには驚きました。他の業界ならば、ヒューマンエラーや原稿の誤字脱字が減るかもしれません。

また、企業が本当にやるべきことや、USP(Unique Selling Proportion:独自の強みであり、競合優位となる差別化ポイント)が明確になってくるというのもデータ整理の効果のひとつです。個人で例えると分かりやすいのですが、例えば「君、この前もこの仕事できていたから今回もお願いね」と頼まれて、その社員のスキルを発揮しきれない仕事を延々とやらされているケースがよくあるんです。野球で言ったら、ピッチャーがなぜかキャッチャーをずっとやらされているようなものです。野球だったらすぐに調整できますが、なぜか企業だと、惰性や上下関係でこういうことが起き続けてしまう。だからこそ、チームでしっかり理想を描いた上でデータを整理することで、自分たちのUSPを全員が共有している状態を保つことが大切です。

3. データ整理を始めようとする方々に伝えたいこと

最後に、データ整理を始めようとしている方々に伝えたいのは、

少し立ち止まって考えてみよう

ということ。こんまり®︎メソッドは全ての人にとっての最適解ではなくて、ひとつの選択肢です。色々な選択肢があるなかで、自分の価値観や働き方を明確にして選んでいくことが大切です。例えば「何のために働くのか」ということでさえも、実は周りの考え方に流されてしまっていて自分の本当の意思ではない場合があります。「自分で選ぶ」という力を生まれ持っているはずなのに、選択肢と情報が多すぎる世の中で生きた結果、知らず知らずのうちに自分の意見が埋もれてしまっているからです。改めて、自分が何のために働いているのか、何を楽しみにしているのかを再考することで、隠していた自分の想いに気づくかもしれません。その上で、こんまり®︎メソッドを選ぶのか、他の方法を選ぶのかは自分次第です。ですので、まず少し立ち止まって考えてみる時間を持ってみてください。私は片づけという切り口で様々な個人や企業を見てきましたが、価値観や課題を再認識してデータを整理することで、その課題を解決していった方々をたくさん見てきました。焦ってデータを整理しようとするのではなく、一度立ち止まる。それが、データを整理して理想に近づくための近道です。

ここまでが、今回のレッスンになります。ありがとうございました。


レッスン1レッスン2と続けて、データ整理についての情報をお届けしました。「社員にとっても会社にとっても、取引先にとっても、ときめいて働きやすい状態をつくり続ける」ということが今後も変わらない目標だと語る砂子さん。みなさんも、データ整理を始めてときめく働き方を手に入れてみませんか。