完全性
(1) 転送時データ検証
HULFT7相当のファイル送達保証を実現するために、通信経路上でデータの欠損がないかをHULFT-WebFileTransferシステムが検証します。
データ検証処理はファイルの受信側で行います。
アップロードの場合
クライアント側でデータファイルから検証値を生成し、データファイルと検証値をHULFT-WebFileTransferに転送します。HULFT-WebFileTransferはサーバ上で生成した検証値とクライアントから受信した検証値を比較し、差異があればデータ検証エラーとなります。

図2.18 アップロード時のデータ検証
ファイルをアップロードする際にHULFT-WebFileTransfer側でデータ検証を行うかどうかは、システム動作環境設定の「転送時データ検証の設定」で指定します。
項目の詳細は「システム動作環境設定」を、設定の手順については「HULFT-WebFileTransfer 操作ヘルプ」を参照してください。
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「転送時データ検証の設定」を“データ検証しない”に設定した場合は、ファイルサイズの検証を行います。
HULFT-WebFileTransferはクライアントから通知されたファイルサイズと実際に受信したファイルサイズを比較し、差異があればエラーとなります。 -
検証値はHULFT-WebFileTransferのデータベースに格納され、ダウンロード時のデータ検証や保存データのデータ検証で利用されます。
ダウンロードの場合
HULFT-WebFileTransfer側で、データファイルの検証値をデータベースから取得し、データファイルと検証値をクライアントに転送します。クライアントはデータファイルから生成した検証値とHULFT-WebFileTransferから受信した検証値を比較し、差異があればデータ検証エラーとなります。

図2.19 ダウンロード時のデータ検証
クライアントマシン(ブラウザ)でのデータ検証処理は、クライアントマシンの性能によって相当の処理負荷がかかるため、ファイルのダウンロード時にデータ検証の実行可否を選択することができます。
ファイルをダウンロードする手順については「HULFT-WebFileTransfer 操作ヘルプ」を参照してください。
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アドレスバーの横にある[ダウンロード]ボタンでのダウンロード(クイックダウンロード)ではデータ検証は行われません。
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アップロード時にデータ検証を実施していない場合、ダウンロード時のデータ検証は行われません。
ダウンロード時に「データ検証」を“データ検証しない”に設定した場合は、ファイルサイズの検証を行います。
クライアントはHULFT-WebFileTransferから通知されたファイルサイズと実際に受信したファイルサイズを比較し、差異があればエラーとなります。
(2) 保存データのデータ検証
悪意ある第三者によるハッキングや内部ユーザによるデータ改ざん等を考慮し、HULFT-WebFileTransferでは、HULFT-WebFileTransferのサーバに保存しているデータに対して、任意のタイミングでデータ検証を行うことができます。保存時のデータ検証を行うことで、ユーザはデータ不整合等による追跡調査を行う際に、HULFT-WebFileTransferのサーバ上でデータ改ざんが行われたのかどうかを判別することができます。
保存データに対してデータ検証する手順については「HULFT-WebFileTransfer 操作ヘルプ」を参照してください。

図2.20 保存データの検証
アップロード時にデータ検証を実施していない場合は、保存データのデータ検証はエラーになります。