Managerの動作環境を設定する

Managerの動作環境を設定するには、環境設定ファイル(application.properties)を編集します。

環境設定ファイルは、Managerのインストールディレクトリに格納されています。

(1) 環境設定ファイルの編集方法

Managerをインストール後、初期設定から変更したい項目を編集します。環境設定ファイル(application.properties)は、テキストエディタで編集してください。

編集前には、バックアップを取得しておくことをお勧めします。

注意

環境設定ファイル(application.properties)を変更した場合、変更を有効にするためにManagerを再起動してください。

(2) 環境設定ファイルの設定内容

Managerのポート番号
server.port=8765

server.port

Managerのポート番号を指定します。

インストール直後は、8765が設定されています。

配付ファイルサイズ
# spring.servlet.multipart.max-file-size=10MB
# spring.servlet.multipart.max-request-size=15MB

インストール直後は、コメントアウトされています(行頭に「#」)。

インストール後にこれらの値が使用されます。変更したい場合は「#」を削除して値を変更してください。

spring.servlet.multipart.max-file-size

Managerがアップロードできる配付ファイルのサイズの上限値を「数値」と「単位」で設定します。

  • 数値の範囲:1~2147483647

  • 単位:MB または KB

実際にアップロードできるかどうかは、Managerが稼働する環境のリソースに依存します。

※ 配布できるファイルサイズの上限は 2147483647Byte(2G Byte - 1 Byte)です。

spring.servlet.multipart.max-request-size

Managerに対するHTTPリクエストサイズの上限値を「数値」と「単位」で設定します。

  • 数値の範囲:1~9223372036854775807

  • 単位:MB または KB

実際にリクエストを処理できるかどうかは、Managerが稼働する環境のリソースに依存します。

注意

HTTPリクエストサイズには、配付ファイルのサイズとHTTPヘッダー情報などのサイズを合計した値を指定してください。spring.servlet.multipart.max-file-sizeとspring.servlet.multipart.max-request-sizeの指定値が適正でない場合、指定した上限値の配付ファイルがアップロードできないことがあります。

10MBのファイルをアップロードできない設定例

spring.servlet.multipart.max-file-size=10MB

spring.servlet.multipart.max-request-size=10MB

10MBのファイルをアップロードできる設定例

spring.servlet.multipart.max-file-size=10MB

spring.servlet.multipart.max-request-size=15MB

ログのトランケート
device.access.log.truncation.cron=0 0 2 * * *
transfer.log.truncation.cron=0 0 2 * * *
receiving.log.truncation.cron=0 0 2 * * *
trace.log.truncation.cron=0 0 2 * * *

device.access.log.truncation.cron

アクセスログをトランケートする場合に指定します。

transfer.log.truncation.cron

転送履歴をトランケートする場合に指定します。

receiving.log.truncation.cron

受信履歴をトランケートする場合に指定します。

trace.log.truncation.cron

トレースログをトランケートする場合に指定します。

指定方法
  • デフォルト:0 0 2 * * * (毎日午前2時にトランケート)

  • フォーマット:秒 分 時 日 月 曜日
    先頭に秒が追加されていること以外は、標準的なcronのフォーマットと同一です。

(例)

月曜から金曜の10時から18時に、1時間ごとにトランケート処理を実行する場合、次のように指定します。

0 0 10-18 * * MON-FRI

以下の例の場合、毎日午前2時に、最新30日分のログを残し、それ以外のログを削除します。

・スケジュール:0 0 2 * * *

・トランケートモード:日付

・閾値:30日

トランケートの設定を有効にするには、Manager画面で設定します。

詳細は「ログの削除条件の設定」を参照してください。

データベースの動作環境
# DataSource
spring.datasource.driver-class-name=org.postgresql.Driver
spring.datasource.url=jdbc:postgresql://127.0.0.1:5432/hulftiot
spring.datasource.username=postgres
spring.datasource.password=postgres

インストール直後は、上記の内容で設定されています。

PostgreSQLのパスワードを変更する場合は、「インストレーションガイド」を参照してください。

Web接続の環境
# server.ssl.enabled=true
# server.ssl.key-store=${hulftiot.manager.home}/.keystore
# server.ssl.key-password=changeit
# server.ssl.key-store-password=changeit
# server.ssl.key-alias=iot

インストール直後は、コメントアウトされています(行頭に「#」)。

設定値はサンプルです。変更したい場合は「#」を削除して値を変更してください。

server.ssl.enabled

Managerに組み込まれているWebサーバーの機能を使用して、HTTPSを有効にするかどうかを指定します。

  • true:HTTPSを有効にする。

    AgentからHULFTへのファイル転送でHULFT over TLSを使用する場合は、必ずtrueを指定します。

  • false:HTTPSを無効にする。

HTTPSを有効(server.ssl.enabled=true)にした場合、以下の4項目を指定します。

server.ssl.key-store

証明書ストアのパスを指定します。

server.ssl.key-password

証明書ストアに格納されているキーのパスワードを指定します。

server.ssl.key-store-password

証明書ストアのパスワードを指定します。

server.ssl.key-alias

証明書ストアに格納されているキーのエイリアス名を指定します。

ユーザーのセッションタイムアウトの指定
hulft.login.session.timeout.polling=60
hulft.login.session.timeout=3600

インストール直後は、上記の内容で設定されています。

hulft.login.session.timeout.polling

Managerとユーザーとのセッションがタイムアウトしているかどうかを確認する間隔を秒単位で指定します。単位の指定は不要で、数値だけを指定します。

  • 数値の範囲:1~2592000

hulft.login.session.timeout

Managerとユーザーとのセッションがタイムアウトするまでの時間を秒単位で設定します。単位の指定は不要で、数値だけを指定します。

  • 数値の範囲:1~2592000
Agentのセッションタイムアウトの指定
hulft.agent.session.timeout=259200

インストール直後は、上記の内容で設定されています。

hulft.agent.session.timeout

ManagerとAgentとのセッションがタイムアウトするまでの時間を秒単位で設定します。単位の指定は不要で、数値だけを指定します。

  • 数値の範囲:1~2592000
互換モード・互換バージョンの指定
hulft.api.compatibility.mode=on
hulft.api.compatibility.version=V01L00R00P00

インストール直後は、上記の内容で設定されています。

hulft.api.compatibility.mode

Managerが古いバージョンのAgentを管理するかどうかを指定します。

  • on:Managerは、古いバージョンのAgentを管理する。
  • off:Managerは、古いバージョンのAgentを管理しない。

hulft.api.compatibility.version

hulft.api.compatibility.modeをonにした場合、Managerで過去のどのバージョンのAgentから管理するかを指定します。

指定方法
  • フォーマット:VバージョンLレベルRリビジョンPマイナーリビジョン

(例)

現在のManagerがバージョン1.1.0AのAgentから管理する場合、次のように指定します。

V01L01R00P0A

SSLアクセラレータ経由Agent互換モード
server.compatibility.v1.ssl.accelerator=false

インストール直後は、上記の内容で設定されています。

server.compatibility.v1.ssl.accelerator

SSLアクセラレータを使用する構成で、ManagerがV1のAgentを管理する場合に指定します。

  • true:SSLアクセラレータを使用する構成
  • false:基本構成

SSLアクセラレータを使用する構成および基本構成については、「HULFT over TLS」「(1) マネージャ環境の構成と設定」の図を参照してください。

SSLアクセラレータを使用する構成でManagerがV1のAgentを管理する場合に本設定を有効にしないと、Agentのファイル受信機能とAgentのアップデート機能を使用できない可能性があります。

履歴の監視
# Notifications
# transfer.log.notification.cron=0 * * * * *
# receive.log.notification.cron=0 * * * * *
# trace.log.notification.cron=0 * * * * *

インストール直後は、コメントアウトされています(行頭に「#」)。

インストール後にこれらの値が使用されます。変更したい場合は「#」を削除して値を変更してください。

transfer.log.notification.cron

転送履歴を監視する場合に指定します。

receive.log.notification.cron

受信履歴を監視する場合に指定します。

trace.log.notification.cron

トレースログを監視する場合に指定します。

指定方法
  • デフォルト:0 * * * * * (毎分確認します)

  • フォーマット:秒 分 時 日 月 曜日
    先頭に秒が追加されていること以外は、標準的なcronのフォーマットと同一です。

(例)

月曜から金曜の10時00分から17時59分まで、毎分確認する場合は、次のように指定します。

0 * 10-17 * * MON-FRI

監視結果の通知方法については、「通知メールを設定する」を参照してください。

集信履歴のキャッシュ
hulrcv.log.cache.cron=0 * * * * *

hulrcv.log.cache.cron

集信履歴のキャッシュ間隔を指定します。

指定方法
  • デフォルト:0 * * * * * (毎分集信履歴をキャッシュします)

  • フォーマット:秒 分 時 日 月 曜日
    先頭に秒が追加されていること以外は、標準的なcronのフォーマットと同一です。

ライセンス有効期限の監視
# term.key.expiration.notification.cron=0 0 0 * * *

インストール直後は、コメントアウトされています(行頭に「#」)。

インストール後にこの値が使用されます。変更したい場合は「#」を削除して値を変更してください。

term.key.expiration.notification.cron

利用期間ライセンスキーの有効期限を確認する時間を指定します。

指定方法
  • デフォルト:0 0 0 * * * (毎日午前0時に利用期間ライセンスキーの有効期限を確認します)

  • フォーマット:秒 分 時 日 月 曜日
    先頭に秒が追加されていること以外は、標準的なcronのフォーマットと同一です。

(例)

月曜から金曜の午前0時に確認する場合、次のように指定します。

0 0 0 * * MON-FRI

有効期限の通知方法については、「通知メールを設定する」を参照してください。

通知メールの設定
# Email
# spring.mail.protocol=smtp
# spring.mail.default-encoding=UTF-8
# spring.mail.host=localhost
# spring.mail.port=25
# spring.mail.username=
# spring.mail.password=
# spring.mail.properties.mail.smtp.auth=false
# spring.mail.properties.mail.smtp.from=notification@hulftiot.com
# spring.mail.properties.mail.smtp.connectiontimeout=5000
# spring.mail.properties.mail.smtp.timeout=3000
# spring.mail.properties.mail.smtp.writetimeout=5000

インストール直後は、コメントアウトされています(行頭に「#」)。

設定値は、通信プロトコルと文字コードセットを除き、サンプルです。変更したい場合は「#」を削除して値を変更してください。

spring.mail.protocol

通知メールの通信プロトコルです。smtpを指定します。

spring.mail.default-encoding

通知メールの文字コードセットです。UTF-8を指定します。

spring.mail.host

SMTPサーバのホスト名を指定します。

spring.mail.port

SMTPサーバのポート番号を指定します。

spring.mail.username

SMTPサーバのユーザー名を指定します。

spring.mail.properties.mail.smtp.authにfalseを指定する場合はコメントアウトしてください。

spring.mail.password

SMTPサーバのパスワードを指定します。

spring.mail.properties.mail.smtp.authにfalseを指定する場合はコメントアウトしてください。

spring.mail.properties.mail.smtp.auth

SMTP-AUTHを使用したメール送信をする場合はtrueを指定します。

spring.mail.properties.mail.smtp.from

送信者のメールアドレスです。RFC準拠のメールアドレスを指定します。

spring.mail.properties.mail.smtp.connectiontimeout

SMTPサーバとのコネクション確立までのタイムアウト時間をミリ秒単位で指定します。単位の指定は不要で、数値だけを指定します。

  • 数値の範囲:0~2147483647

spring.mail.properties.mail.smtp.timeout

SMTPサーバとの通信(read)のタイムアウト時間をミリ秒単位で指定します。単位の指定は不要で、数値だけを指定します。

  • 数値の範囲:0~2147483647

spring.mail.properties.mail.smtp.writetimeout

SMTPサーバとの通信(write)のタイムアウト時間をミリ秒単位で指定します。単位の指定は不要で、数値だけを指定します。

  • 数値の範囲:0~2147483647

HULFT over TLS
ssl.route.cipher=false
ssl.route.multiplicity=10
ssl.route.timeout=3600

インストール直後は、上記の内容で設定されています。

ssl.route.cipher

HULFT over TLSを使用する場合はtrueを指定します。

ssl.route.multiplicity

Managerがファイル転送を同時に中継できる通信多重度を指定します。

  • 数値の範囲:1~99

指定した値を超えるファイル転送が同時に発生した場合、Agentはエージェント動作設定画面で設定された次の値に従って、Managerとの再接続を試みます。

  • コネクションリトライ回数
  • コネクションリトライ間隔

ssl.route.timeout

Managerがファイル転送を中継する際の無通信タイムアウトを秒単位で指定します。単位の指定は不要で、数値だけを指定します。

  • 数値の範囲:1~259200