SMSで管理された環境でのHULFTの動作
HULFTは、SMSで管理されているファイルの配信や、SMSで管理されているファイルへの集信を行うことができます。
以下に、SMSで管理された環境でHULFTが動作する場合の注意点を説明します。
本節では、以下の表記を使用しています。
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SMSで管理されているボリューム
POOLタイプのストレージ・グループに登録されたボリュームのこと
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SMSで管理されているファイル
POOLタイプのストレージ・グループに登録されたボリューム上のファイルのこと
(1) SMSで管理されているファイルを配信する場合
配信ファイルは、システムの初期値に設定されたユニットグループに属するボリューム上に割り当てられている必要があります。
ダイレクト転送
ダイレクト転送を行う場合は、以下の注意点があります。
システム動作環境設定
配信ファイル・集信ファイルのUNIT名(INIT-UNIT)
SMSで管理されているファイルを動的に指定して配信する場合、ストレージ・グループに登録されているUNITが優先されるため、配信ファイル・集信ファイルのUNIT名
(INIT-UNIT)に指定した値は使用されません。
配信管理情報
ボリューム通番(VOL)
SMSで管理されているファイルを配信する場合、ボリューム通番(VOL)を指定しないでください。
UNIT(UNIT)
SMSで管理されているファイルを配信する場合、ストレージ・グループに登録されているUNITが優先されるため、UNIT(UNIT)の指定は使用されません。
ワークファイル転送
ワークファイル転送を行う場合は、上記のダイレクト転送の注意点に加え、以下の注意点があります。
システム動作環境設定
配信ワークファイルの第一修飾子(PREFIX)
配信ワークファイルをSMSで管理されているボリュームに作成する場合、以下の設定をしてください。
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システム動作環境設定の配信ワークファイルの第一修飾子(PREFIX)に任意の修飾子を指定
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上記の第一修飾子から始まるデータ・セットがSMSで管理されているボリュームに作成されるよう、ACSルーチンに設定
配信ワークファイルのUNIT名(UNIT)
配信ワークファイルをSMSで管理されているボリュームに作成する場合、ストレージ・グループに登録されているUNITが優先されるため、配信ワークファイルのUNIT名(UNIT)の指定は使用されません。
ワークボリュームモード(WORKVOLMODE)
配信ワークファイルをSMSで管理されているボリュームに作成する場合、ストレージ・グループに登録されているUNITが優先されるため、ワークボリュームモード(WORKVOLMODE)の値は使用されません。
配信管理情報
ワークボリューム通番(WORK-VOL)
配信ワークファイルをSMSで管理されているボリュームに作成する場合、ワークボリューム通番を指定しないでください。
配信ワークファイルをSMSで管理されているボリュームに作成する方法は、本節のシステム動作環境設定の配信ワークファイルの第一修飾子(PREFIX)の注意点を参照してください。
装置台数(UNIT-CNT)
配信ワークファイルをSMSで管理されているボリュームに作成する場合、配信管理情報の装置台数(UNIT-CNT)の設定値に従ってマルチボリュームファイルが作成されます。
ただし、装置台数(UNIT-CNT)が“1”のときは、データ・クラスの「volume count」の設定値に従ってマルチボリュームファイルが作成されます。
(2) SMSで管理されているファイルに集信する場合
システム動作環境設定
集信ワークファイルの第一修飾子(RPREFIX)
複数集信を行う場合のワークファイルをSMSで管理されているボリュームに作成するときは、以下の設定をしてください。
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システム動作環境設定の集信ワークファイルの第一修飾子(RPREFIX)に任意の修飾子を指定
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上記の第一修飾子から始まるデータ・セットがSMSで管理されているボリュームに作成されるよう、ACSルーチンに設定
配信ファイル・集信ファイルのUNIT名(INIT-UNIT)
SMSで管理されているファイルに集信する場合、ストレージ・グループに登録されているUNITが優先されるため、配信ファイル・集信ファイルのUNIT名(INIT-UNIT)に指定した値は使用されません。
集信管理情報
ボリューム通番(VOL)
SMSで管理されている既存のファイルに集信する場合は、ボリューム通番(VOL)の指定は使用されません。ストレージ・グループに設定されたボリュームに集信ファイルが作成されます。
なお、ストレージ・グループに設定されたボリュームは、システムの初期値に設定されたユニットグループに属している必要があります。
ワークボリューム通番(WORK-VOL)
複数集信を行う場合のワークファイルをSMSで管理されているボリュームに作成するときは、ワークボリューム通番(WORK-VOL)を指定しないでください。
複数集信を行う場合のワークファイルをSMSで管理されているボリュームに作成する方法は、本節のシステム動作環境設定の集信ワークファイルの第一修飾子(RPREFIX)の注意点を参照してください。
マルチボリューム区分(VOL-TYPE)
以下の条件をすべて満たす場合、マルチボリュームファイルを新規に作成して集信できます。
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集信ファイルがSMSで管理されているファイル
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集信ファイルに設定されるデータ・クラスの「volume count」の値が2以上
以下の条件をすべて満たす場合、集信ファイルがマルチボリュームファイルに変更される可能性があるため、集信管理情報のマルチボリューム区分(VOL-TYPE)に“A(自動)”を設定してください。
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SMSで管理されている既存のファイルに集信
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設定されているデータ・クラスの「Dynamic Volume Count」の値が2以上
SMSで管理されている既存の集信ファイルに集信する場合、集信管理情報のマルチボリューム区分(VOL-TYPE)に“A(自動)”を設定することをお勧めします。そうすることで、集信ファイルがシングルボリュームファイルかマルチボリュームファイルかを意識せずに集信できます。
UNIT(UNIT)
SMSで管理されているファイルに集信する場合、ストレージ・グループに設定されたボリュームに集信ファイルが作成されるため、UNIT(UNIT)の指定は使用されません。
異常時の処置(ABNORMAL)
異常時の処置(ABNORMAL)に“R(復元)”を指定する場合は、集信管理情報の以下の項目に、集信ファイルと属性が同じクラスを指定してください。
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ストレージクラス(STORCLAS)
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管理クラス(MGMTCLAS)
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データクラス(DATACLAS)
カタログ処理(CATALOG)
SMSで管理されたボリュームに集信ファイルを新規作成する場合は、カタログ処理(CATALOG)の指定にかかわらずカタログされます。
MF間集信属性(MFRCVORG)
配信ファイルがSMSで管理されているファイルの場合、配信ファイルのクラス属性は集信ファイルには使用されません。
データクラス(DATACLAS)
SMSで管理されたボリュームに集信ファイルを新規作成する場合は、ご利用の環境に応じて、データクラス(DATACLAS)を指定してください。
集信管理情報のデータクラス(DATACLAS)を指定して、集信ファイルを新規作成して集信する場合、以下の項目を省略、または「なし」を指定すると、データクラス(DATACLAS)で指定したデータ・クラスに登録されている値が集信ファイルに反映されます。
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レコード形式(RECFM)
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レコード長(LRECL)
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ブロック長(BLOCKLEN)
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印刷文字(PRINT-CNTL)
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容量(CYL|TRK)
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一次要求量(CYL|TRK)
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増分量(CYL|TRK)
データ・クラスの「Override Space」に「Y」のデータ・クラスを利用して集信ファイルを新規作成しても、集信管理情報の設定が優先されます。データ・クラスの値を優先させる場合は、各項目を省略してください。
ストレージクラス(STORCLAS)
SMSで管理されたボリュームに集信ファイルを新規作成する場合は、ご利用の環境に応じて、ストレージクラス(STORCLAS)を指定してください。
管理クラス(MGMTCLAS)
SMSで管理されたボリュームに集信ファイルを新規作成する場合は、ご利用の環境に応じて、管理クラス(MGMTCLAS)を指定してください。
(3) 操作ログのバックアップを作成する場合
システム動作環境設定
コマンド実行ログバックアップ出力先ボリューム名(OPLCMDBKVOL)
コマンド実行ログバックアップ出力先データセット名(OPLCMDBK)で指定した世代管理ファイルがSMSで管理されているボリュームに作成される場合、コマンド実行ログバックアップ出力先ボリューム名(OPLCMDBKVOL)で指定したボリュームではなく、対象のストレージ・グループ内の任意のボリュームに作成されます。
ファイルアクセスログバックアップ出力先ボリューム名(OPLFILEBKVOL)
ファイルアクセスログバックアップ出力先データセット名(OPLFILEBK)で指定した世代管理ファイルがSMSで管理されているボリュームに作成される場合、ファイルアクセスログバックアップ出力先ボリューム名(OPLFILEBKVOL)で指定したボリュームではなく、対象のストレージ・グループ内の任意のボリュームに作成されます。
操作ログ出力先データセットのUNIT名(OPLUNIT)
コマンド実行ログバックアップ出力先データセット名(OPLCMDBK)、またはファイルアクセスログバックアップ出力先データセット名(OPLFILEBK)の世代管理ファイルがSMSで管理されているボリュームに作成される場合、ストレージ・グループに登録されているUNITが優先されるため、操作ログ出力先データセットのUNIT名(OPLUNIT)に指定した値は使用されません。
(4) 集信後ジョブで環境変数を利用する場合
&VOL
SMSで管理されているファイルに集信する場合、集信後ジョブには、集信管理情報のボリューム通番(VOL)に指定した値が引き継がれます。
本節の動作は、ストレージ・クラスにて「Guaranteed Space」がNO(初期値)の場合の動作です。
「Guaranteed Space」がYESの場合は、特定のボリューム通番を指定すると、そのボリュームにファイルが作成されます。