再配信要求
配信処理中に何らかの問題が発生して配信が中断すると、異常終了したファイルの情報が配信制御ファイル(HULFT.QUEUE)に書き込まれます。 再配信要求は、配信制御ファイルに書き込まれた以下の情報を元に再配信を実行します。
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ホスト名
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ファイルID
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ファイル名
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再配信処理番号
再配信要求では、配信が中断された個所からファイルを再配信します(チェックポイント再配信)。ファイルの先頭から再配信したい場合には、XRCRD定義カードに「NP」を指定します。
チェックポイント再配信は、以下の条件がすべて満たされている必要があります。1つでも条件が満たされていないと、ファイルの先頭からの再配信となります。
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集信管理情報の登録モード(TRANSMODE)が“R(置き換え)”
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集信管理情報の異常時の処置(ABNORMAL)が“K(保存)”
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集信管理情報の集信形態(RCVTYPE)が“S(単一集信)”
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簡易転送で行った転送は、再配信ができません。
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再配信要求時は、配信前ジョブIDが登録されていても配信前ジョブは実行されません。また、同期転送機能、メッセージ送信機能はありません。ただし、配信要求時または送信要求時に指定されたメッセージは引き継がれます。
(1) 再配信要求プログラム
プログラム名
XRRSNDGO
XRSYSIN定義カード
HULFTシステムの動作環境を設定します。設定内容の詳細は、「アドミニストレーション マニュアル」のシステム動作環境の説明を参照してください。
定義カードの形式
START-TASK=配信プログラムのジョブ名(XRSNDのジョブ名) OPLSELECT=操作ログ出力選択 (*1)
*1 |
: |
操作ログ出力機能を使用する場合は、操作ログ関連の設定が必要です。詳細は「操作ログの動作設定」を参照してください。 |
XRCRD定義カード
再配信要求するための定義カードの形式は以下のとおりです。
定義カードの形式
a b c d e [xxxx...xxxx],[xxxxxxxx],[NP],[DSNAME=xxxx...xxxx][,NO=99999999]
定義カードが2行にまたがる場合は、以下のいずれかの方法で定義カードを記述してください。
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1行目は71カラム目まで記述した後、72カラム目に「-」(ハイフン)を記述する。2行目は1カラム目から記述する。
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パラメータの後の「,」(カンマ)まで記述した後、半角スペースを空けた上で71カラム目までに「-」(ハイフン)を記述する。
定義カードの入力内容
- a.ホスト名
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再配信を行う相手ホスト名を指定します(省略可)。
50バイト以内の英数字で指定します。
省略すると、すべてのホスト名が対象になります。
- b.ファイルID
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再配信を行うファイルIDを指定します(省略可)。
50バイト以内の英数字で指定します。
省略すると、指定した相手ホスト名の再配信待ちになっているファイルIDがすべて配信されます。
- c.NP
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ファイルの先頭から再配信を行うときに指定します(省略可)。
省略すると、配信が中断された個所から再配信(チェックポイント再配信)となります。
- d.データセット名
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再配信待ちレコードに登録されている配信ファイルのファイル名を指定します(省略可)。
メンバ名を含めて26バイト以内の英数字で指定します。
再配信待ち状態にある配信ファイルのファイル名を指定してください。再配信するファイルを動的に指定するパラメータではありません。
省略すると、すべてのファイル名が対象になります。
- e.再配信処理番号
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配信制御ファイルに登録する際に付与された通し番号を指定します(省略可)。
“1”~“99999999”の範囲で指定します。
省略すると、すべての再配信処理番号が対象になります。
-
再配信待ちとなっているすべての配信ファイルに対して再配信要求を発行する場合は、XRCRD定義カードを省略して再配信要求プログラムを実行してください。
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定義カードの入力内容のうち、途中のパラメータを省略する場合、カンマは省略できません。各パラメータの間にカンマを指定してください。
- (例1)
-
「再配信処理番号」のみを指定し、チェックポイント再配信する場合
,,,,NO=00000001
- (例2)
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「ファイルID」のみを指定し、ファイルの先頭から再配信する場合
,ファイルID,NP
JCL例
\ JOB XRRSNDGO,LIST=(A,JS) \XRRSNDGO EX XRRSNDGO,RSIZE=4096K \ FD PRGLIB=DA,FILE=HULFT.LOAD \ FD CF=DA,FILE=C.ALIB \ FD STEPCAT=DA,FILE=USERCAT \ FD XRQUE=DA,FILE=HULFT.QUEUE,AMP=AMORG \ FD XRSYSIN=DA,FILE=HULFT.PARMLIB,MEMBER=HULPRM \ FD LIST=DA,VOL=WORK,TRK=(10,10),SOUT=A \ FD XRCRD=* XSP,LOOPTEST \ JEND
FD名 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
PRGLIB |
HULFT.LOAD |
HULFTロードモジュールライブラリ |
STEPCAT |
USERCAT |
カタログ簿データセット名 |
XRQUE |
HULFT.QUEUE |
配信制御ファイル |
XRSYSIN |
HULFT.PARMLIB(HULPRM) |
システム動作環境設定ファイル |
(2) 再配信要求コマンド
コンソールからコマンドを投入することにより再配信要求を実行できます。
a b c d e JALT 配信プログラムのジョブ名,RESEND,[hostname][,F=fileid],[C=x][,DSN=dsname][,NO=99999999]
c f JALT 配信プログラムのジョブ名,RESEND,,[C=x],M=ALL
- a.ホスト名
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再配信を行う相手ホスト名を指定します(省略可)。
- b.ファイルID
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再配信を行うファイルIDを指定します(省略可)。
- c.チェックポイント再配信
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配信が中断された個所から再配信(チェックポイント再配信)するか、ファイルの先頭から再配信するか指定します(省略可)。
- Y
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: チェックポイントから再配信
- N
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: ファイルの先頭から再配信
省略すると、“Y(チェックポイントから再配信)”になります。
- d.データセット名
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再配信待ちレコードに登録されている配信ファイルのファイル名を指定します(省略可)。
- e.再配信処理番号
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配信制御ファイルに登録する際に付加された連番を指定します(省略可)。
- f.全件再配信
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配信先ホスト名とファイルIDの両方を省略し、すべての再配信待ちファイルに対して要求を行うときに指定します(全件再配信の際、省略不可)。
「ホスト名」は必ず第1オペランドに指定してください。なお、「ホスト名」を省略する場合は、カンマは省略できません。
- (例1)
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「再配信処理番号」のみを指定し、チェックポイント再配信する場合
JALT 配信プログラムのジョブ名,RESEND,,NO=00000001
- (例2)
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「ファイルID」のみを指定し、ファイルの先頭から再配信する場合
JALT 配信プログラムのジョブ名,RESEND,,F=ファイルID,C=N
コンソール画面に入力できるコマンドの長さには制限があります。
このため、再配信要求コマンドの実行時には「再配信処理番号」を指定することをお勧めします。