集信側起動の配信処理の流れ
集信側ホストからも配信処理を開始できます。
集信側ホストから配信処理を開始するには、集信側ホストで送信要求プログラムを起動します。送信要求プログラムを実行して相手ホストに配信を要求することを、HULFTでは「送信要求」と呼びます。
この処理は、配信側ホストの配信プログラムと要求受付プログラム(XRACCPT)、および集信側ホストの集信プログラムが起動済みであることを前提としています。
集信側ホストからファイル転送を要求する場合の配信処理の流れを図2.3 で説明します。
1) 配信ファイルの作成
業務バッチジョブを使用して、配信ファイルを作成します。
2) 集信側ホストからの送信要求待ち
配信側ホストの要求受付プログラムは、集信側ホストからの送信要求を待ちます。
集信側ホストで送信要求が実行されると、配信側ホストの要求受付プログラムは、集信側ホストから実行された送信要求を受け付け、送信要求受付プログラムを起動します。送信要求受付プログラムは3) 以降の処理を開始します。
ワークファイル転送で配信する場合、送信要求受付プログラムは、配信管理情報に登録された設定内容に従って、配信ファイルのコード変換および圧縮を行い、配信ワークファイルに書き込みます。
ワークファイルが作成されるとき、ディスク容量が不足しないように注意してください。
ダイレクト転送で配信する場合、この処理は行われません。
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ダイレクト転送で配信する場合は、配信ワークファイルが作成されません。そのため、ワークファイルのディスク容量を意識する必要はありません。
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ワークファイルが作成されるときの動作は、配信管理情報の装置台数(UNIT-CNT)の設定によって異なります。設定による動作の違いは以下のとおりです。
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装置台数に“1”が設定されているとき
ワークファイルはカタログされません。
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装置台数に“2”以上が設定されているとき
ワークファイルはカタログされます。
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送信要求受付プログラムは、配信に必要な情報(配信待ちレコード)を配信制御ファイルに書き込みます。このとき、配信待ちレコードに個々の転送を識別するための通し番号(配信処理番号)が付与されます。
5) 配信の指示
送信要求受付プログラムは、配信プログラムに配信を指示します。
6) 要求受付履歴の書き込み
送信要求受付プログラムは、集信側ホストからの要求受付履歴を集配信履歴ファイルに書き込みます。
7) 配信処理の実行
配信プログラムは、配信待ちレコードの情報に従って配信ワークファイルまたは配信ファイルのデータを相手ホストに転送します。ワークファイル転送で配信する場合、3) で作成された配信ワークファイルのデータが相手ホストに転送されます。ダイレクト転送で配信する場合、配信ファイルをコード変換および圧縮したデータが相手ホストに転送されます。
8) 配信履歴の書き込み
配信処理の終了後、配信プログラムは配信履歴を集配信履歴ファイルに書き込みます。
配信処理が異常終了した場合、配信プログラムは異常終了した転送の情報(再配信待ちレコード)を配信制御ファイルに書き込みます。このとき、再配信待ちレコードに個々の転送を識別するための通し番号(再配信処理番号)が付与されます。
9) 配信後ジョブの起動
配信プログラムは、配信管理情報に登録された設定内容に従って配信後ジョブを起動します。配信管理情報には、配信処理が正常終了したときに起動する正常時ジョブと、異常終了したときに起動する異常時ジョブを、それぞれ登録できます。転送結果に応じて、どちらかのジョブが起動されます。
10) ジョブ実行履歴の書き込み
HULFTによって配信後ジョブに組み込まれたジョブステップが、ジョブ実行履歴を集配信履歴ファイルに書き込みます。
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配信前ジョブの実行履歴は、集配信履歴ファイルに書き込まれません。
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配信前ジョブは、再配信要求時には実行されません。
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送信要求の場合、配信管理情報で設定された転送グループIDに複数のホストが登録されていても、送信要求を実行したホストにだけ配信されます。
送信要求を実行したホストが配信側ホストの転送グループ情報に登録されていない場合はエラーになります。