操作ログの概要

操作ログは、以下の場合に出力されます。

  • HULFTに要求が発行されたとき

  • HULFTのコマンドが実行されたとき

  • HULFTがシステムファイルにアクセスしたとき

配信要求を行ったときに出力される操作ログを以下に示します。

図2.36 配信要求での操作ログ

1) HULFT管理画面またはコンソールから配信要求を実行すると、配信要求を実行した日時、ユーザID、ホスト名などの情報が配信側ホストのHULFTのコマンド実行ログファイルに出力されます。

2) 配信要求に基づいて配信処理が実行され、配信履歴が追加されると、履歴が追加された日時や追加された履歴を識別する処理識別子などの情報が配信側ホストのHULFTのファイルアクセスログファイルに出力されます。

3) 集信処理が実行され、集信履歴が追加されると、履歴が追加された日時や追加された履歴を識別する処理識別子などの情報が集信側ホストのファイルアクセスログファイルに出力されます。

(1) ファイルアクセスログとコマンド実行ログ

ファイルアクセスの記録と、要求の発行およびコマンド実行の記録は、それぞれ別のログファイル(ファイルアクセスログファイルとコマンド実行ログファイル)に出力されます。

操作ログはVSAM編成ファイルです。ファイルアクセスログとコマンド実行ログに対して、それぞれ2個ずつファイルが作成されます。出力先はシステム動作環境設定(ファイルアクセスログ出力先データセット名1(OPLFILE1)およびファイルアクセスログ出力先データセット名2(OPLFILE2)と、コマンド実行ログ出力先データセット名1(OPLCMD1)およびコマンド実行ログ出力先データセット名2(OPLCMD2))で設定します。

表2.18 操作ログの種類

操作ログの種類

出力先

説明

ファイルアクセスログ

システム動作環境設定で指定

システム管理情報、各種履歴などのシステムファイルに情報が追加、更新、または削除された場合に出力されます

コマンド実行ログ

システム動作環境設定で指定

要求を発行した場合やコマンドを実行した場合に出力されます

操作ログの対象となるシステムファイルの種類、ファイルアクセス種、要求の発行およびコマンドの一覧は、「操作ログの入出力フォーマット」を参照してください。

= 備考 =
  • ファイルアクセスログは、システムファイルの内容が変更された場合に出力されます。内容を変更せず、参照のみの場合には出力されません。

  • コマンド実行ログは要求の発行またはコマンド実行した側のホストで出力されます。要求受付側には、要求受付履歴と、要求受付履歴が追加されたときのファイルアクセスログが出力されます。

  • 範囲を指定してシステム管理情報や履歴から複数のレコードを削除する場合、コマンド実行ログは1件だけ出力されますが、ファイルアクセスログは削除されたレコード1つにつき1件ずつ出力されます。

  • ユーザによる操作の記録を目的としているため、一時ファイルの削除などシステムの内部的な動作に対して操作ログは出力されません。

  • システム動作環境設定のファイルアクセスログ出力先データセット名1およびファイルアクセスログ出力先データセット名2と、コマンド実行ログ出力先データセット名1およびコマンド実行ログ出力先データセット名2の指定に誤りがある場合、またはシステム動作環境設定ファイルで設定した出力先がない場合は、操作ログは出力されません。

(2) 操作ログに出力される情報

操作ログに出力される情報は、以下に分類されます。

  • 一連の処理(トランザクション)の元になった要求の発行またはコマンド実行に関する情報(始点情報)

  • 要求の発行またはコマンド実行に基づいて行われた処理に関する情報(処理情報)

  • ファイルアクセスログ固有の情報

  • コマンド実行ログ固有の情報

操作ログには、以下の情報がCSV形式で出力されます。

<始点情報>

要求の発行またはコマンド実行が開始された時点での情報です。接続先にも通知され、1トランザクション内のすべてのファイルアクセスログおよびコマンド実行ログで同一の情報が使用されます。

= 備考 =

操作ログ出力機能を使用する場合、ユーザID以外の始点情報は常に接続先にも通知されます。

始点処理日時

要求の発行またはコマンド実行が開始された日時

始点ホストのOS上で設定された日時です。

ユーザID(OS)とユーザID(管理画面)

操作を行ったユーザのユーザID

始点ホストのOSのユーザIDと、要求を発行した管理画面のユーザIDです。

始点ホストの機種によって、以下のような違いがあります。

表2.19 機種によるユーザID(OS)およびユーザID(管理画面)の違い

機種

ユーザID(OS)

ユーザID(管理画面)

HULFT for Mainframe

OSのユーザID(*1)

HULFT管理画面を使用したユーザID

HULFT for UNIX/Linux

OSのユーザ名

「ユーザID(OS)」と同じ

(管理画面セキュリティが有効でない場合は"")

HULFT for Windows

OSのユーザ名

管理画面セキュリティで登録したユーザ名

(パスワードチェックが有効でない場合は"")

HULFT for IBMi

OSのユーザID

「ユーザID(OS)」と同じ

(管理画面セキュリティが有効でない場合は"")

HULFT Manager

OSのユーザ名

接続先HULFTの「ユーザID(管理画面)」

HULFT-HUB Server

OSのユーザ名

管理画面がないので常に""

HULFT-HUB Manager

OSのユーザ名

HULFT-HUB Serverにログインしたときのユーザ名

*1

:

ユーザIDは、機密保護機能(RACF:Resource Access Control Facility)より取得されます。

RACFが起動されていないときは取得されません。

注意

操作ログのユーザID(OS)にマルチバイトコードを使用している場合、以下の条件をすべて満たすときのみユーザID(OS)が正しく表示されます。

  • 始点ホストの機種と接続先の機種が両方ともWindows

  • 始点ホストの機種と接続先の機種のシステムロケールが同じ

条件が満たされない場合、ユーザID(OS)が正しく表示されません。

始点ホスト名

操作を行ったホストの自ホスト名

自ホスト名についての詳細は、「自ホスト名について」を参照してください。

処理識別子

トランザクションの識別子

トランザクションごとに異なる処理識別子が生成されます。最新処理識別子開始処理識別子の2つがあります。最新処理識別子と開始処理識別子についての詳細は、「処理識別子」を参照してください。

処理識別子は履歴レコードにも出力されるため、操作ログのレコードと集配信履歴ファイルのレコードを紐付けできます。

<処理情報>

ファイルがアクセスされた時点、要求の発行が処理された時点、またはコマンド実行が処理された時点での情報です。

処理日時

ファイルアクセス、要求の発行、またはコマンド実行が処理された日時

処理ホストのOS上で設定された日時です。

処理ホスト名

ファイルアクセス、要求の発行、またはコマンド実行が処理されたホストの自ホスト名

自ホスト名についての詳細は、「自ホスト名について」を参照してください。

操作ログユーザ指定文字

操作ログを出力したHULFTを識別する文字列

複数のHULFTで出力された操作ログを収集したとき、どのHULFTで出力された操作ログかを識別するための文字列です。

表2.20 操作ログユーザ指定文字に設定される値

機種

操作ログユーザ指定文字に設定される値

HULFT for Mainframe

システム動作環境設定の「操作ログユーザ指定文字」

HULFT for UNIX/Linux

システム動作環境設定の「HULFT識別文字」

HULFT for Windows

システム動作環境設定の「操作ログユーザ指定文字」

HULFT for IBMi

システム動作環境設定の「HULFT識別文字」

HULFT Manager

システム動作環境設定の「ユーザ指定文字」

HULFT-HUB Server

システム動作環境設定の「サービス名」

HULFT-HUB Manager

システム環境設定の「ユーザ指定文字」

<ファイルアクセスログ固有情報>

ファイルアクセスの種別や対象に関する情報です。ファイルアクセスログだけに出力されます。

出力される値の一覧は、「操作ログの入出力フォーマット」を参照してください。

ファイルアクセス種

ファイルアクセスの種類

追加、変更、削除など、ファイルまたはレコードに対して行った操作の種類です。

システムファイルの種類

アクセス対象のシステムファイル

ファイルアクセスの対象となったシステムファイルを表す識別子です。

ファイルキー情報

アクセス対象の項目

システム管理情報や履歴など、1つのファイルに複数のレコードが格納されている場合に、どのレコードがアクセスされたのかを特定するための追加情報です。

<コマンド実行ログ固有情報>

処理された要求またはコマンドに関する情報です。コマンド実行ログだけに出力されます。

出力される値の一覧は、「操作ログの入出力フォーマット」を参照してください。

コマンド実行キー

要求またはコマンドの種類

処理された要求またはコマンドを表す識別子です。

コマンド発行元

要求またはコマンドの発行元

コマンドラインから実行したのか、HULFT管理画面から要求を発行したのかなど、要求またはコマンドの発行元を表す識別子です。

コマンドパラメータ

コマンドのパラメータ

コマンドを実行したときに指定されたパラメータです。