暗号化

HULFTでは、ファイル内容を暗号化して転送することができます。暗号化方式は以下の2通りです。

  • HULFT暗号化方式

  • 暗号出口ルーチンによる暗号化方式

暗号出口ルーチンには以下の2種類があります。

  • C4S

  • AES

 

AESを使用する場合、従来の方式に加えて、より強度の高い暗号化を行う「高強度暗号強制モード」を使用できます。高強度暗号強制モードは、以下の2つを強制するモードです。

  • AESを使用して暗号化する

  • 暗号キーに64桁の16進数を指定する

自ホストで高強度暗号強制モードを有効にした場合、高強度暗号強制モードを有効にした相手ホストとのみ通信が可能です。相手ホストがHULFT Ver.8.4.0以降で高強度暗号強制モードが無効の場合、またはHULFT Ver.8.4.0未満の場合、ファイル転送だけでなく、要求発行を含むすべての通信がエラーになります。

高強度暗号強制モードを無効にした場合は、HULFT Ver.8.4.0未満と同様の動作となります。

高強度暗号強制モードが無効な場合と有効な場合の動作の違いを以下の表で示します。

表2.17 高強度暗号強制モードが有効な場合と無効な場合の動作の違い

 

高強度暗号強制モード

無効

有効

利用可能な暗号化種別

AES, C4S, HULFT暗号化方式

AES

暗号キー

8~20バイトの英数字

64桁の16進文字列

暗号キーの省略

可(*1)

不可

相手ホストとの調整

自ホストと相手ホストの両方が利用可能な暗号化種別のうち、最も強度が高いものを自動選択

自ホストと相手ホストの高強度暗号強制モードが有効でない場合は通信不可

*1

:

暗号キーを省略した場合、ファイルを暗号化せずに転送します。

 

暗号出口ルーチンによる暗号化を行う場合、配信側ホストおよび集信側ホストにインストールされているHULFT暗号オプションと、それぞれのシステム動作環境設定によって暗号化方式が決定されます。

詳細は「暗号オプション マニュアル」を参照してください。

 

暗号化方式は、システム動作環境設定の暗号化方式(ciphertype)で指定してください。高強度暗号強制モードは、システム動作環境設定の高強度暗号強制モード(strongkeymode)で指定してください。システム動作環境設定については、「システム動作環境の設定について」を参照してください。

注意
  • 高強度暗号強制モードが無効の場合と有効な場合とでは、暗号キーに指定可能な値が異なります。このため、運用の途中で高強度暗号強制モードを切り替えることは推奨しません。

    高強度暗号強制モードの無効と有効を切り替えた場合、暗号キーを設定し直してください。

  • 高強度暗号強制モードが有効な場合、簡易転送は使用できません。

(1) HULFT暗号化方式

以下の条件をすべて満たすと、HULFT暗号化方式でファイル転送を行います。

  • システム動作環境設定の暗号化方式(ciphertype)に“0”を指定

  • 配信管理情報と集信管理情報に同一の暗号キーを8~20バイトの英数字で指定

注意
  • 配信側と集信側の暗号キーが同一でない場合や配信側のみ暗号キーが設定してある場合は、データの復号が正しく行われません。

  • 配信側に暗号キーが設定されていない場合は、データを暗号化しません。このとき、集信側の暗号キーは無視されます。

(2) 暗号出口ルーチンによる暗号化方式

以下のすべての条件を配信側ホストと集信側ホストの両方で満たすと、暗号出口ルーチンによる暗号化方式でファイル転送を行います。

  • HULFT暗号オプション(C4S)またはHULFT暗号オプション(AES)を含む構成のプロダクトキーでHULFTをインストール

  • システム動作環境設定の暗号化方式(ciphertype)に“1”を指定

  • システム動作環境設定の高強度暗号強制モード(strongkeymode)に“0”を指定

  • 配信管理情報と集信管理情報に同一の暗号キーを8~20バイトの英数字で指定

注意
  • 配信側と集信側の暗号キーが同一でない場合や配信側のみ暗号キーが設定してある場合は、データの復号が正しく行われません。

  • 配信側に暗号キーが設定されていない場合は、データを暗号化しません。このとき、集信側の暗号キーは無視されます。

(3) 高強度暗号強制モード

以下のすべての条件を配信側ホストと集信側ホストの両方で満たすと、高強度暗号強制モードでファイル転送を行います。

  • HULFT暗号オプション(AES)を含む構成のプロダクトキーでHULFTをインストール

  • システム動作環境設定の暗号化方式(ciphertype)に“1”を指定

  • システム動作環境設定の高強度暗号強制モード(strongkeymode)に“1”を指定

  • 配信管理情報と集信管理情報に同一の暗号キーを64桁の16進数で指定

注意
  • 転送相手のHULFTが高強度暗号強制モードでない場合は転送エラーになります。

  • 配信側と集信側の暗号キーが同一でない場合は、データの復号が正しく行われません。

  • 高強度暗号強制モードでは、暗号キーを省略することはできません。