自動再配信

ファイル転送中のエラーのうち、ネットワークに関するエラー発生時や、フェールオーバー発生による強制終了時は、自動的に再配信を実行させることができます。転送異常が発生した場合、再配信を行うことにより、異常が発生した個所からデータを転送(チェックポイント再配信)することができます。

(1) 自動再配信の流れ

自動再配信処理の流れを図2.7 で説明します。

図2.7 自動再配信

1) 配信スレッドの起動

配信受付スレッドは、配信スレッドを起動します。

2) 集信受付スレッドへの接続

配信スレッドは集信受付スレッドへ接続し、ファイルを転送します。集信受付スレッドに接続できない場合は、システム動作環境設定のコネクションリトライ回数で指定された回数だけ接続処理を繰り返します。

3) 通信異常または集信側フェールオーバー発生

ファイル転送中に通信回線上で異常が発生した場合や、フェールオーバーによる強制終了が発生した場合は、配信スレッドは異常を検出し、処理を中断します。

4) 配信履歴ファイルへの書き込みおよび配信完了後のジョブ起動

配信スレッドは、通信異常の結果を配信履歴ファイルに書き込み、異常時ジョブとして登録されたジョブを起動します。

5) 自動再配信

3) で異常が発生した場合、配信スレッドは、システム動作環境設定のコネクションリトライ間隔で指定された時間の間、待機します。その後、システム動作環境設定の自動再配信リトライ回数で指定された回数分だけ、2) 4) の手順を繰り返します。

6) 配信結果の通知

配信スレッドは配信受付スレッドに配信結果を通知します。

7) 再配信待ちファイルの記録

配信受付スレッドは、配信スレッドから受け取った配信結果が異常の場合に再配信待ちファイルに書き込みます。

= 備考 =
  • 再配信待ちファイルに出力された再配信待ちレコードは、再配信要求コマンドを実行することによって手動で再配信を行うことができます。

  • 3) で通信異常が発生した場合、集信側はプロセスの終了処理を実行して終了します。配信側プロセスが自動再配信により再接続すると集信受付スレッドは再生成されます。

(2) 自動再配信対象エラーコード

自動再配信の対象になるエラーコードは以下のとおりです。

通信異常の場合

配信中に通信異常が発生した場合、配信履歴の完了コードは、以下のシステム関連の完了コードとなります。

731

: 送信処理に失敗しました。

732

: 受信処理に失敗しました。

735

: データの受信処理でタイムアウトが発生しました。

集信側ホストでフェールオーバーが発生して強制終了された場合

集信側ホストでフェールオーバーが発生した場合、配信履歴のエラーコードは以下のようになります。

450-591
450

: 配信プロセスの完了コード(集信側で異常が発生しました)

591

: 強制終了されたことを表す集信側ホストの完了コード

詳細は集信側機種の「エラーコード・メッセージ」を参照してください。

= 備考 =

集信側ホストでのフェールオーバーによる強制終了は、集信側ホストに以下を導入している場合に検出できます。

  • HULFT for UNIX/Linux

  • HULFT for Windows Ver.7.3.0以降

集信側ホストでデータ検証エラーが発生した場合

集信側ホストでデータ検証エラーが発生した場合、配信履歴のエラーコードは以下のようになります。

450-535
450

: 配信プロセスの完了コード(集信側で異常が発生しました)

535

: データ検証エラーが発生したことを表す集信側ホストの完了コード

詳細は集信側機種の「エラーコード・メッセージ」を参照してください。