ログ(メッセージ)の出力内容と出力先

ログ(メッセージ)の出力内容および出力先は、システム動作環境設定の以下の項目で指定します。

  • トレース出力バージョン(tlogver)

  • ログ縮小モード(logreduction)

  • トレースログへの出力(tracelog)

  • システムログへの出力(syslog)

  • トレース出力ファイル名(tlogfile)

 

システム動作環境設定の各項目の設定値の関係、および各デーモン起動時に指定するパラメータとログ出力先との関係について説明します。

システム動作環境設定については、「アドミニストレーション マニュアル」、各デーモン起動時のパラメータについては、「オペレーション マニュアル」をそれぞれ参照してください。

ログ(メッセージ)の出力内容

ログ(メッセージ)の出力内容は、トレース出力バージョン(tlogver)およびログ縮小モード(logreduction)の設定によって異なります。

出力内容については、「共通ヘッダ部」を参照してください。

表3.1 ログ(メッセージ)の出力内容

ログ縮小モード(logreduction)

説明

0

すべての情報を出力する

1

共通ヘッダ部分のみを出力する

システム動作環境設定の設定値とログ(メッセージ)の出力先

システム動作環境設定のトレースログへの出力(tracelog)システムログへの出力(syslog)の設定値と出力先について示します。この設定は、トレース出力バージョン(tlogver)が“84”、“8”、“7”、“6”に共通です。

表3.2 システム動作環境設定の設定値とログ(メッセージ)の出力先

トレースログへの出力(tracelog)(*1)

システムログへの出力(syslog)(*1)

説明

0

0

ログ(メッセージ)は出力されない

0

1

ログ(メッセージ)がsyslogに出力される

1

0

ログ(メッセージ)がトレースログに出力される

1

1

ログ(メッセージ)が、トレースログとsyslogに出力される

*1

:

メッセージレベルごとに出力するかどうか設定できます。設定については、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

また、メッセージフィルタファイルでメッセージ番号単位でログ出力の有無を指定した場合、トレースログへの出力(tracelog)およびシステムログへの出力(syslog)の設定よりもメッセージフィルタファイルの設定が優先されます。メッセージフィルタファイルの詳細は、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

デーモン起動時の指定パラメータ別ログ(メッセージ)の出力先

デーモン起動時に指定するパラメータにより、ログ(メッセージ)の出力先が変わります。

パラメータでログ(メッセージ)の出力先を指定する場合、トレースログへの出力(tracelog)システムログへの出力(syslog)トレース出力ファイル名(tlogfile)が設定されている必要があります。例えば、「hulsndd -s」と指定した場合に、システムログへの出力(syslog)が“000”と設定されているとエラーになります。

パラメータ別ログ(メッセージ)の出力先を以下に示します。

トレース出力バージョン(tlogver)が“84”、“8”、“7”の場合

表3.3 デーモン起動時の指定パラメータ別ログ(メッセージ)の出力先

起動するデーモン

指定するパラメータ

ログ(メッセージ)の出力先

メッセージログ出力先

配信デーモン(hulsndd)

集信デーモン(hulrcvd)

なし

トレースログ、syslog

出力されない

-l file

パラメータに指定したトレースログの出力先ファイル

-s

syslog

-l

トレースログ

要求受付デーモン(hulobsd)

なし

トレースログ、syslog

-l file

パラメータに指定したトレースログの出力先ファイル

-s

syslog

トレース出力バージョン(tlogver)が“6”の場合

表3.4 デーモン起動時の指定パラメータ別ログ(メッセージ)の出力先

起動するデーモン

指定するパラメータ

ログ(メッセージ)の出力先

メッセージログ出力先

配信デーモン(hulsndd)

集信デーモン(hulrcvd)

なし

トレースログ

出力されない

-l file

パラメータに指定したトレースログの出力先ファイル

パラメータに指定したトレースログの出力先ファイル

-s

トレースログ

syslog

-l

コンソール

要求受付デーモン(hulobsd)

なし

トレースログ

出力されない

-l file

パラメータに指定したトレースログの出力先ファイル

-s

トレースログ

= 備考 =
  • メッセージログは、トレースログへの出力(tracelog)およびシステムログへの出力(syslog)の設定にかかわらず出力されます。

  • syslogへメッセージログを出力するときの優先度は、「LOG_INFO」になります。

設定例

HULFTの各常駐デーモンの起動コマンドで指定する例を以下に示します。

すべてのログ(メッセージ)をトレースログとsyslogにV8.4ヘッダで出力する場合

トレース出力バージョン(tlogver)

:

84

トレースログへの出力(tracelog)

:

111

システムログへの出力(syslog)

:

111

デーモンの起動

:

引数なしで起動

hulsndd
hulrcvd
hulobsd

トレースログとsyslogにV8.4ヘッダでログ(メッセージ)が出力されます。

トレースログのみにログ(メッセージ)を出力する場合

トレースログへの出力(tracelog)

:

111

システムログへの出力(syslog)

:

000

デーモンの起動

:

引数「-l」でファイル名を指定

hulsndd -l /usr/local/log/hullog_snd
hulrcvd -l /usr/local/log/hullog_rcv
hulobsd -l /usr/local/log/hullog_obs

「-l」で指定したそれぞれのファイルにログ(メッセージ)が出力されます。

syslogのみにログ(メッセージ)を出力する場合

トレースログへの出力(tracelog)

:

000

システムログへの出力(syslog)

:

111

デーモンの起動

:

引数「-s」で起動

hulsndd -s
hulrcvd -s
hulobsd -s

syslogにログ(メッセージ)が出力されます。

共通ヘッダ部のみをトレース出力ファイル名で指定したファイルに出力する場合

トレースログへの出力(tracelog)

:

111

ログ縮小モード(logreduction)

:

1

トレース出力ファイル名(tlogfile)

:

/usr/local/log/tlogfile

デーモンの起動

:

引数なしで起動

hulsndd
hulrcvd
hulobsd

トレース出力ファイル名(tlogfile)で指定したファイル「/usr/local/log/tlogfile」にログ(メッセージ)の共通ヘッダ部のみが出力されます。

ログ(メッセージ)出力を行わない場合

トレースログへの出力(tracelog)

:

000

システムログへの出力(syslog)

:

000

トレース出力ファイル名(tlogfile)

:

省略可

デーモンの起動

:

引数なしで起動

hulsndd
hulrcvd
hulobsd

トレース出力ファイル名(tlogfile)を指定してもログ(メッセージ)は出力されません。