ログ(メッセージ)の出力内容と出力先
ログ(メッセージ)の出力内容および出力先は、システム動作環境設定の以下の項目で指定します。
-
トレース出力バージョン(tlogver)
-
ログ縮小モード(logreduction)
-
トレースログへの出力(tracelog)
-
システムログへの出力(syslog)
-
トレース出力ファイル名(tlogfile)
システム動作環境設定の各項目の設定値の関係、および各デーモン起動時に指定するパラメータとログ出力先との関係について説明します。
システム動作環境設定については、「アドミニストレーション マニュアル」、各デーモン起動時のパラメータについては、「オペレーション マニュアル」をそれぞれ参照してください。
ログ(メッセージ)の出力内容
ログ(メッセージ)の出力内容は、トレース出力バージョン(tlogver)およびログ縮小モード(logreduction)の設定によって異なります。
出力内容については、「共通ヘッダ部」を参照してください。
ログ縮小モード(logreduction) |
説明 |
---|---|
0 |
すべての情報を出力する |
1 |
共通ヘッダ部分のみを出力する |
システム動作環境設定の設定値とログ(メッセージ)の出力先
システム動作環境設定のトレースログへの出力(tracelog)とシステムログへの出力(syslog)の設定値と出力先について示します。この設定は、トレース出力バージョン(tlogver)が“84”、“8”、“7”、“6”に共通です。
トレースログへの出力(tracelog)(*1) |
システムログへの出力(syslog)(*1) |
説明 |
---|---|---|
0 |
0 |
ログ(メッセージ)は出力されない |
0 |
1 |
ログ(メッセージ)がsyslogに出力される |
1 |
0 |
ログ(メッセージ)がトレースログに出力される |
1 |
1 |
ログ(メッセージ)が、トレースログとsyslogに出力される |
*1 |
: |
メッセージレベルごとに出力するかどうか設定できます。設定については、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。 また、メッセージフィルタファイルでメッセージ番号単位でログ出力の有無を指定した場合、トレースログへの出力(tracelog)およびシステムログへの出力(syslog)の設定よりもメッセージフィルタファイルの設定が優先されます。メッセージフィルタファイルの詳細は、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。 |
デーモン起動時の指定パラメータ別ログ(メッセージ)の出力先
デーモン起動時に指定するパラメータにより、ログ(メッセージ)の出力先が変わります。
パラメータでログ(メッセージ)の出力先を指定する場合、トレースログへの出力(tracelog)、システムログへの出力(syslog)、トレース出力ファイル名(tlogfile)が設定されている必要があります。例えば、「hulsndd -s」と指定した場合に、システムログへの出力(syslog)が“000”と設定されているとエラーになります。
パラメータ別ログ(メッセージ)の出力先を以下に示します。
トレース出力バージョン(tlogver)が“84”、“8”、“7”の場合
起動するデーモン |
指定するパラメータ |
ログ(メッセージ)の出力先 |
メッセージログ出力先 |
---|---|---|---|
配信デーモン(hulsndd) 集信デーモン(hulrcvd) |
なし |
トレースログ、syslog |
出力されない |
-l file |
パラメータに指定したトレースログの出力先ファイル |
||
-s |
syslog |
||
-l |
トレースログ |
||
要求受付デーモン(hulobsd) |
なし |
トレースログ、syslog |
|
-l file |
パラメータに指定したトレースログの出力先ファイル |
||
-s |
syslog |
トレース出力バージョン(tlogver)が“6”の場合
起動するデーモン |
指定するパラメータ |
ログ(メッセージ)の出力先 |
メッセージログ出力先 |
---|---|---|---|
配信デーモン(hulsndd) 集信デーモン(hulrcvd) |
なし |
トレースログ |
出力されない |
-l file |
パラメータに指定したトレースログの出力先ファイル |
パラメータに指定したトレースログの出力先ファイル |
|
-s |
トレースログ |
syslog |
|
-l |
コンソール |
||
要求受付デーモン(hulobsd) |
なし |
トレースログ |
出力されない |
-l file |
パラメータに指定したトレースログの出力先ファイル |
||
-s |
トレースログ |
-
メッセージログは、トレースログへの出力(tracelog)およびシステムログへの出力(syslog)の設定にかかわらず出力されます。
-
syslogへメッセージログを出力するときの優先度は、「LOG_INFO」になります。
設定例
HULFTの各常駐デーモンの起動コマンドで指定する例を以下に示します。
すべてのログ(メッセージ)をトレースログとsyslogにV8.4ヘッダで出力する場合
トレース出力バージョン(tlogver) |
: |
84 |
トレースログへの出力(tracelog) |
: |
111 |
システムログへの出力(syslog) |
: |
111 |
デーモンの起動 |
: |
引数なしで起動 |
hulsndd hulrcvd hulobsd
トレースログとsyslogにV8.4ヘッダでログ(メッセージ)が出力されます。
トレースログのみにログ(メッセージ)を出力する場合
トレースログへの出力(tracelog) |
: |
111 |
システムログへの出力(syslog) |
: |
000 |
デーモンの起動 |
: |
引数「-l」でファイル名を指定 |
hulsndd -l /usr/local/log/hullog_snd hulrcvd -l /usr/local/log/hullog_rcv hulobsd -l /usr/local/log/hullog_obs
「-l」で指定したそれぞれのファイルにログ(メッセージ)が出力されます。
syslogのみにログ(メッセージ)を出力する場合
トレースログへの出力(tracelog) |
: |
000 |
システムログへの出力(syslog) |
: |
111 |
デーモンの起動 |
: |
引数「-s」で起動 |
hulsndd -s hulrcvd -s hulobsd -s
syslogにログ(メッセージ)が出力されます。
共通ヘッダ部のみをトレース出力ファイル名で指定したファイルに出力する場合
トレースログへの出力(tracelog) |
: |
111 |
ログ縮小モード(logreduction) |
: |
1 |
トレース出力ファイル名(tlogfile) |
: |
/usr/local/log/tlogfile |
デーモンの起動 |
: |
引数なしで起動 |
hulsndd hulrcvd hulobsd
トレース出力ファイル名(tlogfile)で指定したファイル「/usr/local/log/tlogfile」にログ(メッセージ)の共通ヘッダ部のみが出力されます。
ログ(メッセージ)出力を行わない場合
トレースログへの出力(tracelog) |
: |
000 |
システムログへの出力(syslog) |
: |
000 |
トレース出力ファイル名(tlogfile) |
: |
省略可 |
デーモンの起動 |
: |
引数なしで起動 |
hulsndd hulrcvd hulobsd
トレース出力ファイル名(tlogfile)を指定してもログ(メッセージ)は出力されません。