メッセージ送信

配信システムから集信システムにファイルを転送するのと同時に、任意のメッセージを送信することができます。メッセージは、配信履歴ファイルおよび集信履歴ファイルへの出力、各種管理情報の動的変更(例:集信ファイル名の動的変更)、起動ジョブへ環境変数としての引き継ぎなどに利用することができます。

(1) メッセージ送信機能について

メッセージを送信するには、要求発行コマンドのパラメータにメッセージを指定します。配信時は配信要求コマンド、送信要求時は送信要求コマンドとなります。

メッセージを使用して管理情報の設定値を動的に変更するには、以下の環境変数を使用して、変更したい項目にメッセージを置換するという設定をします。

$MSG0~$MSG5

「$MSG0」~「$MSG5」の6つで、それぞれ50バイトまでのメッセージを指定できます。

配信要求コマンドまたは送信要求コマンドのパラメータ「-msg0」~「-msg5」で指定したメッセージに置換されます。

$MSGL0~$MSGL1

「$MSGL0」~「$MSGL1」の2つで、それぞれ200バイトまでのメッセージを指定できます。

配信要求コマンドまたは送信要求コマンドのパラメータ「-msgl0」~「-msgl1」で指定したメッセージに置換されます。

 

管理情報内に指定した環境変数を、送信側にて指定しなかった場合、受信側では0バイトメッセージとして扱います。

メッセージの置換を行うには、システム動作環境設定のメッセージ動的パラメータ指定を有効にしなければなりません。システム動作環境設定については、「システム動作環境の設定について」を参照してください。

注意

メッセージ送信側で指定したメッセージの置換を行うときに、以下のような場合はファイル転送前にエラーとなります。

  • 管理情報にて指定できるサイズを超えていた場合

  • 配信ファイル名の置換時にファイル名として適用できない場合

(2) メッセージ指定可能な設定情報について

メッセージ置換で指定可能な管理情報の設定値およびIDは以下のとおりです。

[配信管理情報]
  • 配信ファイル名

  • 転送グループID

  • 配信前ジョブID

  • 正常時ジョブID

  • フォーマットID

  • マルチフォーマットID

[集信管理情報]
  • 集信ファイル名

  • 正常時ジョブID

  • 転送グループID

[ジョブ起動情報]
  • 起動ジョブの引数

注意

HULFT for MainframeまたはHULFT for IBMiの各設定値およびIDは、英大文字で登録されています。英小文字のメッセージを指定した場合、メッセージの置換は英小文字のままとなります。各設定値およびIDとして指定する場合は英大文字で指定してください。

集信ファイル名の置換に関する詳細は「オペレーション マニュアル」を参照してください。

(3) 配信時のメッセージ置換処理

図2.19 メッセージ送信(配信時)

1) 配信要求コマンドからメッセージ送信指示

配信要求コマンドから配信システムに対して、「ファイルID」と「メッセージ」を指定して配信要求します。

2) 配信管理情報の内容の変更

配信システムは指定された「ファイルID」の配信管理情報に設定されている“$MSG0”~“$MSG5”および“$MSGL0”~“$MSGL1”を、1) の配信要求コマンドで指定された「メッセージ」と置換します。配信処理は、置換された値に従って実行されます。

3) 集信側へメッセージを送信

配信システムは配信要求コマンドで指定された「メッセージ」をデータ転送前に集信システムへ通知します。

4) 後続ジョブへ環境変数設定

配信システムは、配信後ジョブでジョブ起動情報のメッセージ置換を行えるように、配信要求プログラムで指定された「メッセージ」を環境変数(「$MSG0」~「$MSG5」および「$MSGL0」~「$MSGL1」)に設定します。

(4) 集信時のメッセージ置換処理

図2.20 メッセージ送信(集信時)

1) 配信システムからのメッセージ通知の受け付け

集信システムは、配信システムから「ファイルID」および「メッセージ」の通知を受けます。

2) 集信管理情報の内容の変更

集信システムは配信システムから通知された「ファイルID」の集信管理情報に設定されている“$MSG0”~“$MSG5”および“$MSGL0”~“$MSGL1”を、通知された「メッセージ」と置換します。置換された値に従って集信処理を実行します。

3) 後続ジョブへ環境変数設定

集信システムは、集信後ジョブでジョブ起動情報のメッセージ置換を行えるように、配信から通知された「メッセージ」を環境変数(「$MSG0」~「$MSG5」および「$MSGL0」~「$MSGL1」)に設定します。

(5) 送信要求時のメッセージ置換処理

図2.21 メッセージ送信(送信要求時)

1) 送信要求コマンドからメッセージ送信指示

送信要求コマンドにて、「ファイルID」と「メッセージ」を指定します。送信要求コマンドは、集信管理情報に設定されている“$MSG0”~“$MSG5”および“$MSGL0”~“$MSGL1”を指定された「メッセージ」に置換します。

2) 送信要求の発行

送信要求コマンドは、配信システムへ要求発行とともに指定された「メッセージ」も通知します。

3) 配信管理情報の内容の変更

配信システムは送信要求コマンドから通知された「ファイルID」の配信管理情報に設定されている“$MSG0”~“$MSG5”および“$MSGL0”~“$MSGL1”を通知された「メッセージ」に置換します。置換された値に従って配信処理を実行します。

4) 集信側へメッセージを送信

配信システムは送信要求コマンドから通知された「メッセージ」をデータ転送前に通知します。

5) 配信システムからのメッセージの通知受け付け

集信システムは、配信システムから「ファイルID」および「メッセージ」の通知を受けます。

6) 集信管理情報の内容の変更

集信システムは配信システムから通知された「ファイルID」の集信管理情報に設定されている“$MSG0”~“$MSG5”および“$MSGL0”~“$MSGL1”を通知された「メッセージ」に置換します。置換された値に従って集信処理を実行します。

(6) メッセージ送信の注意点

メッセージにマルチバイトを指定した場合の注意点

  • 自ホストと相手ホストとで使用している言語が異なる場合に、マルチバイト文字を送信すると、転送が異常終了したり、メッセージが正しく置換できないことがあります。

  • 相手ホストが以下の場合は、マルチバイト文字で使用できる文字は日本語のみです。

    • 相手ホストがHULFT Ver.8.1.0未満

    • 相手ホストがHULFT Ver.8.1.0以降で、相手ホストのHULFT7通信モードが“有効”