再送処理の流れ
集信側からの要求でも再送要求コマンドを発行することにより、再配信処理を起動することができます。これをHULFTでは「再送要求」と呼んでいます。再送要求により、配信システムは配信が中断された個所をチェックポイントとして、チェックポイントから転送を行います。この転送を「チェックポイント再送」と呼んでいます。この機能はすでに転送したデータを再度転送しないため、配信ファイルのデータ量が多い場合などに有効です。また、再送要求時にチェックポイント再送なしを指定すると、データを先頭から転送します。転送が異常になった以降に配信ファイルに変更を加えたときなど、データを先頭から転送する必要がある場合に、使用してください。
これらの処理は、配信側の配信デーモンと要求受付デーモンおよび集信側の集信デーモンが起動していることが前提となります。
チェックポイント再送処理の流れを図2.6 で説明します。
1) 再送要求コマンドの発行
要求受付デーモンは集信側からの再送要求を受け付けます。再送の場合は、配信管理情報に配信前ジョブが設定されていた場合でも、配信前ジョブは起動されません。
2) 要求受付プロセスの起動
要求受付デーモンは集信側からの送信要求を受け付けると、要求受付プロセスを起動します。これを1つの要求を受け付けるごとに行い、3) 以降を実行します。また、配信管理情報に配信前ジョブを設定すれば、3) の処理が実行される前にジョブを実行することができます。
4) 要求受付履歴ファイルへの書き込み
要求受付プロセスは、集信側からの要求を要求受付履歴ファイルに書き込みます。
5) 配信プロセスの起動
配信デーモンは再送要求を受けて、配信制御ファイル(再配信待ちファイル)および各管理情報ファイルからの条件に従って配信プロセスを起動します。
6) 配信ファイルの読み飛ばし
配信プロセスは、配信制御ファイルから配信済みレコード件数および配信済みサイズを判断し、すでに転送されているデータを読み飛ばします。
7) 配信の実行
配信プロセスは配信管理情報の設定を元にコード変換やファイルの圧縮を行って、配信ファイルの未配信データを相手ホストに転送します。集信側で再送要求を発行するときにファイルの先頭から再送信の指定を省略すると、チェックポイントからデータを転送します。
8) 配信履歴ファイルへの書き込み
配信プロセスは配信終了後、その結果を配信履歴ファイルに書き込みます。
また、配信処理が異常終了した場合は、配信制御ファイル(再配信待ちファイル)へ異常終了した転送の情報を記録します。
9) 配信後ジョブの起動
配信プロセスは配信管理情報に登録された条件に従って、ジョブ起動情報に登録された配信後ジョブを起動します。ジョブ起動は配信処理が正常終了したとき、異常終了したときでそれぞれに指定されたどちらかのものが転送結果に応じて起動されます。
10) 配信後ジョブ実行履歴ファイルへの書き込み
配信プロセスは、ジョブの実行結果を配信後ジョブ実行履歴ファイルに書き込みます。
配信要求や送信要求を行った場合には、その配信と同一条件の再配信待ちレコードが再配信待ちから削除されます。削除される条件は、システム動作環境設定の再配信待ちキューの削除条件(resenddel)で設定してください。