共通制限事項

(1) UTF-8コード変換の機種およびバージョン間での制限事項

a) ファイル転送での制限事項

異なる機種またはバージョンとの間でファイル転送を行うことはできますが、UTF-8 のコード変換を使用する場合は、機種およびバージョンごとに制限があります。

UTF-8へコード変換する場合とUTF-8からコード変換する場合の制限を表8.2 および表8.3 に示します。

表8.2 UTF-8へのコード変換

配信側ホスト

集信側ホスト

バージョン

製品

転送コードセット

Ver.8.1以降

Ver.8.0.xまたはVer.7(*1)

Ver.6(*2)

配信側変換

集信側変換

配信側変換

集信側変換

配信側変換

集信側変換

Ver.8.1以降

Z

IBM漢字

×

×

UTF-8

(*3)

×

×

×

M, X

JEF

×

×

U

SHIFT-JIS

×

×

EUC-JP

×

×

UTF-8

×

×

GB18030

×

×

×

W

SHIFT-JIS

×

×

×

UTF-8

×

×

GB18030

×

×

×

I

IBM漢字

×

×

UTF-8

×

×

IBM簡体字

×

×

×

Ver.8.0.xまたはVer.7(*1)

Z

IBM漢字

×

×

M, X

JEF

×

×

U

SHIFT-JIS

×

×

EUC-JP

×

×

UTF-8

×

×

W

SHIFT-JIS

×

×

×

×

×

I

IBM漢字

×

×

Ver.6(*2)

Z

IBM

×

×

×

×

M, X

JEF

×

×

×

×

V

KEIS

×

×

×

×

A

NEC

×

×

×

×

U

SHIFT-JIS

×

×

×

×

EUC-JP

×

×

×

×

W

SHIFT-JIS

×

×

×

×

I

IBM

×

×

×

×

*1

:

HULFT for zOS、HULFT for MSP、HULFT for XSPの場合はVer.7.2.0以降

*2

:

HULFT for zOS、HULFT for MSP、HULFT for XSPの場合はVer.7.2未満またはVer.6

HULFT for NSKの場合はVer.5

*3

:

配信側ホストと集信側ホストがどちらもHULFT for zOS Ver.8.4以降なら無変換で転送、

それ以外の組み合わせはエラー

Z

:

HULFT for zOS

M

:

HULFT for MSP

X

:

HULFT for XSP

V

:

HULFT for VOS3

A

:

HULFT for ACOS

U

:

HULFT for UNIX/LinuxおよびHULFT for NSK

W

:

HULFT for Windows

I

:

HULFT for IBMi

:

変換可能

×

:

変換不可

:

無変換

 

表8.3 UTF-8からのコード変換

集信側ホスト

配信側ホスト

バージョン

製品

転送コードセット

Ver.8.1以降

Ver.8.0.xまたはVer.7(*1)

Ver.6(*2)

配信側変換

集信側変換

配信側変換

集信側変換

配信側変換

集信側変換

Ver.8.1以降

Z

IBM漢字

×

×

UTF-8

(*3)

×

×

×

M, X

JEF

×

×

U

SHIFT-JIS

×

×

EUC-JP

×

×

UTF-8

×

×

GB18030

×

×

×

W

SHIFT-JIS

×

×

UTF-8

×

×

GB18030

×

×

×

I

IBM漢字

×

×

UTF-8

×

×

IBM簡体字

×

×

×

Ver.8.0.xまたはVer.7(*1)

Z

IBM漢字

×

×

M, X

JEF

×

×

U

SHIFT-JIS

×

×

EUC-JP

×

×

UTF-8

×

×

W

SHIFT-JIS

×

×

I

IBM漢字

×

×

Ver.6(*2)

Z

IBM

×

×

×

×

M, X

JEF

×

×

×

×

V

KEIS

×

×

×

×

A

NEC

×

×

×

×

U

SHIFT-JIS

×

×

×

×

EUC-JP

×

×

×

×

W

SHIFT-JIS

×

×

×

×

I

IBM

×

×

×

×

*1

:

HULFT for zOS、HULFT for MSP、HULFT for XSPの場合はVer.7.2.0以降

*2

:

HULFT for zOS、HULFT for MSP、HULFT for XSPの場合はVer.7.2未満またはVer.6

HULFT for NSKの場合はVer.5

*3

:

配信側ホストと集信側ホストがどちらもHULFT for zOS Ver.8.4以降なら無変換で転送、

それ以外の組み合わせはエラー

Z

:

HULFT for zOS

M

:

HULFT for MSP

X

:

HULFT for XSP

V

:

HULFT for VOS3

A

:

HULFT for ACOS

U

:

HULFT for UNIX/LinuxおよびHULFT for NSK

W

:

HULFT for Windows

I

:

HULFT for IBMi

:

変換可能

×

:

変換不可

:

無変換

 

b) 複数ファイル結合機能での制限事項

バージョンが異なるHULFT 間で結合したファイルを、分解、内容表示、および追加結合することができます。しかし、HULFT Ver.7以降を使用してUTF-8 コードのファイルを結合した「結合ファイル」を、HULFT Ver.6で使用することはできません。

(2) HULFT-HUB経由のUTF-8コード変換の制限事項

HULFT-HUB Serverを経由する転送で、配信側変換、集信側変換を選択できるのは、以下のいずれかの場合です。

  • 集信側ホストが1つで経路設定が“自動配置”の場合

  • HULFT-HUB Serverを含むすべての集信側ホストの転送コードセットおよび日本語規格が一致している場合

上記以外の場合は集信側変換のみ指定できます。

集信側変換では、集信側ホストがHULFT Ver.6またはHULFT for Mainframe Ver.7.2.0 未満だった場合、UTF-8 コードの変換はできません。

= 備考 =

詳細ホスト情報の転送コードセットは、HULFTのバージョンによって名称が異なります。

  • HULFT Ver.8.1.0以降の場合

    • 転送コードセット

  • HULFT Ver.8.1.0未満の場合

    • 漢字コード種

詳細ホスト情報の日本語規格は、HULFTのバージョンによって名称が異なります。

  • HULFT Ver.8.1.0以降の場合

    • 日本語規格

  • HULFT Ver.8.1.0未満の場合

    • JIS年度

(3) データ転送方法の設定

HULFT7以降では、データ転送方法として転送速度優先モードと異常検知優先モードを選択できます。転送速度優先モードは、以下の動作となります。

  • 転送異常検知のタイミングが従来のバージョンと異なり、遅くなる場合がある

  • 転送キャンセルが有効となるタイミングが従来のバージョンと異なり、遅くなる場合がある

  • 転送異常時、配信履歴および集信履歴における転送件数が一致しない場合がある

  • 転送時、HULFTが使用するリソースの増加、ネットワーク使用量が増加する場合がある

データ転送方法を設定するには、配信側ホストと集信側ホストのどちらもHULFT Ver.7以降、HULFT-HUBを利用する場合はHULFT-HUB Ver.2.2以降である必要があります。下位バージョンのHULFTを使用した場合は、異常検知優先モードで転送されます。

HULFT Ver.7以降を導入する場合、転送速度優先モードが有効となります。異常検知優先モードを使用したい場合は、導入後、システム動作環境設定の電文転送タイプを“N”に変更する必要があります。

(4) データ検証機能に関する制限事項

データ検証機能を使用するには、配信側のホストと集信側のホストのどちらもHULFT Ver.7以降が必要です。

配信側がVer.7以降であっても、集信側がVer.7未満の場合は、データ検証を行うことはできません。また、集信側がVer.7以降でデータ検証を行う設定をしており、配信側がVer.7未満の場合には、集信側でデータ検証を行えないため、エラーとなります。

(5) 操作ログ

操作ログはHULFT Ver.7以降の新機能なので、HULFT Ver.7未満のホストで操作ログは出力されません。

配信側がHULFT Ver.7以降で集信側がHULFT Ver.7未満の場合、配信側ホストでは操作ログが出力されます。

配信側がHULFT Ver.7未満で集信側がHULFT Ver.7以降の場合、配信側から操作ログに必要な情報を取得できないため、集信側ホストでも操作ログは出力されません。

図8.1 配信ホストおよび集信ホストのバージョンと操作ログ出力の関係

(6) IBMカナ文字拡張コード変換の機種およびバージョン間での制限事項

EBCDICセットに“IBMカナ文字拡張”を指定している機種と転送する場合、以下の条件の組み合わせによりコード変換の制限が異なります。

  • 相手ホストの機種が、Win-UX系機種またはMF-IBMi系機種のどちらなのか

  • 相手ホストのHULFTのバージョンが、HULFT Ver.7.3以降またはHULFT Ver.7.3未満のどちらなのか

配信側のEBCDICセットが“IBMカナ文字拡張”の場合と集信側のEBCDICセットが“IBMカナ文字拡張”の場合について、コード変換の可否を表8.4 および表8.5 に示します。

表8.4 配信側の「EBCDICセット」が“IBMカナ文字拡張”の場合

配信側

コード変換先

集信側

Ver.7.3以降

Ver.7.3未満

Win-UX系機種

MF-IBMi系機種

Win-UX系機種

MF-IBMi系機種

Ver.7.3以降

MF-IBMi系機種

配信側

集信側

×

:

変換可能です。

×

:

Ver.7.3未満側でコード変換する場合、IBMカナ文字拡張は不正なEBCDICセットとして扱われるため、エラーになります。

:

Ver.7.3未満側でコード変換する場合、EBCDICセットに“IBMカナ文字拡張”を設定できません。

表8.5 集信側の「EBCDICセット」が“IBMカナ文字拡張”の場合

配信側

コード変換先

集信側

Ver.7.3以降

MF-IBMi系機種

Ver.7.3以降

Win-UX系機種

配信側

集信側

MF-IBMi系機種

配信側

集信側

Ver.7.3未満

Win-UX系機種

配信側

集信側

MF-IBMi系機種

配信側

×

集信側

:

変換可能です。

×

:

Ver.7.3未満側でコード変換する場合、IBMカナ文字拡張は不正なEBCDICセットとして扱われるため、エラーになります。

:

Ver.7.3未満側でコード変換する場合、EBCDICセットに“IBMカナ文字拡張”を設定できません。

= 備考 =

配信管理情報および集信管理情報のEBCDICセットは、HULFTのバージョンによって名称が異なります。

  • HULFT Ver.8.1.0以降の場合

    • EBCDICセット

  • HULFT Ver.8.1.0未満の場合

    • EBCDICコードセット