ネットワークファイル対応
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NAS(Network Attached Storage)やWindowsを利用したファイルサーバに格納されるファイルに対して、以下のHULFTの機能が利用できるようになりました。
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配信
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集信
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ファイルトリガ機能による監視
ネットワークファイル対応は、以下を導入している場合に使用できる機能です。
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HULFT8 for UNIX/Linux-Enterprise
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HULFT8 for Windows-Server
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HULFT7 for UNIX/Linux-EX
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HULFT7 for Windows-EX
ネットワークファイルを扱うために必要な前提条件について説明します。
a) HULFT for Windows
ファイルサーバがSMB/CIFSをサポートしている
ネットワークファイルを管理するファイルサーバが、Windowsのファイル共有プロトコルSMB/CIFSをサポートしている必要があります。
バイト範囲のロックによる排他制御が可能
HULFTによるネットワークファイルロックでは、ネットワークファイルに対してバイト範囲のロックを取得し、排他制御を行います。
したがって、ファイルサーバがバイト範囲のロックを提供しており、ファイルサーバ上で異なるファイル共有プロトコル同士の排他制御を実行できる必要があります。
対象ファイルとパスへのアクセス権限が設定されている
HULFTが動作するアカウントに、対象のネットワークファイルとネットワークパス、およびシステム動作環境設定のHULFT製品間共有環境設定パス(hulsharepath)に指定したフォルダに対する「変更」のアクセス権限が必要です。
oplock(Opportunistic Lock)が無効になっている
ファイルサーバ上のファイルをSMB/CIFS以外のファイル共有プロトコルを使用するアプリケーションと共有する場合、oplockを無効に設定する必要があります。
oplockの設定方法は、使用しているOSまたはファイルサーバのマニュアルを参照してください。
ファイル共有プロトコルにSMB/CIFSを使用するアプリケーションとファイルサーバ上のファイルを共有する場合、oplockを無効に設定する必要はありません。
b) HULFT for UNIX/Linux
ファイルサーバがNFS version 3(NFS v3)をサポートしている
ネットワークファイルを管理するファイルサーバが、分散ファイルプロトコル「NFS」のversion 3(NFS v3)以上をサポートしている必要があります。
ファイルサーバがSMB 3.0をサポートしている
ネットワークファイルを管理するファイルサーバが、Windowsのファイル共有プロトコルSMB 3.0をサポートしている必要があります。
なお、SMB 3.0を使用する場合、以下の制限があります。
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HULFT for Linux Ver.8.5.2以降
HULFT for UNIXおよびHULFT for zLinuxは対象外です。
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以下のいずれかのOSにてHULFTを使用
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Red Hat Enterprise Linux
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Amazon Linux
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Oracle Linux
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SUSE LINUX Enterprise Server
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Asianux Server
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集信管理情報の以下の情報についてHULFTでの登録内容は無視され、マウント時のオプションが優先される
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オーナー名(OWNER)
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グループ名(GROUP)
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パーミッション(PERM)
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バイト範囲のロックによる排他制御が可能
HULFTによるネットワークファイルロックでは、ネットワークファイルに対してバイト範囲のロックを取得し、排他制御を行います。
したがって、ファイルサーバがバイト範囲のロックを提供しており、ファイルサーバ上で異なるファイル共有プロトコル同士の排他制御を実行できる必要があります。
対象ファイルとパスへのアクセス権限が設定されている
HULFTが動作するアカウントに、対象のネットワークファイルとネットワークパス、およびシステム動作環境設定のHULFT製品間共有環境設定パス(hulsharepath)に指定したディレクトリに対する「読み込み・書き込み権限」が必要です。
対象ファイルとパスへの属性キャッシュが無効になっている
対象となるファイルが格納されているディレクトリをマウントするときに、NFSクライアントの属性キャッシュを無効にしておく必要があります。
Red Hat Enterprise Linuxからマウントする場合のコマンド例を以下に示します。
- <マウントコマンド例>
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# # mount -o noac server:/data /mnt/server/data/ #
(2) 適用範囲
HULFTの操作にネットワークファイルおよびパスを適用できる範囲を以下に示します。
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配信ファイル
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集信ファイル
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ファイルトリガ情報に設定するファイル名
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システム動作環境設定のHULFT製品間共有環境設定パス(hulsharepath)の指定
HULFTが提供するコマンドで上記以外をネットワークファイルに指定することはサポートしていません。
(3) 注意事項
ネットワークファイルを扱う場合の注意事項について説明します。
サポート対象外の動作
ファイルサーバによっては、Windows環境からネットワーク経由でCreateFile()関数によってオープンされたファイルの共有モードと、UNIX/Linux環境からのlockf()関数などによるバイト範囲のロックとの間で、排他制御を実行できない環境があります。
このような環境では、「(1) 前提条件」に示した条件を備える場合でも、HULFTと他のアプリケーションがファイルを同時に操作すると、双方とも排他状態を正しく認識できないため、対象のファイルが破壊される可能性があります。HULFTでは上記に説明した動作環境で、他のアプリケーションがHULFTと同じファイルを操作することをサポートしていません。

図1.1 サポート対象外の動作