操作ログの概要
操作ログは、HULFTに要求が発行された場合、HULFTのコマンドが実行された場合、およびHULFTがシステムファイルにアクセスした場合に出力されます。
配信処理および集信処理で出力される操作ログを以下に示します。

図2.38 配信処理および集信処理での操作ログ
1) HULFT管理画面またはコマンドラインから配信要求を発行すると、要求発行した日時、ユーザーID、ホスト名などが配信側HULFTのコマンド実行ログファイルに出力されます。
2) 配信要求に基づいて配信処理が実行され、配信履歴が追加されると、履歴が追加された日時や追加された履歴を識別する情報などが配信側HULFTのファイルアクセスログファイルに出力されます。
3) 集信処理が実行され、集信履歴が追加されると、履歴が追加された日時や追加された履歴を識別する情報などが集信側のファイルアクセスログファイルに出力されます。
ファイルアクセスログとコマンド実行ログ
ファイルアクセスの記録と要求発行またはコマンド実行の記録は、それぞれ別のログファイル(ファイルアクセスログファイルとコマンド実行ログファイル)に出力されます。
操作ログの種類 |
出力先 |
説明 |
---|---|---|
ファイルアクセスログ |
HULPATH\opl\huloplfile.csv |
システム動作環境設定、システム管理情報、各種履歴などのシステムファイルに情報が追加、更新、または削除された場合に出力されます。 |
コマンド実行ログ |
HULPATH\opl\huloplcmd.csv |
要求発行やコマンド実行した場合に出力されます。 |
操作ログの対象となるシステムファイルの種類、ファイルアクセス種、要求発行またはコマンドの一覧は、「操作ログの入出力フォーマット」を参照してください。
-
ファイルアクセスログは、システムファイルの内容が変更された場合に出力されます。内容を変更せず、参照のみの場合には出力されません。
-
コマンド実行ログは要求発行またはコマンド実行した側のホストで出力されます。要求受付側には、要求受付履歴と、要求受付履歴が追加されたときのファイルアクセスログが出力されます。
-
範囲を指定してシステム管理情報や履歴から複数のレコードを削除する場合、コマンド実行ログは1件だけ出力されますが、ファイルアクセスログは削除されたレコード1つにつき1件ずつ出力されます。
-
ユーザーによる操作の記録を目的としているため、一時ファイルの削除などの、システムの内部的な動作に対して操作ログは出力されません。
操作ログに出力される情報
操作ログに出力される情報は、一連の処理(トランザクション)の元になった要求発行またはコマンド実行に関する情報(始点情報)、要求発行またはコマンド実行に基づいて行われた処理に関する情報(処理情報)、ファイルアクセスログに固有の情報、コマンド実行ログに固有の情報に大別されます。
操作ログには、以下の情報がCSV形式で出力されます。
始点情報
要求発行またはコマンド実行が開始された時点での情報です。接続先にも通知され、1トランザクション内のすべてのファイルアクセスログまたはコマンド実行ログで同一の情報が使用されます。
操作ログ出力機能を使用する場合、ユーザーID以外の始点情報は常に接続先にも通知されます。
- 始点処理日時
-
要求発行またはコマンド実行が開始された日時
始点ホストのOS上で設定された日時です。
- ユーザーID(OS)とユーザーID(管理画面)
-
操作を行ったユーザーのユーザID
始点ホストのOSのユーザーIDと、要求を発行した管理画面のユーザーIDです。
始点ホストの機種によって、以下のような違いがあります。
表2.15 機種によるユーザーID(OS)とユーザーID(管理画面)の違い
機種
ユーザーID(OS)
ユーザーID(管理画面)
HULFT for Mainframe
OSのユーザーID
HULFT管理画面を使用したユーザーID
HULFT for UNIX/Linux
OSのユーザー名
「ユーザーID(OS)」と同じ
(管理画面セキュリティが有効でない場合は"")
HULFT for Windows
OSのユーザー名
管理画面セキュリティで登録したユーザー名
(パスワードチェックが有効でない場合は"")
HULFT for IBMi
OSのユーザーID
「ユーザーID(OS)」と同じ
(管理画面セキュリティが有効でない場合は"")
HULFT Manager
OSのユーザー名
接続先HULFTの「ユーザーID(管理画面)」
HULFT-HUB Server
OSのユーザー名
管理画面がないので常に""
HULFT-HUB Manager
OSのユーザー名
HULFT-HUB Serverにログインしたときのユーザー名
注意操作ログのユーザーID(OS)にマルチバイトコードを使用している場合、以下の条件をすべて満たすときのみユーザーID(OS)が正しく表示されます。
-
始点ホストの機種と接続先の機種が両方ともWindows
-
始点ホストの機種と接続先の機種のシステムロケールが同じ
条件が満たされない場合、ユーザーID(OS)が正しく表示されません。
-
- 始点ホスト名
-
操作を行ったホストの自ホスト名
自ホスト名については「自ホスト名について」を参照してください。
- 処理識別子
-
トランザクションの識別子
トランザクションごとに異なる処理識別子が生成されます。「最新処理識別子」と「開始処理識別子」の2つがあります。最新処理識別子と開始処理識別子については「処理識別子」を参照してください。
処理識別子は履歴にも出力されるため、操作ログと履歴を紐付けできます。
処理情報
ファイルがアクセスされた時点、または要求発行やコマンド実行が処理された時点での情報です。
- 処理日時
-
ファイルアクセスまたは要求発行やコマンド実行が処理された日時
処理ホストのOS上で設定された日時です。
- 処理ホスト名
-
ファイルアクセスまたは要求発行やコマンド実行が処理されたホストの自ホスト名
自ホスト名については「自ホスト名について」を参照してください。
- 操作ログユーザー指定文字
-
操作ログを出力したHULFTを識別する文字列
複数のHULFTで出力された操作ログを収集したとき、どのHULFTで出力された操作ログかを識別するための文字列です。
表2.16 操作ログユーザー指定文字に設定される値
機種
操作ログユーザー指定文字に設定される値
HULFT for Mainframe
システム動作環境設定の「操作ログユーザー指定文字」
HULFT for UNIX/Linux
システム動作環境設定の「HULFT識別文字」
HULFT for Windows
システム動作環境設定の「操作ログユーザー指定文字」
HULFT for IBMi
システム動作環境設定の「HULFT識別文字」
HULFT Manager
システム動作環境設定の「操作ログユーザー指定文字列」
HULFT-HUB Server
システム動作環境設定の「サービス名」
HULFT-HUB Manager
システム環境設定の「ユーザー指定文字」
ファイルアクセスログ固有情報
ファイルアクセスの種別や対象に関する情報です。ファイルアクセスログファイルだけに出力されます。
出力される値の一覧は「操作ログの入出力フォーマット」を参照してください。
- ファイルアクセス種
-
ファイルアクセスの種類
追加、変更、削除など、ファイルに対して行った操作の種類です。
- システムファイルの種類
-
アクセス対象のシステムファイル
ファイルアクセスの対象となったシステムファイルを表す識別子です。
- ファイルキー情報
-
アクセス対象の項目
システム管理情報や履歴など、1つのファイルに複数のレコードが格納されている場合に、どのレコードがアクセスされたのかを特定するための追加情報です。
コマンド実行ログ固有情報
処理された要求およびコマンドに関する情報です。コマンド実行ログファイルだけに出力されます。
出力される値の一覧は「操作ログの入出力フォーマット」を参照してください。
- コマンド実行キー
-
要求発行またはコマンド実行の種類
処理された要求発行またはコマンド実行を表す識別子です。
- コマンド発行元
-
要求またはコマンドの発行元
コマンドラインから実行したのか、HULFT管理画面から要求発行したのかなど、要求またはコマンドの発行元を表す識別子です。
- コマンドパラメーター
-
コマンドのパラメーター
コマンドを実行するときに指定されたパラメーターです。