再配信処理の流れ

転送開始後、何らかのトラブルにより転送が中断された場合に再配信要求コマンドを発行することにより、再度転送を行います。この要求をHULFTでは、「再配信要求」と呼んでいます。再配信要求により、配信システムは配信が中断された個所をチェックポイントとして、チェックポイントから転送を行います。この転送を「チェックポイント再配信」と呼んでいます。この機能はすでに転送したデータを再度転送しないため、配信ファイルのデータ量が多い場合などに有効です。また、再配信要求時にチェックポイント再配信の指定を省略すると、データを先頭から転送します。転送が異常になった以降に配信ファイルに変更を加えたときなど、ファイルを先頭から転送する必要がある場合には、使用してください。

これらの処理は、配信側の配信プロセスと集信側の集信プロセスが起動していることが前提となります。

チェックポイント再配信処理の流れを図2.5 で説明します。

図2.5 再配信

1) 再配信要求コマンドの発行

再配信要求コマンドを配信受付スレッドに発行することにより、再配信を行います。配信管理情報に配信前ジョブが設定されていた場合でも、配信前ジョブは起動されません。

2) 配信スレッドの作成

配信受付スレッドは再配信要求コマンドを受けて、再配信待ちファイルおよび各管理情報ファイルからの条件に従って配信スレッドを作成します。

3) 配信ファイルの読み飛ばし

チェックポイント再配信の場合、配信スレッドは配信制御ファイルから配信済みレコード件数および配信済みサイズを判断し、すでに転送されているデータを読み飛ばします。

4) 配信の実行

配信スレッドは前回中断された転送の配信管理情報の設定を元に、コード変換やファイルの圧縮を行って、配信ファイルの未配信データを相手ホストに転送します。再配信要求コマンド発行時にチェックポイント再配信の指定を省略すると、配信ファイルの先頭からデータを転送します。

5) 配信履歴ファイルへの書き込み

配信スレッドは配信終了後、その結果を配信履歴ファイルに書き込みます。

また、配信処理が異常終了した場合は、再配信待ちファイルへ異常終了した転送の情報を記録します。

6) 配信後ジョブの起動

配信スレッドは配信管理情報に登録された条件に従って、ジョブ起動情報に登録された配信後ジョブを起動します。ジョブ起動は再配信処理が正常終了したとき、異常終了したときとでそれぞれに指定されたどちらかのものが転送結果に応じて起動されます。

7) 配信後ジョブ実行履歴ファイルへの書き込み

配信スレッドは、ジョブの実行結果を配信後ジョブ実行履歴ファイルに書き込みます。

8) メールの送信

配信スレッドは、メール連携情報に登録された条件に従って、E-Mailを送信します。

= 備考 =

配信要求や送信要求を行った場合には、その配信と同一条件の再配信待ちレコードが再配信待ちから削除されます。削除される条件は、システム動作環境設定の再配信待ちキューの削除条件(resenddel)で設定してください。