集信管理情報の項目一覧

集信するファイルのファイル情報を登録します。登録方法は、「集信管理情報を操作する」を参照してください。

項目一覧

表4.71 集信管理情報項目一覧

項目名

初期値

設定値

省略

備考

ファイルID

 

英数字および“_”

×

先頭英字の50バイト以内

コメント

 

文字

60バイト以内(*1)

基本設定

 

ファイル名

 

英数字

×

3バイト以上33バイト以内

レコード長

128

1~32766

×

 

登録モード

新規作成

(*2)

×

 

異常時の処置

削除

(*2)

×

 

集信形態

単一集信

(*2)

×

 

世代管理

しない

(*2)

×

 

世代管理数

0

0,2~9999

×

 

EBCDICセット

自動

(*2)

×

 

正常時ジョブID

 

英数字および“_”

先頭英字の50バイト以内

異常時ジョブID

 

英数字および“_”

先頭英字の50バイト以内

拡張設定

 

集信完了通知

受信完了

(*2)

×

 

転送グループID

 

英数字および“_”

先頭英字の50バイト以内

データ検証

しない

(*2)

×

 

暗号キー(高強度暗号強制モードが無効の場合)(*3)

 

英数字

8バイト以上20バイト以内

暗号キー(高強度暗号強制モードが有効の場合)(*4)

16進文字列

×

64桁

:

省略可

×

:

省略不可

*1

:

HULFT Manager管理画面では、60文字まで入力できます。接続先ホストがHULFT Ver.8.1以降の場合、入力した文字のサイズは、接続先ホストのHULFTで設定されているコードセットに従ってチェックされます。チェックされたサイズが備考に記載されたサイズであれば、入力した文字はHULFTに保存されます。

*2

:

HULFT Manager管理画面の場合、プルダウンリストから設定値をクリックします。

*3

:

以下の場合に設定できます。

  • 接続先のHULFTがVer.8.4.0未満

  • 接続先のHULFTがVer.8.4.0以降で、かつシステム動作環境設定の高強度暗号強制モード(STRONGKEYMODE)に“0(無効)”が設定されている

*4

:

以下の場合に設定が必要です。

  • 接続先のHULFTがVer.8.4.0以降で、かつシステム動作環境設定の高強度暗号強制モード(STRONGKEYMODE)に“1(有効)”が設定されている

各項目の説明

集信管理情報に設定する各項目について説明します。

ファイルID

集信するファイルを認識するためのID

「_INSTANT_TRANSFER_」は簡易転送用のIDであるため、ファイルIDに指定できません。

コメント

集信するファイルに対するコメント

基本設定

ファイル名

IBM i上に格納するファイル

物理データファイルの場合は「ライブラリー名/ファイル名(メンバー名)」の形式で指定します。

保管ファイルの場合は「ライブラリー名/ファイル名」の形式で指定します。

集信ファイル名に「*FIRST」や「*FILE」などの予約語を用いた指定はできません。指定した場合は予期せぬ動作をすることがあります。

レコード長

集信するファイルのレコード長

集信ファイルが存在しない場合は、新たに作成する集信ファイルのレコード長を指定します。すでに集信ファイルが存在している場合は、そのファイルのレコード長を指定します。

登録モード

集信するファイルの登録方法

新規作成

: 新規作成モード

置き換え

: 置き換えモード

追加

: 追加モード

異常時の処置

集信に失敗したときの集信ファイルの処置

削除

: 集信ファイルを削除

保存

: 集信が失敗した時点の集信ファイルを保持

復元

: 集信開始前に集信ファイルをバックアップし、集信が失敗したらバックアップを復元

集信開始前に集信ファイルが存在しなかった場合は“削除”と同じ動作

集信形態

集信するファイルの集信形態

単一集信

: 単一ホストからファイルを集信

複数集信

: 複数ホストからファイルを集信し、1つのファイルを作成

“複数集信”を指定する場合、登録モードに“追加”を、異常時の処置に“保存”を指定してください。

世代管理

集信するファイルの世代管理の有無

する

: 世代管理あり

しない

: 世代管理なし

“する”を指定する場合、登録モードに“新規作成”または“置き換え”を、異常時の処置に“削除”を指定してください。

世代管理数

集信するファイルの世代管理数

世代管理に“する”を指定した場合は、“2”~“9999”までの間で指定します。世代管理に“しない”を指定した場合は、“0”を指定します。

EBCDICセット

1バイトコードを変換するときに使用する、EBCDIC系コードセット

接続先ホストの転送コードセットがEBCDIC系コードセットの場合、接続先ホスト(集信側ホスト)のEBCDICセットを指定します。

接続先ホストの転送コードセットがUTF-8の場合、配信側ホストのEBCDICセットを指定します。

  • 自動

  • カナ文字

  • 英小文字

  • ASCII

  • ASPEN

  • IBM英小文字

  • IBM英小文字拡張

  • NECカナ文字

  • IBMカナ文字拡張

  • 中国語簡体字拡張

  • ユーザーテーブル1

  • ユーザーテーブル2

  • ユーザーテーブル3

省略すると“自動”が設定されます。

正常時ジョブID

ファイルの集信が正常終了したときに起動するジョブが登録されているジョブ起動情報のID

ジョブIDの詳細は「ジョブ起動情報の項目一覧」を参照してください。

省略するとジョブは起動されません。

異常時ジョブID

ファイルの集信が異常終了したときに起動するジョブが登録されているジョブ起動情報のID

ジョブIDの詳細は「ジョブ起動情報の項目一覧」を参照してください。

省略するとジョブは起動されません。

拡張設定

集信完了通知

配信側ホストへの集信完了通知

受信完了

: 受信完了後に通知

正常時ジョブ完了

: 集信後正常時ジョブ完了後に通知

転送グループID

集信するファイルの配信元が登録されている転送グループ情報のID

転送グループIDの詳細は「転送グループ情報の項目一覧」を参照してください。

データ検証

受信したデータに対するデータ検証の有無

しない

: データ検証を行わない

する

: データ検証を行う

暗号キー(高強度暗号強制モードが無効の場合)

データを復号するキー

暗号化されたデータを復号する場合に指定します。相手ホストの配信管理情報に設定されている暗号キーと同じ暗号キーを設定してください。

集信側ホストで暗号キーが設定されていても配信側の配信管理情報で暗号キーが設定されていない場合、集信側ホストの暗号キーは無視されます。

暗号キーが不一致の場合、データは正しく復号されません。

暗号キー(高強度暗号強制モードが有効の場合)

データを復号するキー

暗号化されたデータを復号する場合に指定します。

暗号キーが不一致の場合、データは正しく復号されません。

設定時の注意点

登録モード、集信形態、世代管理の指定

集信形態が“単一集信”で登録モードに“追加”を指定した場合、集信中に何らかの異常が発生すると、異常が発生する前までの集信データは追加書きされてしまいます。異常時の処置が“復元”の場合、集信前の集信ファイルが集信ファイル内の別メンバーとして退避されます。

表4.72 集信管理情報の組み合わせ

登録モード

異常時処置

集信形態

単一集信

複数集信

世代管理

世代管理

世代管理

世代管理

あり

なし

あり

なし

新規作成

削除

 

 

保存

 

 

 

復元

 

 

 

置き換え

削除

 

 

保存

 

 

 

復元

 

 

 

追加

削除

 

 

 

保存

 

 

復元

 

 

 

:

組み合わせ可

空欄

:

組み合わせ不可

保管ファイル

保管ファイルの場合、チェックポイント再配信およびチェックポイント再送はできません。そのため、チェックポイント再配信またはチェックポイント再送を行った場合、先頭から転送されます。また、集信管理情報の登録モードに“新規作成”を指定して、チェックポイント再配信またはチェックポイント再送を行った場合エラーとなります。

異常時の処置

  • “削除”指定時の留意点

    登録モードで“新規作成”を指定した場合、集信ファイルがすでに存在してエラーになると、存在していたファイルは削除されません。

  • “保存”指定時の留意点

    集信形態で“複数集信”を指定した場合、一時ファイルへの集信中に異常が発生すると、そこまでの集信データは集信ファイルに書かれません。また、一時ファイルを集信ファイルにコピー中に異常が発生すると、そこまでの集信データは追加書きされてしまいます。よって、アプリケーションプログラムでデータの重複をチェックする仕組みが必要となります。

メッセージの置換

  • メッセージの置換を行える項目は以下のとおりです。

    以下の項目に「&MSG0」~「&MSG5」または「&MSGL0」~「&MSGL1」を指定することにより、項目の値は送信要求を実行したときに指定したメッセージや、配信側ホストから送信されたメッセージに置換されます。

    • 集信ファイル名

    • 転送グループID

    • 正常時ジョブID

  • メッセージは、システム動作環境設定のHULFTキャラクタセット(HULCHARSET)に設定されたコードセットの種類で変換されます。

  • 配信側ホストの言語設定によっては、メッセージの置換が正しく行われず、転送に失敗する場合があります。

    メッセージ送信の注意点については「IBMi アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

集信ファイル名

  • 以下のいずれかを指定するときは、集信形態に“単一集信”を指定してください。

    • “&SNDFILE(物理データファイル)”

    • “&SNDFILES(保管ファイル)”

    • “&MSG0”~“&MSG5”

    • “&MSGL0”~“&MSGL1”

  • 配信ファイル名に2バイトコードが含まれる場合、エラーとなります。

  • “&SNDFILE”または“&SNDFILES”の後に文字は指定できません。

  • “&SNDFILE”または“&SNDFILES”を指定することにより、配信ファイル名を集信ファイル名とします。また、配信側ホストがHULFT for IBMiの場合は、“&SNDLIB”を指定することにより、配信側ホストのライブラリー名を集信ファイルのライブラリー名とします。

  • 集信ファイル名を置換する場合、配信側ホストの言語設定によっては、配信ファイル名を集信ファイル名に正しく置換できず、転送に失敗することがあります。詳細は、「IBMi アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

  • 配信ファイル名を集信ファイル名とする際の命名規約を以下に示します。

    表4.73 ファイル命名規約

    機種

    集信ファイル名(IBMi)

    配信ファイル名

    &SNDLIB&SNDFILE

    MYLIB/&SNDFILE

    &SNDLIB&SNDFILES

    MYLIB/&SNDFILES

    Mainframe

     

     

    順編成ファイル

    HULFT.DAT.SND.F01

    変換エラー

    MYLIB/F01(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    区分データ・セット(PDS)

    HULFT.DAT.F02(SND)

    変換エラー

    MYLIB/F02(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    UNIXまたはLinux

     

     

    拡張子がある場合

    /HULFT/DAT/SND.F03

    変換エラー

    MYLIB/F03(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    拡張子がない場合

    /HULFT/DAT/SND

    変換エラー

    MYLIB/SND(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    Windows

     

     

    拡張子がある場合

    C:\HULFT\DAT\SND.F04

    変換エラー

    MYLIB/F04(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    拡張子がない場合

    C:\HULFT\DAT\SND

    変換エラー

    MYLIB/SND(SND)

    変換エラー

    MYLIB/SND

    IBMi

     

     

    物理ファイル

    HULFT/F05(SND)

    HULFT/F05(SND)

    MYLIB/F05(SND)

    変換エラー

    変換エラー

    保管ファイル

    HULFT/F06

    変換エラー

    変換エラー

    HULFT/F06

    MYLIB/F06

    注意

    “&SNDLIB”を使用する場合は、“&SNDFILE”または“&SNDFILES”も同時に指定してください。

    “&SNDLIB”のみの指定はできません。

レコード長

集信管理情報で指定したレコード長と、集信ファイルのレコード長が同じでない場合は集信形態により動作が異なります。集信形態に“単一集信”が指定されているときは、集信管理情報で指定されているレコード長を無視して集信を行います。集信形態に“複数集信”が指定されているときは、集信エラーとなります。

集信完了通知

集信完了通知に“受信完了”が指定されている場合、集信ジョブとは別のジョブとしてジョブ起動情報に登録されているジョブ記述が実行されます。このため、CLコマンドは集信ジョブとは別のジョブによって実行されます。

集信完了通知に“正常時ジョブ完了”が指定されている場合、CLコマンドは集信ジョブによって実行されます。

MF-IBMi系機種から中国語データを集信する場合

EBCDICセットに“中国語簡体字拡張”を設定してください。

システム動作環境設定の転送コードセット(CS4TRNSFR)に“C(IBM簡体字)”が設定されていることを確認してください。

EBCDICセットを“自動”に設定した場合の動作

EBCDICセットに“自動”を設定した場合、ファイル転送時の1バイトコード変換で実際に使用されるEBCDICセットの値は、以下のように決定されます。

表4.74 自動的に決定されるEBCDICセットの値

集信側ホストの転送コードセット

配信側ホストの転送コードセット

SHIFT-JIS

EUC-JP

GB18030

IBM漢字

JEF

IBM
簡体字

IBM漢字

F

F

×

F

F

×

IBM簡体字

×

×

I

×

×

I

×

:

ファイル転送時にコード変換できない組み合わせ

F

:

IBM英小文字拡張

I

:

中国語簡体字拡張

 

接続先ホストのコードセットを登録するシステム動作環境設定の転送コードセット(CS4TRNSFR)の詳細は、「IBMi アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

配信側ホストのコードセットを登録する転送コードセットの詳細は、「詳細ホスト情報の項目一覧」を参照してください。

コメント

コメントに登録した2バイト文字は、HULFT Manager管理画面では表示できても、HULFT10 for IBMiのHULFT管理画面で欠落する場合があります。