クラスター環境のHULFTから接続する場合の注意事項

クラスターを構成するHULFTから以下のプログラムを使用してHULFTに接続する場合、接続先(相手側)での注意点について説明します。

表5.7 対象プログラム

クラスター側接続プログラム名

相手側接続受付対象

配信要求コマンド(utlsend)

集信

送信要求コマンド(utlrecv)

要求受付

ジョブ実行結果通知コマンド(hulsndrc)

要求受付

リモートジョブ実行コマンド(utlrjob)

要求受付

 

HULFTクラスター構成システムでは、自ホスト名(myhostname)に仮想IPアドレスに対応するホスト名を設定することで、個々のノードを意識することなく仮想IPアドレスを用いてサービス運用できます。

 

ただし、相手ホストが接続元(クラスターシステム側)のHULFTからホスト名の情報を受け取る前にエラーが発生すると、相手ホストの履歴やコンソールに、クラスターを構成する個々のHULFTのノード名や実IPアドレスが表示されてしまう場合があります。

 

= 備考 =

HULFTはIPアドレスの操作を行っていません。

  • 相手側トレースログ

    接続側(クラスターシステム側)の実IPアドレス、ノード名が出力

  • 相手側要求受付履歴

    要求受付定義ファイル($HULPATH/service.db)に登録されていないサービス要求を受け付け、エラーになった場合にノード名が出力

    図5.1 接続時の注意事項

 

なお、この現象によってHULFTのプログラムが異常な動作をすることはありません。

業務に支障をきたさない場合は特に対応する必要はありません。

この現象の回避策として以下の方法があります。

回避策1) 相手側サーバーのhostsファイルを編集

相手側サーバーのhostsファイルに、個々のノードの実IPアドレスに対して仮想IPアドレスに対応する仮想ホスト名(HULFTの自ホスト名)を追加します。

設定例

172.16.10.11 uxcluster
172.16.10.12 uxcluster

回避策2) クラスター側クライアントノードのルーティングテーブルを編集

個々のノードのルーティングテーブルを編集し、接続元IPアドレスが仮想IPアドレスになるように設定します。

設定例
Linuxでルーティングテーブルを編集する場合

ノード切り替え時に以下のコマンドを起動するように設定します。

(eth0:0に仮想IPアドレスが割り振られているとき)

# route add -host 172.16.20.10 dev eth0:0