スーパーユーザー(root)以外での運用

HULFTは、スーパーユーザー(root)および一般ユーザーのどちらでも運用できます。

一般ユーザーがHULFTを運用する場合とスーパーユーザー(root)がHULFTを運用する場合で操作できる範囲の違いについて説明します。

HULFTのインストール

一般ユーザーは実行できません。スーパーユーザー(root)のみが実行できます。

HULFTシステムの起動および終了

起動

一般ユーザーおよびスーパーユーザー(root)は、配信デーモン、集信デーモン、または要求受付デーモンを起動できます。

一般ユーザーが起動した場合、そのユーザーに権限のない処理は実行できません。

終了

一般ユーザーおよびスーパーユーザー(root)は、配信デーモン、集信デーモン、または要求受付デーモンを終了できます。

他のユーザーが起動したデーモンでも終了できます。

HULFT管理画面、HULFT操作コマンド、およびユーティリティーの実行

一般ユーザーおよびスーパーユーザー(root)は、HULFT管理画面、HULFT操作コマンド、およびユーティリティーを起動できます。

一般ユーザーが起動した場合、そのユーザーに権限のない処理は実行できません。

一般ユーザーで運用する場合の留意点

  • 各デーモン、HULFT管理画面、HULFT操作コマンド、ユーティリティーは、起動したユーザーの権限で実行されます。一般ユーザーが起動した場合、そのユーザーに権限のない処理は実行できません。

  • 一般ユーザーでHULFTを運用する場合、HULFTが使用するファイルおよびディレクトリーに適切なアクセス権が設定されていないと、HULFTは正しく動作しません。

    必要なアクセス権については、「アクセス権の設定」を参照してください。

  • パスワードチェック機能を利用するには、スーパーユーザー(root)が要求受付デーモンを起動する必要があります。一般ユーザーが起動した場合、パスワードチェックは実行できません。

集信ファイルのオーナー名とグループ名

集信ファイルは、集信管理情報のオーナー名(OWNER)およびグループ名(GROUP)で設定したオーナー名およびグループ名で作成されます。

一般ユーザーの権限では、自分のユーザー名およびグループ名以外で集信ファイルを作成できません。そのため、集信デーモンを一般ユーザーが起動した場合、集信管理情報のオーナー名(OWNER)グループ名(GROUP)に、異なるユーザー名、グループ名が設定されていると、集信ファイルを作成できません。

この場合、集信管理情報のオーナー名(OWNER)グループ名(GROUP)を両方省略すると、集信ファイルは、集信デーモンを起動したユーザーのユーザ名とグループ名で作成されます。

ジョブ実行

各ジョブの実行ユーザーを以下の表で示します。

一般ユーザーが実行した場合、そのユーザーに権限のない処理は実行できません。

表3.21 ジョブの実行ユーザー

ジョブの種類

実行ユーザー

配信前ジョブ

配信要求コマンド(utlsend)で配信する場合

utlsendコマンドを起動したユーザー

HULFT管理画面からの配信要求で配信する場合

HULFT管理画面を起動したユーザー

HULFT Managerからの配信要求で配信する場合

要求受付デーモンを起動したユーザー

送信要求コマンド(utlrecv)、HULFT管理画面、またはHULFT Managerからの送信要求を受け付けて配信する場合

配信後ジョブ

配信デーモンを起動したユーザー

集信後ジョブ

集信デーモンを起動したユーザー

リモートジョブ

要求受付デーモンを起動したユーザー

ファイルトリガー情報の「ジョブID(JOBID)」で指定されたジョブ

ファイルのアクセス権

HULFTのデーモン、プロセス、HULFT管理画面、操作コマンド、ユーティリティーによってファイルが再作成された場合、ファイルのオーナーが変更される場合があります。

この場合でも、ファイルのアクセス権(パーミッション)は維持されるので、HULFTの動作に問題はありません。