集信側起動の配信処理の流れ
集信側からの要求でも配信処理を起動することができます。これをHULFTでは「送信要求」と呼んでいます。
この処理は、配信側の配信デーモンと要求受付デーモンおよび集信側の集信デーモンが起動していることが前提となります。
集信側からの起動による配信処理の流れを図2.2 で説明します。
1) 配信ファイルの作成
一般の業務処理によって、配信ファイルを作成します。
2) 集信側からの送信要求待ち
要求受付デーモンは、集信側からの送信要求を待ちます。
3) 要求受付プロセスの起動
要求受付デーモンは集信側からの送信要求を受け付けると、要求受付プロセスを起動します。これを1つの要求を受け付けるごとに行い、4) 以降を実行します。また、配信管理情報に配信前ジョブを設定すれば、4) の処理が実行される前にジョブを実行することができます。
5) 要求受付履歴ファイルへの書き込み
要求受付プロセスは、集信側からの要求を要求受付履歴ファイルに書き込みます。
6) 配信プロセスの起動
配信デーモンは、配信要求を受け付けて各管理情報ファイルからの条件に従って配信プロセスを起動します。これを1つの転送ごとに行います。
7) 配信の実行
配信プロセスは、配信管理情報の設定を元にコード変換やファイルの圧縮を行って、配信ファイルのデータを相手ホストに転送します。
8) 配信履歴ファイルへの書き込み
配信プロセスは配信終了後、その結果を配信履歴ファイルに書き込みます。また、配信処理が異常終了した場合は、配信制御ファイル(再配信待ちファイル)へ異常終了した転送の情報を記録します。
9) 配信後ジョブの起動
配信プロセスは、配信管理情報に登録された条件に従って、ジョブ起動情報に登録された配信後ジョブを起動します。ジョブ起動は、配信処理が正常終了したとき、異常終了したときでそれぞれに指定されたどちらかのものが転送結果に応じて起動されます。
10) 配信後ジョブ実行履歴ファイルへの書き込み
配信プロセスは、ジョブの実行結果を配信後ジョブ実行履歴ファイルに書き込みます。
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ジョブとは作業単位を表し、シェルスクリプトやコマンドなどを指します。
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配信前ジョブの実行結果は、履歴ファイルには書き込まれません。
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配信前ジョブは、再送要求時には実行されません。
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送信要求の場合、配信管理情報で指定された転送グループ情報に複数のホストが登録されていても、送信要求を発行したホストにだけ配信されます。
送信要求を発行したホストが転送グループ情報に登録されていない場合はエラーになります。