ストレージ管理情報に登録されている値を一括で更新したい

ストレージ管理情報に登録されている値を一括で更新する例を説明します。

ここでは、クラウドストレージDBに登録されている以下の値を更新して、再度登録を行います。

  • 配信ストレージ管理情報:エンドポイントのURL

  • 集信ストレージ管理情報:エンドポイントのURL

 

今回の例では、既存の配信ストレージ管理情報および集信ストレージ管理情報が以下の状態で登録されていることを前提とします。

  • 配信ストレージ管理情報

    • 既存の配信ストレージ管理情報が複数登録されている

    • 配信ストレージ管理情報IDがすべて「xxxx.system01」の形式となっている

    • 配信ストレージ管理情報のエンドポイントのURLはすべて未設定

  • 集信ストレージ管理情報

    • 既存の集信ストレージ管理情報が複数登録されている

    • 集信ストレージ管理情報IDがすべて「xxxx.system01」の形式となっている

    • 集信ストレージ管理情報のエンドポイントのURLは未設定または値が設定されている

 

上記の複数のストレージ管理情報について、すべてのエンドポイントのURLを変更する手順は、以下のとおりです。

 

  1. 管理情報のエクスポートコマンド(utls3infomanage)を使用して、既存の配信ストレージ管理情報のエクスポートを行います。

    配信ストレージ管理情報の配信ストレージIDが「xxxx.system01」の管理情報をエクスポートします。

    配信ストレージIDの「xxxx.system01」をすべてエクスポートするため、IDにワイルドカードを使用して、管理情報のエクスポートコマンドを実行します。

    utls3infomanage export -t snd --id *.system01 -o info.json

    管理情報のエクスポートコマンドの詳細は、「管理情報のエクスポートコマンド」を参照してください。

     

  2. 管理情報のエクスポートコマンドを使用して、集信ストレージ管理情報のエクスポートを行います。

    1. でエクスポートした出力ファイルに、集信ストレージ管理情報をエクスポートします。

    配信ストレージ管理情報と同様に、IDにワイルドカードを使用して、管理情報のエクスポートコマンドを実行します。

    utls3infomanage export -t rcv *.system01 -i info.json -o info.json

    管理情報のエクスポートコマンドの詳細は、「管理情報のエクスポートコマンド」を参照してください。

     

  3. エクスポートの出力ファイル「info.json」をエディターソフトで開いて内容を確認し、エンドポイントのURLの値を編集します。

    1. および 2.で指定した、出力ファイル「info.json」をエディターソフトで開き、IDごとの管理情報を確認します。

    ファイルの構造については、「入出力ファイルのデータ構造」を参照してください。

     

    ここでは例として、以下の配信ストレージ管理情報の値の編集について説明します。

    表D.22 配信ストレージ管理情報の変更前と変更後の設定値の例

    配信ストレージ管理情報の項目名

    変更前の設定値

    変更後の設定値

    登録有無

    配信ストレージ管理情報ID

    bucket01.system01

    bucket01.system01

    バケット名

    未設定

    未設定

    ストレージタイムアウト

    600

    600

    1転送あたりの最大並列数

    10

    10

    パートサイズ

    10

    10

    使用リージョン(*1)

    us-east-1

    us-east-1

    エンドポイントのURL(*1)

    未設定

    https://bucket.vpce-1a2b3c4d-5e6f.s3.us-east-1.vpce.amazonaws.com

    ストレージ認証情報ID

    auth-id

    auth-id

    :

    設定値を変更して登録する項目

    :

    設定値を登録しない項目

    *1

    :

    Amazon S3の場合のみ設定できます。

     

    エクスポートの出力ファイルをエディターソフトで開くと、以下のようにエクスポートされた情報を確認することができます。

    …
    {
            "id": "bucket01.system01",
            "timeout": 600,
            "parallels": 10,
            "partsize": 10,
            "default_region": "us-east-1",
            "auth_id": "auth-id"
    },
    …
    

    エンドポイントのURLの記載を追加します。

    …
    {
            "id": "bucket01.system01",
            "timeout": 600,
            "parallels": 10,
            "partsize": 10,
            "default_region": "us-east-1",
            "endpoint_url": "https://bucket.vpce-1a2b3c4d-5e6f.s3.us-east-1.vpce.amazonaws.com",
            "auth_id": "auth-id"
    },
    …
    

    上記のように、他の配信ストレージ管理情報および集信ストレージ管理情報について、エンドポイントのURLの値を追加または修正します。

     

  4. 管理情報のインポートコマンド(utls3infomanage)を使用して、ストレージ管理情報のインポートを行います。

    3. で編集したファイル「info.json」を使用して、既存の配信ストレージ管理情報および集信ストレージ管理情報を一括で更新します。

    utls3infomanage import -i info.json -r

    管理情報のインポートコマンドの詳細は、「管理情報のインポートコマンド」を参照してください。

     

    管理情報のインポートコマンドを実行すると、管理情報のIDごとにインポートされたデータの登録確認が行われます。

    3. で示した配信ストレージ管理情報の場合、以下のようなリストが表示されます。

    The Send Storage Management Information "bucket01.system01" will be registered.
    Bucket:            Use the default value.
    Timeout:           600
    Parallels:         10
    Part Size:         10
    Default Region:    us-east-1
    Endpoint:          https://bucket.vpce-1a2b3c4d-5e6f.s3.us-east-1.vpce.amazonaws.com
    Auth ID:           auth-id

    エンドポイントのURLのみ値が変更されて、その他の値が変更前の値のままなことを確認します。

    管理情報のインポートコマンドで「-f」または「--force」を指定しなかった場合、以下の確認メッセージが表示されます。

    Are you sure to register? [y/n]:

    確認メッセージの表示後に、“y”または”Y”を入力し、ストレージ管理情報の登録コマンドを実行します。

    更新しない管理情報は、“n”または”N”を入力することで、登録をスキップすることができます。

    なお、既存の管理情報を更新する場合は、管理情報のインポートコマンドのパラメーターで「-r」または「-f」を必ず指定してください。

    指定しないと、管理情報の上書きに失敗します。

 

これで、既存のストレージ管理情報に登録されている値を変更し、一括で上書きすることができます。