オブジェクトストレージからダウンロードするときのHULFTの機能制限
配信ファイルをオブジェクトストレージからダウンロードする場合、オブジェクトストレージから配信側ホストまでの転送にはHTTPSプロトコルが、配信側ホストから集信側ホストまでの転送にはHULFTの転送方式が使用されます。
そのため、HULFTのファイル転送に関する設定は、原則として配信側ホストと集信側ホストの転送にのみ適用され、オブジェクトストレージからのダウンロードには適用されません。
このため、オブジェクトストレージからのダウンロードする場合、HULFTのファイル転送に関する機能の一部について制限が発生します。ここでは、HULFTの機能制限について説明します。HULFT クラウドストレージオプションの機能制限については「オブジェクトストレージの機能制限」を参照してください。
チェックポイント再配信
チェックポイント再配信はできません。
再配信要求コマンドまたは再送要求コマンドでチェックポイントから再送信するように指定しても、配信ファイルは先頭から再配信されます。
簡易転送
オブジェクトストレージから配信ファイルをダウンロードする簡易転送はサポート対象外です。
配信ファイルの扱い
配信管理情報のファイル名に“://”を含むファイル名を指定した場合、配信管理情報の配信ファイルの扱いには“K(保存)”を指定してください。
“K(保存)”以外を指定した場合、転送エラーになります。
転送エラー
転送エラーが発生する場合、または発生した場合の動作は以下のとおりです。
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配信中にオブジェクトストレージの内容が変更された場合は転送エラーになります。
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転送エラーが発生したかどうかは配信履歴で確認できます。また、ダウンロード処理の途中でエラーが発生した場合、再配信待ち状況一覧の全レコード件数が「999,999,999」になります。
キャンセルが実行されるタイミング
ダウンロード中にキャンセルを実行すると、キャンセルが完了するまでに時間がかかる場合があります。
また、この待機時間中に転送をキャンセルした場合、すぐにキャンセルされません。同時ダウンロード数に空きが出てダウンロードが再開された後に、転送のキャンセルが実行されます。
オブジェクトの排他制御
オブジェクトストレージ上のオブジェクトは、ディスク上のファイルとは異なり排他制御できません。
そのため、HULFTでは、以下のタイミングで配信するオブジェクトが置き換わったり削除されたりしていないかをチェックしています。
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並列ダウンロードの各パートの処理終了時
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ダウンロード処理の終了時
ダウンロード処理中にオブジェクトが変更または削除された場合、配信側ホストでエラーとなっても、集信側ホストでは正常終了している場合があります。
配信側ホストのコンソールログまたはトレースログに以下のエラーが通知された場合は、集信側ホストの対応するデータを確認してください。
配信側ホストがWindowsの場合(コンソールログ) |
: |
E366003 |
配信側ホストがLinuxの場合(トレースログ) |
: |
E3038003 |
同一集信ファイルへのダウンロード
1つの集信ファイルに同時に複数ダウンロードを実施すると、タイムアウトまで転送中のままとなります。
また、転送キャンセルも行えません。
このため、1つの集信ファイルには同時に複数のダウンロードを実施しないでください。