オブジェクトストレージにアップロードするときのHULFTの機能制限
集信ファイルをオブジェクトストレージにアップロードする場合、配信側ホストから集信側ホストまでの転送にはHULFTの転送方式が、集信側ホストからオブジェクトストレージまでの転送にはHTTPSプロトコルが使用されます。
そのため、HULFTのファイル転送に関する設定は、原則として配信側ホストと集信側ホストの転送にのみ適用され、オブジェクトストレージへのアップロードには適用されません。
このため、オブジェクトストレージにアップロードする場合、HULFTのファイル転送に関する機能の一部について制限が発生します。ここでは、HULFTの機能制限について説明します。オブジェクトストレージの機能制限については「オブジェクトストレージの機能制限」を参照してください。
チェックポイント再配信
チェックポイント再配信はできません。
再配信要求コマンドまたは再送要求コマンドでチェックポイントから再送信するように指定しても、配信ファイルは先頭から再配信されます。
パーミッション
集信ファイルのオーナー、グループ、およびその他のメンバーの権限に設定された値は無効となります。
このため、集信管理情報のオーナー名、グループ名、およびその他のメンバーに設定した値は使用されません。
オブジェクトの排他制御
オブジェクトストレージ上のオブジェクトはディスク上のファイルとは排他制御の扱いが異なるため、システム動作環境設定の集信オープンモードの設定は使用されません。
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転送中に集信ファイルに指定したオブジェクトに対して、オブジェクトストレージ上で何らかの操作を実施した場合、集信ファイルが正しく作成されない場合があります。
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1つの集信ファイル(オブジェクト)に対して複数の転送を同時に実施した際、集信ファイルが正しく作成されない場合があります。
コネクションリトライ
オブジェクトストレージへの接続に失敗したときのリトライの設定は、それぞれのクラウドベンダーが提供しているSDKの仕様に従うため、システム動作環境設定の以下の項目の設定は使用されません。
機種 |
項目 |
---|---|
Windows |
コネクションリトライ回数(retrycnt) |
Linux |
ソケット接続リトライ回数(retrycnt) |
集信後ジョブの環境変数
集信後ジョブの環境変数「$FILENAME」はクラウドストレージにアップロードするためのパスに変換されるため、その値を使用して集信ファイルをディスク上のファイルのように扱うことはできません。
アップロードしたオブジェクトを集信後ジョブで操作するには、ジョブ起動情報に登録されている起動ジョブの見直しが必要な場合があります。
アップロード可能なファイルサイズ
1回の転送でアップロード可能なファイルサイズは50000MBになります。
キャンセルが実行されるタイミング
アップロード中にキャンセルを実行すると、キャンセルが完了するまでに時間がかかる場合があります。