クライアント登録ユーティリティ

HULFTをHULFT-HUB Serverの収容クライアントとして登録します。

(1) 使用方法

utlhubclientreg -h hostname[:servicename] -o obsport [-u userid:passwd]
   [-C {1 | 2 | 3}] [-H hosttype] [-r recvport] [-v version] [-k knjcode] [-j jisyear]
   [-N Nickname] [-S {0 | 1}]
utlhubclientreg -f filename [-c {e | s | 8}]

(2) パラメータ説明

-h hostname[:servicename]

HULFTのホスト名およびサービス名(省略不可)

登録するHULFTのホスト名およびサービス名を指定します。

ホスト名は44バイト以内の英数字および「-(ハイフン)」、「.(ピリオド)」で指定してください。

サービス名は、同一ホスト上に複数のHULFTが起動している場合の識別のためにHULFT-HUBシステムが使用する名称です。同一ホスト上で重複しない名称を100バイト以内の英数字で指定してください。

servicenameを省略した場合、サービス名は空白で登録されます。

-o obsport

要求受付ポートNo.(省略不可)

登録するHULFTのシステム動作環境設定に設定されている要求受付ポートNo.を1~65535の範囲で指定します。

[-u userid:passwd]

ユーザIDおよびパスワード(省略可)

登録するHULFTに接続するためのユーザIDとパスワードを指定します。HULFTがパスワードチェック機能を設定している場合は省略できません。

[-C {1 | 2 | 3}]

クライアント種別(省略可)

HULFTを管理対象クライアントとして登録するかどうかを以下の中から指定します。

1

: 管理対象クライアントとして登録

2

: 管理対象外(中継あり)クライアントとして登録

3

: 管理対象外(中継なし)クライアントとして登録

省略した場合は管理対象クライアントとして登録します。

[-H hosttype]

ホスト種(省略可)

登録するHULFTのホスト種を以下の中から指定します。

H

: Mainframe

U

: UNIX/Linux

N

: WindowsNT

A

: IBMi

W

: Windows

省略した場合は登録するHULFTから情報を取得します。

ただしクライアント種別に“2”または“3”を指定した場合は省略できません。

[-r recvport]

集信ポートNo.(省略可)

登録するHULFTのシステム動作環境設定に設定されている集信ポートNo.を1~65535の範囲で指定します。

省略した場合は登録するHULFTから情報を取得します。

ただし以下のいずれかの場合は省略できません。

  • クライアント種別に“2”または“3”を指定した場合
  • ホスト種に“H”を指定した場合、または-hで指定したホスト名の機種がMainframeだった場合
[-v version]

バージョン情報(省略可)

登録するHULFTのバージョン情報をVxxLyyRzzの形式で指定します。xxにバージョン、yyにレベル、zzにリビジョンを2バイトで指定します(バージョン、レベル、リビジョンが1バイトの場合は前に“0”を付けます)。

Ver.8.0.0の場合の指定例:

-v V08L00R00

 

省略した場合は登録するHULFTから情報を取得します。

ただし以下のいずれかの場合は省略できません。

  • クライアント種別に“2”または“3”を指定した場合
  • ホスト種に“H”を指定した場合、または-hで指定したホスト名の機種がMainframeだった場合
  • クライアントがHULFT Ver.5の場合
[-k knjcode]

漢字コード種(省略可)

登録するHULFTの漢字コード種を以下の中から指定します。

S

: SHIFT-JIS

J

: JEF

E

: EUC-JP

I

: IBM漢字

K

: KEIS

N

: NEC漢字

8

: UTF-8

G

: GB18030

C

: IBM簡体字

= 備考 =

漢字コード種には、登録するHULFTがVer.8.1未満の場合は当該クライアントの自機種コード、Ver.8.1以降の場合は当該クライアントのシステム動作環境設定の「転送コードセット」の値を指定してください。

ホスト種とバージョンによって、指定可能な漢字コード種が決まっています。

表3.7 ホスト種、漢字コード種、バージョンの関係

ホスト種 漢字コード種 バージョン
5.x.x 6.x.x 7.x.x 8.0.x 8.1.x 8.2.x 8.4.x

H(Mainframe)

I(IBM漢字)

×

J(JEF)

×

×

K(KEIS)

×

×

×

×

×

N(NEC漢字)

×

×

×

×

×

×

8(UTF-8)

×

×

×

×

○*1

○*1

U(UNIX/Linux)

S(SHIFT-JIS)

×

E(EUC-JP)

×

8(UTF-8)

×

×

×

G(GB18030)

×

×

×

×

×

N(WindowsNT)

S(SHIFT-JIS)

×

8(UTF-8)

×

×

×

×

×

G(GB18030)

×

×

×

×

×

A(IBMi)

I(IBM漢字)

×

×

8(UTF-8)

×

×

×

×

×

C(IBM簡体字)

×

×

×

×

×

W(Windows)

S(SHIFT-JIS)

×

×

×

×

: 指定可
× : 指定不可
*1 : ホスト種がH(Mainframe)の場合、漢字コード種に“8”(UTF-8)を指定できるのはHULFT8 for zOSだけです。

省略した場合は登録するHULFTから情報を取得します。

ただし以下のいずれかの場合は省略できません。

  • クライアント種別に“2”または“3”を指定した場合
  • ホスト種に“H”を指定した場合、または-hで指定したホスト名の機種がMainframeだった場合で、登録するHULFTのバージョンがVer.6.3.0未満
[-j jisyear]

JIS年度(省略可)

登録するHULFTの漢字コード種が日本語の場合、その漢字コード種のJIS年度を以下の中から指定します。

78

: JIS78

83

: JIS83、JIS90

省略した場合は登録するHULFTから情報を取得します。

ただし以下のいずれかの場合は省略できません。

  • クライアント種別に“2”または“3”を指定した場合
  • ホスト種に“H”を指定した場合、または-hで指定したホスト名の機種がMainframeだった場合
[-N Nickname]

通知ホスト名(省略可)

ファイル転送の相手ホストとして通知される名称を指定します。

44バイト以内の英数字および「-(ハイフン)」、「.(ピリオド)」で指定してください。

省略した場合は、ホスト名を置換しません。

ただしクライアント種別に“3”を指定した場合は指定できません。

[-S {0 | 1}]

高強度暗号強制モード(省略可)

登録するクライアントの高強度暗号強制モードを指定します。

0

: 無効

1

: 有効

クライアント種別に"2"、バージョン情報に“V08L04R00”以降を指定した場合のみ指定できます。

省略した場合は“0”として登録します。

-f filename

パラメータファイル名(省略不可)

CSV形式のパラメータファイルから情報を読み込んで複数のホストを一括して登録します。

パラメータファイルの形式については「(7) パラメータファイルの形式」を参照してください。

[-c {e | s | 8}]

文字コード(省略可)

パラメータファイルの文字コードを指定します。

e

: EUC

s

: SHIFT-JIS

8

: UTF-8

省略した場合は、HULFT-HUB Serverのシステム動作環境設定の「漢字コード種(KnjCode)」の値が使用されます。

注意

HULFT-HUB Server for Windowsでは“-c 8”(UTF-8)のみ指定できます。

“-c”パラメータを省略した場合は、Windowsのシステムロケールに合わせてコードセットを自動的に決定します。

(3) 完了コード

0

: 正常に処理されました。

10

: オプションの指定に誤りがあります。

11

: 終了指示を検知しました。

12

: メモリーの確保に失敗しました。

13

: システムエラーが発生しました。

50

: クライアントはすでに登録されています。

60

: クライアント登録時にエラーが発生しました。

101~

: SQLエラーが発生しました。

(4) ユーティリティ使用上の注意点

ユーティリティを使用する上での動作環境については、「ユーティリティ(コマンド)実行時の注意点」を参照してください。

本ユーティリティでは、以下のことにも注意してください。

  • ホスト種、漢字コード種、要求受付ポートNo.、集信ポートNo.、バージョン情報、管理対象外(中継あり)クライアントの高強度暗号強制モードを指定する場合、登録するHULFTの情報を正しく指定してください。

  • 登録済みのクライアントと重複しないホスト名/サービス名を指定してください。本ユーティリティで登録済みのクライアントの設定を更新することはできません。

    パラメータファイルを指定して複数のホストを登録する際、登録済みのクライアントと未登録のクライアントが混在していた場合は、未登録のクライアントのみ登録されます。

  • 1つのクライアントをHULFT-HUBシステム内の複数のサーバに管理対象クライアントとして登録しないでください。

(5) 出力例

0000:0000 WIN01:v7                                                              
0000:0000 ux02x64:v7(solaris)
    1)            2)

図3.7 クライアント登録ユーティリティの出力例(パラメータファイル指定時)

(6) 表示項目

出力例中の各項目について説明します。

表3.8 クライアント登録ユーティリティの表示項目

No. 説明

1)

完了コード:詳細コード(表3.9 参照)

2)

配布先のホスト名:サービス名(表示名)

表3.9 クライアント登録ユーティリティの完了コードと詳細コード

完了コード

詳細コード

エラー原因

対処方法

0001

XXXX

HULFTへの処理でエラーが発生しました。

「各種コード」「(1) hubmgrdの完了コードと詳細コード」に基づいて対応してください。

0005

0006

0011

0012

0013

0014

0015

0016

0017

0018

0022

0023

8000

8001

8003

9998

(7) パラメータファイルの形式

複数のファイルを一括して登録する際のパラメータファイルは、CSV形式で1行に1ホストの情報を記載します。指定する項目は以下のとおりです。

表3.10 各項目の説明

タイトル

説明

省略値

設定可能な値

最大長

指定

1

composition-title

構成種別

client

20

必須

2

ServerName

管理元サーバのホスト名

(*1)

68

任意

3

ServerServiceName

管理元サーバのサービス名

(*1)

100

任意

4

HostName

クライアントのホスト名

英数字および「-」、「.」

(*2)

必須

5

DomainName

クライアントのドメイン名

英数字および「-」、「.」

(*2)

任意

6

HostServiceName

クライアントのサービス名

(空白)

英数字

100

任意

7

DispName

クライアントの表示名

(空白)

文字

256

任意

8

ManagementClient

管理対象クライアント

1

1

:

管理対象クライアント

2

:

管理対象外(中継あり)クライアント

3

:

管理対象外(中継なし)クライアント

1

任意

9

HostType

ホスト種

 

H

:

Mainframe

U

:

UNIX

N

:

NT

A

:

IBMi

W

:

Windows

1

任意

10

ProductType

製品種別

8

8

:

HULFT8

7

:

HULFT7

6

:

HULFT Ver.6

5

:

HULFT Ver.5

4

:

HULFT-SAN Ver.6

3

:

HULFT-SAN(F)/plus Ver.5

2

:

HULFT Ver.5未満

1

:

HULFT-BB Client Ver.6

0

:

HULFT-PPP Client Ver.5

1

任意

11

UserIdNotify

ユーザの通知

0

0

:

通知しない

1

:

通知する

1

任意
(*6)

12

KanjiCodeType

漢字コード種

 

S

:

S-JIS

J

:

JEF

E

:

EUC

I

:

IBM漢字

K

:

KEIS

N

:

NEC漢字

8

:

UTF-8

G

:

GB18030

C

:

IBM簡体字

1

任意
(*3)

13

JISYear

JIS年度

83

78

:

JIS78

83

:

JIS83,JIS90

2

任意
(*4)

14

ReceivePortNo

集信ポートNo.

30000

1~65535

5

任意
(*4)

15

OBSPortNo

要求受付ポートNo.

31000

1~65535

5

必須

16

ReceiveOverRetry

集信多重度オーバー時の
サーバリトライ

1

0

:

リトライしない

1

:

リトライする

1

任意

17

ConnectUserId

ユーザID

(空白)

英数字

20

任意

18

ConnectPassword

パスワード

(空白)

英数字

14

任意

19

ConnectId

接続ID

(空白)

文字

16

任意

20

Comment

コメント

(空白)

文字

60

任意

21

Nickname

通知ホスト名

(空白)

英数字および「-」、「.」

68

任意
(*5)

22

StrongkeyMode

高強度暗号強制モード

0

0: 無効

1: 有効

1

任意

(*7)

*1 : 管理元サーバの指定は無視され、本ユーティリティを実行したHULFT-HUB Serverに登録されます。
*2 :

「クライアントのドメイン名(DomainName)」を省略する場合、「クライアントのホスト名(HostName)」は44バイト以内で指定してください。

「クライアントのドメイン名(DomainName)」を指定する場合、ホスト名+"."+ドメイン名の全体が44バイトを超えないようにしてください。

*3 :

以下のいずれかの場合は省略できません。

  • 「管理対象クライアント(ManagementClient)」に“2”または“3”を指定した場合
  • 「ホスト種(HostType)」に“H”を指定した場合、または「クライアントのホスト名(HostName)」と「クライアントのドメイン名(DomainName)」で指定したホストの機種がMainframeだった場合で、登録するHULFTのバージョンがVer.6.3.0未満
*4 :

以下のいずれかの場合は省略できません。

  • 「管理対象クライアント(ManagementClient)」に“2”または“3”を指定した場合
  • 「ホスト種(HostType)」に“H”を指定した場合、または「クライアントのホスト名(HostName)」と「クライアントのドメイン名(DomainName)」で指定したホストの機種がMainframeだった場合
*5 :

「管理対象クライアント(ManagementClient)」に“3”を指定した場合は指定できません。

*6 :

HULFT-HUBはサーバ上に値を保持していないため、この項目は使用されません。ユーザIDを通知するかどうかは以下のユーティリティのパラメータでその都度指定してください。

  • 配信要求ユーティリティ/再配信要求ユーティリティ(utlhubreqsend)
  • 送出指示ユーティリティ(utlhubsend)
*7 :

「管理対象クライアント(ManagementClient)」に“2”、「製品種別(ProductType)」に“8”を指定した場合のみ指定できます。

項目の囲み文字は「"(ダブルクォーテーション)」、区切り文字は「,(カンマ)」です。

= 備考 =
  • 囲み文字の「"(ダブルクォーテーション)」は省略可能です。

    ただしデータ中に「"(ダブルクォーテーション)」または「,(カンマ)」を含む場合は省略できません。さらに、データ中の「"(ダブルクォーテーション)」は「""」と記載してください。

  • 項目の先行スペースおよび中間のスペースはそのまま読み込まれますが、後続スペースはカットされます。

"composition-title","ServerName","ServerServiceName","HostName","DomainName","Ho
stServiceName","DispName","ManagementClient","HostType","ProductType","UserIdNot
ify","KanjiCodeType","JISYear","ReceivePortNo","OBSPortNo","ReceiveOverRetry","C
onnectUserId","ConnectPassword","ConnectId","Comment","Nickname","StrongkeyMode"
"client","","","HQ01UX","","","本社クライアント","1","U","7","0","E","83","30000
","31000","1","","","","","",""
"client","","","WIN01","","","","1","W","7","0","S","83","30000","31000","1", ""
,"","","","",""
"client","","","XYZUNX","","","XYZ社クライアント","2","U","8","0","8","83","3000
0","31000","1","","","","","","1"

図3.8 クライアント登録用パラメータファイルの記述例