転送速度優先モードと異常検知優先モード

(1) 電文転送タイプとデータ転送方式

HULFT Ver.7以降では、データ転送方法に転送速度優先モードと異常検知優先モードを選択できます。

転送速度優先モードでは、配信側クライアントは集信側クライアントからの受信結果の通知を待たずにデータを転送します。転送速度優先モードを使用すると、高速なネットワーク環境、大容量のデータ転送における転送速度の向上が図れます。

HULFT Ver.6以前の転送方法である異常検知優先モードは、集信側クライアントからのデータ転送確認を待って次のデータを転送するため、転送速度は転送速度優先モードに比べ遅くなりますが、異常発生時の検知は早くなります。

図2.91 転送速度優先モードと異常検知優先モード

転送速度優先モードでは、異常検知優先モードと比べて集配信時のリソースの使用率が変化します。また、転送異常検知のタイミングやキャンセル受付のタイミングが遅くなる場合があります。詳細はHULFT Ver.7以降の「アドミニストレーション・マニュアル」を参照してください。

(2) 転送条件とデータ転送方式

HULFT-HUB Serverを経由した転送では、転送形態と蓄積条件によって転送ごとに適切なデータ転送方式が選択されます。そのため、配信側クライアントと集信側クライアントがともに転送速度優先モードに設定されていても、条件によっては異常検知優先モードに変更されて転送が行われます。転送形態、蓄積条件とデータ転送方式の組み合わせについては以下の表を参照してください。

表2.13 転送形態、蓄積条件と転送モード

転送形態

蓄積条件

データ転送方式

中継

蓄積しない

電文転送タイプの設定

蓄積のみ

電文転送タイプの設定

蓄積後に送出する

電文転送タイプの設定

転送と蓄積を同時に行う

異常検知優先モード

転送不能時に蓄積する

異常検知優先モード

同報

蓄積しない

異常検知優先モード

蓄積のみ

電文転送タイプの設定

蓄積後に送出する

電文転送タイプの設定

転送と蓄積を同時に行う

異常検知優先モード

転送不能時に蓄積する

異常検知優先モード

= 備考 =

HULFT-HUB ServerまたはHULFTの下位バージョンが混在する場合については、「HULFT-HUB 新機能・非互換説明書」の動作制限の説明を参照してください。

図2.92 転送形態、蓄積条件と転送モードの組み合わせ例