ジョブフローの種類

ジョブフローは、起動方法別にスケジューラ起動とイベント待ち起動の2種類に分かれます。さらに、イベント待ち起動は蓄積待ち起動、ファイル待ち起動、およびユーティリティ待ち起動に分かれます。それぞれのジョブフローの種類について、次に説明します。

(1) スケジューラ起動

指定した日時に起動するジョブフローです。日付と時刻を個別に指定できます。日付の指定方法には以下のものがあります。

  • 指定した年月日

  • 毎日

  • 毎週の指定した曜日

  • 毎月の指定した日

また、除外日を指定すると、その日にはジョブフローを実行しないように設定できます。

(2) 蓄積待ち起動

HULFT-HUB Serverに特定のファイルが蓄積されたタイミングで起動するジョブフローです。ファイルの蓄積時に発生した蓄積完了通知が、蓄積待ちしているファイルからの通知である場合、ジョブフローはその通知を受信して起動します。蓄積完了通知とは、ファイルの蓄積が完了したことをジョブフローに伝えるための通知です。

蓄積待ちファイルの指定方法には、任意指定と動的指定があります。それぞれの指定方法の違いを次に示します。

任意指定

ジョブフローで蓄積待ちするファイルを明示的に指定する指定方法です。ジョブフローは、指定された蓄積完了通知だけを受け取ります。

なお、任意指定の場合、対象の蓄積ファイルを複数指定することもできます。この場合、指定したすべてのファイルが蓄積されたタイミングでジョブフローが起動します。

たとえば、次のように設定したとき、ジョブフロー「JF001」は「ホスト名:MYHOST、サービス名:S001、ファイルID:001」から蓄積完了通知を受け取ったときだけに起動します。他の蓄積完了通知は受け取りません。

転送情報の設定

「ホスト名:MYHOST、サービス名:S001、ファイルID:001」の転送情報で、ジョブフロー「JF001」に蓄積完了通知をするように設定します。

図2.47 転送情報画面(ジョブフロー設定)

ジョブフローの設定

ジョブフロー「JF001」の蓄積待ちプロパティ画面で蓄積ファイルを任意指定で設定し、「ホスト名:MYHOST、サービス名:S001、ファイルID:001」からの蓄積完了通知だけを受け取るように設定します。

図2.48 蓄積待ちのプロパティ画面(任意指定)

なお、転送情報で指定したジョブフローIDが定義されていなかった場合はエラーとなります。

動的指定

ジョブフローで蓄積待ちするファイルを動的に指定する指定方法です。ジョブフローに通知されたどの蓄積完了通知でも受け取ることができます。

なお、動的指定の場合、複数のファイルを待つことができません。単一ファイルが蓄積されたタイミングで、ジョブフローが起動します。

たとえば、次のように設定した場合、ジョブフロー「JF001」は以下のどちらから蓄積完了通知を受け取った場合にも起動します。

  • ホスト名:MYHOST、サービス名:S001、ファイルID:001

  • ホスト名:MYHOST、サービス名:S001、ファイルID:002

転送情報の設定

以下の2つの転送情報で、ジョブフロー「JF001」に蓄積完了通知をするように設定します。

「ホスト名:MYHOST、サービス名:S001、ファイルID:001」の転送情報

図2.49 転送情報画面(ジョブフロー設定)

「ホスト名:MYHOST、サービス名:S001、ファイルID:002」の転送情報

図2.50 転送情報画面(ジョブフロー設定)

ジョブフローの設定

ジョブフロー「JF001」の蓄積待ちプロパティ画面で、どの転送から送られた蓄積完了通知でも受け取れるように、蓄積ファイルを動的指定で設定します。

図2.51 蓄積待ちのプロパティ画面(動的指定)

なお、転送情報で指定したジョブフローIDが定義されていなかった場合はエラーとなります。

注意
  • 任意指定の場合、ジョブフロー内に他の蓄積待ちアイコンを配置できますが、同一蓄積ファイルの二重指定はできません。二重指定をした場合は、整合性チェック時にエラーとなります。

  • 動的指定の場合、ジョブフロー内に他の蓄積待ちアイコンを配置できません。複数の蓄積待ちアイコンを指定した場合は、整合性チェック時にエラーとなります。

  • 転送情報を作成するとき、経路設定に「HUB経由HULFT同報」を設定しないことをお勧めします。「HUB経由HULFT同報」を設定すると、設定内容によってはジョブフローが正しく動作しない可能性があるためです。

(3) ファイル待ち起動

HULFT-HUB Serverがファイルの存在を確認したタイミングで起動するジョブフローです。対象のファイルには、HULFT-HUB Serverが導入されているOS上で参照可能なファイルを指定します。

対象のファイルを複数指定することもできます。この場合、指定されたすべてのファイルの存在を確認したタイミングでジョブフローが起動します。

ファイル待ち起動のジョブフローがあると、ファイルの存在を確認するために、一定間隔でHULFT-HUB Serverがファイルを監視しています。また、存在が確認された場合でも、ファイルが更新または削除されることがあるため、存在確認後の一定期間内にファイルに差異が発生していないことを確認してからファイルの存在を確定します。ファイルの存在を確認する間隔を「監視間隔」、差異の有無を確認する間隔を「確定待ち時間」で指定します。各項目の設定方法はHULFT-HUB Managerのオンラインヘルプを参照してください。

ファイル待ち起動のジョブフローで、ファイルの存在を確認し、確定するまでの流れを次に示します。

図2.52 ファイル存在確定の流れ

注意
  • ファイル待ち起動のジョブフローでは、ジョブフロー終了時点で次のファイル監視を開始します。そのため、一度監視したファイルを削除または移動しないと、同じファイルの存在監視を繰り返し行ってしまいます。

    ファイル待ち起動のジョブフローを作成する場合は、一度監視したファイルを削除または移動するジョブステップを必ず作成してください。

  • ファイル待ち起動のジョブフローでは、アクティブにできるジョブフロー数に制限があります。最大99個までアクティブにできます。

(4) ユーティリティ待ち起動

イベント通知ユーティリティ(utljfevnt)による起動通知を受けたタイミングで起動するジョブフローです。イベント通知ユーティリティ(utljfevnt)については、「HULFT-HUB Server マニュアル」を参照してください。