コネクションの確立方法

(1) 管理コネクションの確立方法

HULFT-HUB Managerからの要求をHULFT-HUB Serverやクライアントに送信する場合、最短経路によって確立した管理コネクションを使用します。

管理コネクションは、ユーザがHULFT-HUB ManagerにログインしたときにHULFT-HUB ManagerとそれぞれのHULFT-HUB Server間で確立し、ログアウトするまで保持されます。

ログインに失敗した場合は、HULFT-HUB Managerからユーザがログインを再試行する必要があります。

注意

ログイン時に確立したコネクションが切断された場合も、ログインに失敗したときと同様に、ユーザが再確立操作を行う必要があります。

= 備考 =

ログイン失敗理由として以下のような事象が考えられます。

  • 経路途中のHULFT-HUB Server停止

  • 経路途中の回線停止

  • ユーザ認証エラー

下図に管理コネクション確立の流れを示します。

図2.78 管理コネクション確立の流れ

(2) ファイル転送コネクションの確立方法

ファイル転送は、HULFT-HUB Managerからクライアントに対して行う配信要求や送信要求の発行指示を契機に実施されます。HULFT-HUB Managerからクライアントへの指示は、管理コネクションを使用して行います。

管理元のHULFT-HUB Serverから指示を受け付けたクライアントは、HULFT-HUB Managerの転送情報画面で定義した経路(自動設定経路またはユーザ選択経路)でファイル転送コネクションを確立して転送を行い、転送終了時に切断します。

ファイル転送コネクション確立の流れの概要について、以下のとおり説明します。

自動設定経路による単一配信の例

以下の設定を実現する手順を、下図で説明します。

  • クライアント「HOST1」からクライアント「HOST2」へのファイル転送

  • 転送を中継するHULFT-HUB Serverおよび経路を「自動配置」とする

図2.79 ファイル転送コネクション確立の流れ(自動設定経路による単一配信の場合)

1. 配信側クライアント「HOST1」から管理元サーバ「ServerA」への接続

「HOST1」は、詳細ホスト情報の「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」で指定された管理元サーバ「ServerA」に接続します。

このとき、配信管理情報から、ファイルID「FILE01」の宛先「HOST2」の情報を「ServerA」に通知します。

注意

HULFT-HUBのクライアントは、HULFT-HUBネットワークに接続するため、詳細ホスト情報の「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」を使用します。

「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」は、HULFT-HUB ManagerでHULFT-HUB Serverを経由する転送の情報を定義したとき自動的に設定されます。

詳細はHULFT-HUB Managerのオンラインヘルプを参照してください。

2. 接続先HULFT-HUB Serverを決定

「ServerA」は自ホストのTCP/IPに関するホスト定義(hostsファイルやDNSサーバなど)を参照し、「HOST2」のIPアドレスを取得します。

次に、経路情報から「HOST2」と同一セグメントのHULFT-HUB Server「ServerB」を「HOST2」の管理元サーバと特定します。

3. 「ServerA」から集信側クライアント「HOST2」の管理元サーバ「ServerB」への接続

HULFT-HUB Server「ServerA」からHULFT-HUB Server「ServerB」に接続します。

このとき、ファイルID「FILE01」の宛先「HOST2」の情報を「ServerB」に通知します。

4. 収容クライアント「HOST2」の確認

「ServerB」は収容クライアント情報を参照し「HOST2」が収容クライアントであることを確認します。

5. 集信側クライアント「HOST2」とのコネクション確立

「ServerB」は「HOST2」に接続します。

上記1.~5.の手順で確立したコネクションを使用して、データの配信を開始します。

ユーザ選択経路による単一配信の例

以下の設定を実現する手順を、下図で説明します。

  • クライアント「HOST1」からクライアント「HOST2」へのファイル転送

  • 転送を中継するHULFT-HUB Serverおよび経路を「手動配置」とする

図2.80 ファイル転送コネクション確立の流れ(ユーザ選択経路による単一配信の場合)

1. 配信側クライアント「HOST1」から管理元サーバ「ServerA」への接続

「HOST1」は、詳細ホスト情報の「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」で指定された管理元サーバ「ServerA」に接続します。

このとき、配信管理情報から、ファイルID「FILE01」を「ServerA」に通知します。

注意

HULFT-HUBのクライアントは、HULFT-HUBネットワークに接続するため、詳細ホスト情報の「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」を使用します。

「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」は、HULFT-HUB ManagerでHULFT-HUB Serverを経由する転送の情報を定義したとき自動的に設定されます。

詳細はHULFT-HUB Managerのオンラインヘルプを参照してください。

2. 接続先HULFT-HUB Serverの決定

「ServerA」は転送に関する情報(転送情報および転送先ホスト情報)からファイルID「FILE01」の宛先ホスト名「ServerC」を取得します。

3. 接続先ホスト名、IPアドレスの取得

「ServerC」に接続するための経路情報を参照し、それに従って、次に接続するホスト(例の場合は「ServerC」)のIPアドレスを自ホストのTCP/IPに関するホスト定義(hostsファイルやDNSサーバなど)から取得します。

4. 「ServerA」から「ServerC」への接続

3.のIPアドレスを使用して、HULFT-HUB Server「ServerA」からHULFT-HUB Server「ServerC」に接続します。

このとき、ファイルID「FILE01」を「ServerC」に通知します。

5. 宛先ホスト名の取得

「ServerC」は転送情報からファイルID「FILE01」の宛先ホスト名「HOST2」を取得します。

6. 接続先HULFT-HUB Serverの決定

「ServerC」は自ホストのTCP/IPに関するホスト定義(hostsファイルやDNSサーバなど)を参照し、「HOST2」のIPアドレスを取得します。

次に、経路情報から「HOST2」と同一セグメントのHULFT-HUB Server「ServerB」を「HOST2」の管理元サーバと特定します。

7. 「ServerC」から集信側クライアント「HOST2」の管理元サーバ「ServerB」への接続

HULFT-HUB Server「ServerC」からHULFT-HUB Server「ServerB」に接続します。

このとき、ファイルID「FILE01」の宛先「HOST2」の情報を「ServerB」に通知します。

8. 収容クライアント「HOST2」の確認

「ServerB」は収容クライアント情報を参照し「HOST2」が収容クライアントであることを確認します。

9. 集信側クライアント「HOST2」とのコネクション確立

「ServerB」は「HOST2」に接続します。

上記1.~9.の手順で確立したコネクションを使用して、データの配信を開始します。

自動設定経路による同報配信の例

以下の設定を実現する手順を、下図で説明します。

  • クライアント「HOST1」からクライアント「HOST2」および「HOST3」へのファイル転送

  • 同報ポイントとなるHULFT-HUB Serverおよび経路を「自動配置」とする

図2.81 ファイル転送コネクション確立の流れ(自動選択経路による同報配信の場合)

1. 同報サーバの決定

HULFT-HUB Managerの転送マップで経路を「自動配置」とすると、最短経路の設定方法に従って、 HUBシステムが同報ポイントとなるサーバを決定します。

決定した同報サーバ「ServerB」のホスト名を、配信側クライアント「HOST1」および管理元サーバ「ServerA」上の、宛先にかかわる情報(詳細ホスト情報、転送グループID、配信管理情報)に設定します。

また、同報サーバ「ServerB」上の転送情報に宛先の情報を設定します。

2. 配信側クライアント「HOST1」から管理元サーバ「ServerA」への接続

「HOST1」は、詳細ホスト情報の「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」で指定された管理元サーバ「ServerA」に接続します。

このとき、配信管理情報から、ファイルID「FILE01」の宛先「ServerB」の情報を「ServerA」に通知します。

注意

HULFT-HUBのクライアントは、HULFT-HUBネットワークに接続するため、詳細ホスト情報の「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」を使用します。

「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」は、HULFT-HUB ManagerでHULFT-HUB Serverを経由する転送の情報を定義したとき自動的に設定されます。

詳細はHULFT-HUB Managerのオンラインヘルプを参照してください。

3. 中継処理(接続先HULFT-HUB Serverを決定)

「ServerB」に接続するための経路情報を参照し、それに従って、次に接続するホスト(例の場合は「ServerB」)のIPアドレスを自ホストのTCP/IPに関するホスト定義(hostsファイルやDNSサーバなど)から取得します。

4. 「ServerA」から「ServerB」への接続

3.のIPアドレスを使用して、HULFT-HUB Server「ServerA」からHULFT-HUB Server「ServerB」に接続します。

このとき、ファイルID「FILE01」を「ServerB」に通知します。

5. 宛先ホスト名の取得

「ServerB」は転送に関する情報(転送情報および転送先ホスト情報)から宛先ホスト「HOST2」「HOST3」のホスト名を取得します。

6. 収容クライアント「HOST2」の確認

「ServerB」は収容クライアント情報を参照し「HOST2」が収容クライアントであることを確認します。

7. 集信側クライアント「HOST2」とのコネクション確立

「ServerB」は「HOST2」に接続します。

8. 接続先HULFT-HUB Serverを決定

「ServerB」は自ホストのTCP/IPに関するホスト定義(hostsファイルやDNSサーバなど)を参照し、「HOST3」のIPアドレスを取得します。

次に、経路情報から「HOST3」と同一セグメントのHULFT-HUB Server「ServerC」を「HOST3」の管理元サーバと特定します。

9. 「ServerB」から「ServerC」への接続

HULFT-HUB Server「ServerB」からHULFT-HUB Server「ServerC」に接続します。

このとき、ファイルID「FILE01」の宛先「HOST3」の情報を「ServerC」に通知します。

10. 収容クライアント「HOST3」の確認

「ServerC」は収容クライアント情報を参照し「HOST3」が収容クライアントであることを確認します。

11. 集信側クライアント「HOST3」とのコネクション確立

「ServerC」は「HOST3」に接続します。

ユーザ選択経路による同報配信の例

以下の設定を実現する手順を、下図で説明します。

  • クライアント「HOST1」からクライアント「HOST2」および「HOST3」へのファイル転送

  • 同報ポイントとなるHULFT-HUB Serverおよび経路を「手動配置」とする

図2.82 ファイル転送コネクション確立の流れ(ユーザ設定経路による同報配信の場合)

1. 同報サーバの指定

HULFT-HUB Managerの転送マップで経路を「手動配置」とすると、同報ポイントとしたいサーバを選択できます。

HULFT-HUBシステムは、選択した同報サーバ「ServerC」のホスト名を、配信側クライアントの管理元サーバ「ServerA」上の転送情報に設定します。

また、同報サーバ「ServerC」上の転送情報に宛先の情報を設定します。

2. 配信側クライアント「HOST1」から管理元サーバ「ServerA」への接続

「HOST1」は、詳細ホスト情報の「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」で指定された管理元サーバ「ServerA」に接続します。

このとき、配信管理情報から、ファイルID「FILE01」の情報を「ServerA」に通知します。

注意

HULFT-HUBのクライアントは、HULFT-HUBネットワークに接続するため、詳細ホスト情報の「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」を使用します。

「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」は、HULFT-HUB ManagerでHULFT-HUB Serverを経由する転送の情報を定義したとき自動的に設定されます。

詳細はHULFT-HUB Managerのオンラインヘルプを参照してください。

3. 接続先HULFT-HUB Serverを決定

「ServerA」は転送に関する情報(転送情報および転送先ホスト情報)からファイルID「FILE01」の宛先ホスト名「ServerC」を取得します。

4. 中継処理(接続先HULFT-HUB Serverを決定)

「ServerC」に接続するための経路情報を参照し、それに従って、次に接続するホスト(例の場合は「ServerC」)のIPアドレスを自ホストのTCP/IPに関するホスト定義(hostsファイルやDNSサーバなど)から取得します。

5. 「ServerA」から「ServerC」への接続

4.のIPアドレスを使用して、HULFT-HUB Server「ServerA」からHULFT-HUB Server「ServerC」に接続します。

このとき、ファイルID「FILE01」を「ServerC」に通知します。

6. 接続先HULFT-HUB Serverを決定

「ServerC」は転送に関する情報(転送情報および転送先ホスト情報)から宛先ホスト「HOST2」「HOST3」のホスト名を取得します。

7. 収容クライアント「HOST3」の確認

「ServerC」は収容クライアント情報を参照し「HOST3」が収容クライアントであることを確認します。

8. 集信側クライアント「HOST3」とのコネクション確立

「ServerC」は「HOST3」に接続します。

9. 中継処理(接続先HULFT-HUB Serverを決定)

「ServerC」は自ホストのTCP/IPに関するホスト定義(hostsファイルやDNSサーバなど)を参照し、「HOST2」のIPアドレスを取得します。

次に、経路情報から「HOST2」と同一セグメントのHULFT-HUB Server「ServerB」を「HOST2」の管理元サーバと特定します。

10. 「ServerC」から「ServerB」への接続

HULFT-HUB Server「ServerC」からHULFT-HUB Server「ServerB」に接続します。

このとき、ファイルID「FILE01」の宛先「HOST2」の情報を「ServerB」に通知します。

11. 収容クライアント「HOST2」の確認

「ServerB」は収容クライアント情報を参照し「HOST2」が収容クライアントであることを確認します。

12. 集信側クライアント「HOST2」とのコネクション確立

「ServerB」は「HOST2」に接続します。

(3) 要求受付コネクションの確立方法

要求受付コネクションは、集信側クライアントからの「送信要求」あるいは「再送要求」によるファイル転送を行う場合に使用します。

HULFT-HUB Managerから集信側クライアントへの送信要求発行指示は、管理コネクションを使用して行います。管理元のHULFT-HUB Serverから指示を受け付けた集信側クライアントは、要求受付コネクションを確立し、配信側クライアントに対して「送信要求」を発行します。配信側クライアントはHULFT-HUB Managerの転送情報画面で定義した経路でファイル転送コネクションを確立して転送を行います。

送信要求(再送要求)によるファイル転送を行う際の流れの概要について、以下のとおり説明します。

送信要求による配信の例

以下の設定を実現する手順を、下図で説明します。

  • クライアント「HOST1」からクライアント「HOST2」へのファイル転送

図2.83 要求受付コネクション確立の流れ(送信要求による配信の場合)

1. 集信側クライアント「HOST2」に送信要求発行指示

HULFT-HUB Managerの転送マップで集配信のクライアントを設定し、送信要求を行います。

HULFT-HUB Managerは「HOST2」に対して、管理コネクションで接続します。

2. 集信側クライアント「HOST2」から管理元サーバ「ServerB」への接続

「HOST2」は、詳細ホスト情報の「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」で指定された管理元サーバ「ServerB」に接続します。

このとき、集信管理情報から、ファイルID「FILE01」の配信元「HOST1」の情報を「ServerB」に通知します。

注意

HULFT-HUBのクライアントは、HULFT-HUBネットワークに接続するため、詳細ホスト情報の「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」を使用します。

「PROXYサーバ名」と「PROXYポートNo.」は、HULFT-HUB ManagerでHULFT-HUB Serverを経由する転送の情報を定義したとき自動的に設定されます。

詳細はHULFT-HUB Managerのオンラインヘルプを参照してください。

3. 接続先HULFT-HUB Serverを決定

「ServerB」は自ホストのTCP/IPに関するホスト定義(hostsファイルやDNSサーバなど)を参照し、「HOST1」のIPアドレスを取得します。

次に、経路情報から「HOST1」と同一セグメントのHULFT-HUB Server「ServerA」を「HOST1」の管理元サーバと特定します。

4. 「ServerB」から「ServerA」への接続

3.のIPアドレスを使用して、HULFT-HUB Server「ServerB」からHULFT-HUB Server「ServerA」に接続します。

このとき、ファイルID「FILE01」を「ServerA」に通知します。

5. 収容クライアント「HOST1」の確認

「ServerA」は収容クライアント情報を参照し「HOST1」が収容クライアントであることを確認します。

6. 配信側クライアント「HOST1」とのコネクション確立

「ServerA」は「HOST1」に接続します。

7. ファイル転送コネクションによる配信処理

配信側クライアント「HOST1」は、ファイル転送コネクションによってファイル転送を行います。

詳細は「(2) ファイル転送コネクションの確立方法」を参照してください。