システム管理情報のバックアップと再配布
HULFT-HUBシステムでは、HULFT-HUB Serverのシステム管理情報と、収容クライアントのシステム管理情報を、一定の間隔で自動的にバックアップして、万一のトラブルに備えることができます。
ここでは、バックアップと再配布の運用方法について説明します。
(1) バックアップと再配布の運用の流れ
システム管理情報のバックアップの取得と再配布の運用の流れについて解説します。
バックアップの運用
バックアップの運用を始める前に、まず、バックアップの対象、取得間隔、実行時刻、および世代管理方法を検討し、HULFT-HUB Serverのシステム動作環境設定に指定します。
バックアップ処理は、システム動作環境設定に基づいて自動実行されます。
HULFT-HUB Server自身と、HULFT-HUB Serverのすべての収容クライアント(管理対象クライアント)のシステム管理情報をバックアップします。また、バックアップ対象をすべてのシステム管理情報とするか、一部のシステム管理情報とするかを選択できます。
取得したバックアップは、取得日付で識別して管理されます。
詳細については、「(2) システム管理情報のバックアップ」を参照してください。
バックアップの運用イメージを、次の図に示します。

図2.111 バックアップの運用
なお、運用の必要に応じて、HULFT-HUB Serverのユーティリティを利用し、任意のタイミングでバックアップを取得したり削除したりすることもできます。
再配布の運用
再配布にはHULFT-HUB Managerの「管理情報収集配布機能」を使用します。再配布では、クライアントまたはホストグループ単位で、バックアップの取得日付を指定して、システム管理情報を復元します。
管理情報収集配布機能を使用した再配布の運用イメージを、次の図に示します。

図2.112 再配布の運用
管理情報収集配布機能の詳細については、「管理情報収集配布」を参照してください。
また、HULFT-HUB Serverのユーティリティを使用してバックアップからパラメータファイルを生成し、そのパラメータファイルを使用してシステム管理情報をバッチ登録することもできます。
システム管理情報のバックアップの運用方法について説明します。
バックアップ対象
HULFT-HUB Server自身と、HULFT-HUB Serverが管理するすべての収容クライアント(管理対象クライアント)のシステム管理情報をバックアップできます。
システム動作環境の「管理情報バックアップ対象(BackupTarget)」でバックアップ対象のシステム管理情報を指定できます。
設定値 |
動作 |
0 |
すべてのシステム管理情報(*)の中で、更新があったものをバックアップ |
1 |
すべてのシステム管理情報(*)を、更新の有無にかかわらずバックアップ |
2 |
一部のシステム管理情報(*)の中で、更新があったものをバックアップ |
3 |
一部のシステム管理情報(*)を、更新の有無にかかわらずバックアップ |
*1 | : |
「すべてのシステム管理情報」と「一部のシステム管理情報」が表す範囲は以下のようになります。 |
システム管理情報の種別 |
すべての |
一部の |
SRV (*1) |
MGR (*2) |
|
---|---|---|---|---|---|
サーバの |
代替管理情報 |
○ |
|
||
ユーザ情報 |
○ |
|
○ |
||
業務権限情報 |
○ |
|
○ |
||
業務グループ情報 |
○ |
|
○ |
||
クライアント業務グループ情報 |
○ |
|
|||
収容クライアント情報 |
○ |
|
|||
転送情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
転送詳細条件 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
転送先ホスト情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
ホストグループ情報 |
○ |
|
|||
隣接サーバ情報 |
○ |
|
|||
経路情報 |
○ |
|
|||
クライアント状態管理 |
○ |
|
|||
蓄積環境設定 |
○ |
|
○ |
||
ジョブフロー管理情報 |
○ |
|
|||
接続許可情報 |
○ |
|
○ |
||
クライアントの |
クライアントシステム動作環境設定 |
○ |
|
||
クライアントインストール情報 |
○ |
|
|||
配信管理情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
集信管理情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
転送グループ情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
詳細ホスト情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
ジョブ管理情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
フォーマット情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
マルチフォーマット情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
スケジュール情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
メール連携情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
XML変換情報 |
○ |
○ |
|||
ファイルトリガ情報 |
○ |
○ |
○ |
○ |
*1 | : | バックアップしたシステム管理情報をHULFT-HUB Serverの管理情報パラメータ生成ユーティリティ(utlhubigen)で利用可能かどうかを示します。 |
*2 | : | バックアップしたシステム管理情報をHULFT-HUB Managerの管理情報収集配布画面で取得可能かどうかを示します。 |
なお、バックアップできるクライアントのシステム管理情報の種類は、導入したHULFTの製品に応じて異なります。システム管理情報については、クライアントの「アドミニストレーション・マニュアル」および「オペレーション・マニュアル」を参照してください。
バックアップ処理の実行
次に、バックアップ処理の自動実行のために指定する、HULFT-HUB Serverのシステム動作環境設定について説明します。
システム動作環境設定の詳細については、「HULFT-HUB Server マニュアル」を参照してください。HULFT-HUB Managerで指定する操作手順については、HULFT-HUB Managerのオンラインヘルプを参照してください。
-
バックアップの間隔
バックアップは、システム動作環境設定の「管理情報バックアップ間隔(BackupInterval)」の指定に基づいて一定の間隔で取得されます(単位:日)。
指定値が“0”の場合、バックアップは取得されません。
たとえば、「管理情報バックアップ間隔(BackupInterval)」に“7”を指定して2015年8月7日からバックアップの運用を開始すると、次に示す日にバックアップが取得されます。
2015/08/07、2015/08/14、2015/08/21、…
-
バックアップ処理の実行時刻
バックアップ処理は、システム動作環境設定「管理情報バックアップ起動時刻(BackupTime)」に指定した時刻に実行されます(初期値:03時00分)。
また、HULFT-HUB Serverを起動したときにも、バックアップ処理が実行されます。
-
バックアップの世代管理
自動実行で取得したバックアップは、保有する世代数を決めて管理できます。
保有したい世代数は、システム動作環境設定「管理情報バックアップ保有世代数(BackupCount)」に指定します(単位:世代)。
指定値が“0”の場合、バックアップは削除されず、無制限に保存されます。
世代数と一致するバックアップが保存されているとき、バックアップ処理を実行すると、HULFT-HUB Serverによって、最も過去の日付のバックアップが自動的に削除されます。
-
バックアップの格納先ディレクトリ
バックアップは、HULFT-HUB Serverのシステム動作環境設定「管理情報バックアップ格納ディレクトリ(BackupDBDir)」下のyyyymmddディレクトリ(yyyymmdd:取得日付)に保存されます。
システム管理情報を更新しているときにバックアップ処理を実行すると、更新途中の状態でバックアップが取得される可能性があります。
したがって、バックアップ実行時刻は、ユーザがシステム管理情報にアクセスしない時間帯(夜間など)に指定することをお勧めします。
HULFT-HUB Serverのコマンド「管理情報バックアップユーティリティ(utlhubbackup)」を利用すると、任意のタイミングで、システム管理情報をバックアップできます。
また、コマンド「管理情報バックアップ削除ユーティリティ(utlhubbackuprm)」を利用して、指定した日付のバックアップを削除することもできます。
ユーティリティの利用方法については、「HULFT-HUB Server マニュアル」を参照してください。
(3) システム管理情報の再配布
HULFT-HUB Managerの「管理情報収集配布機能」を使用して、保存されているバックアップからシステム管理情報を再配布する方法を説明します。管理情報収集配布機能については、「管理情報収集配布」を参照してください。
ここでは、操作のポイントを説明します。詳細な操作手順や設定項目については、HULFT-HUB Managerのオンラインヘルプを参照してください。
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HULFT-HUB Manager管理画面の[システム管理]メニューから[管理情報収集配布]をクリックします。
-
管理情報収集配布画面の[編集]メニューから[サーバ別管理情報取得]または[ホスト別管理情報取得]を選び、さらに[過去の管理情報]をクリックします。
また、管理情報種別を指定して復元することができます。「管理情報種別を指定して取得」セクションで、復元したい管理情報のチェックをオンにしてください。 -
[サーバ選択]ダイアログまたは[クライアント選択]ダイアログで、システム管理情報を復元したいサーバまたはクライアントを選び、<選択>ボタンをクリックします。
[バックアップ日付選択]ダイアログが表示されます。
図2.113 [バックアップ日付選択]ダイアログ
「バックアップ日付」には、現在、HULFT-HUB Serverに保存されているバックアップが、一覧表示されます。
-
[バックアップ日付選択]ダイアログの「バックアップ日付」から、目的のバックアップ取得日付を選び、<OK>ボタンをクリックします。
選択したバックアップが、HULFT-HUB Manager上に取得されます。 -
[ファイル]メニューの[配布]をクリックします。
バックアップから取得したシステム管理情報がHULFT-HUB Serverおよびクライアントに配布されます。HULFT-HUB Managerの転送情報画面や[クライアント管理]メニューを使用して、システム管理情報が復元されていることを確認してください。
HULFT-HUB Serverのコマンド「管理情報パラメータ生成ユーティリティ(utlhubigen)」を使用すると、バックアップしたシステム管理情報からパラメータファイルを生成できます。
そのパラメータファイルを指定して「管理情報バッチ登録ユーティリティ(utlhubiupdt)」を使用すると、バックアップしたシステム管理情報を再配布できます。
ユーティリティの利用方法については、「HULFT-HUB Server マニュアル」を参照してください。