DataSpiderファイルシステム

DataSpider Servistaでは、OSのファイルシステムとは別に独自のファイルシステム管理を行っています。 DataSpiderファイルシステムは、DataSpider Servista上で作成されたサービスをOSに依存しないようにすることを目的に設計されています。

DataSpiderファイルシステムのコンセプト

DataSpiderファイルシステムのアーキテクチャ

DataSpiderファイルシステムは以下のようなアーキテクチャになっています。



Thunderbusファイルシステムを使用するには、Thunderbusコネクタを有効にする必要があります。
詳細については、「Thunderbusコネクタの設定」を参照してください。

コンポーネントレイヤ

コンポーネントレイヤは、DataSpider ServistaでDataSpiderファイルシステムを使用するすべてのツール、モジュールが含まれます。DataSpider Servistaでシステムを構築する際には、必ずコンポーネントレイヤのツール/モジュールを使用します。
DataSpider StudioやCLI Console、ファイル系アダプタなどが主なコンポーネントとなります。
コンポーネントレイヤのコンポーネントは直接物理システムレイヤにアクセスすることはできず、必ずDataSpiderファイルシステムとやり取りし、実際にデータを処理します。
DataSpiderファイルシステムで使用しているのがどのようなファイルシステム(OSの物理ファイルシステムやデータベース)であれ、コンポーネントレイヤからはまったく意識することなく、透過的に扱うことが可能です。

DataSpiderファイルシステムレイヤ

DataSpiderファイルシステムレイヤでは、上位のコンポーネントレイヤとのアクセスと、下位の物理システムレイヤのコントロールを行います。
DataSpiderファイルシステムには4つの種類があり、それぞれの方法で物理レイヤのアクセス先をコントロールします。

物理レイヤ

実際にデータを格納するレイヤです。
OSのファイルもしくはデータベースまたはその両方となります。どれになるかは上位のDataSpiderファイルシステムの設定により変わります。

DataSpiderファイルシステムの種類

DataSpiderファイルシステムは以下の4つの種類があります。

ファイルシステムの種類 説明 エクスプローラでの[種類]の表記
ローカルファイルシステム ファイルの実データおよびメタデータはOSローカルファイルシステムにそのまま保存されます。もっとも高速に動作しますが、ファイルのオーナー、パーミッションやロックといったファイルのメタ情報を保存することができないため、DataSpiderファイルシステムのすべての利点を得ることができません。
リポジトリDB無しの場合には、ローカルファイルシステムのみ使用可能です。
LOCAL
拡張ローカルファイルシステム ファイルの実データはOSローカルファイルシステムに、ファイルのメタデータはリポジトリDBのテーブル内に保存されます。ローカルファイルシステムと比較するとパフォーマンスが劣化します。
リポジトリDB有りの場合にのみ使用可能です。
LOCAL|EXTENDED
データベースファイルシステム リポジトリDBのテーブル内に、ファイルの実データとメタデータを格納します。DataSpiderファイルシステムのすべての利点を得ることができます。
保存できるファイルサイズに制限があります(DBMS依存)。
リポジトリDB有りの場合にのみ使用可能です。
なし
Thunderbusファイルシステム Thunderbusファイルシステムとは、Thunderbus Agentによって公開されたリモートコンピューターのディレクトリをThunderbusコネクタを介して扱うことができるファイルシステムです。
ファイルの実データはThunderbus Agent管理下のリモートコンピューターのディレクトリに保存されます。
Thunderbusコネクタが有効な場合にのみ使用可能です。
詳細については、「Thunderbusコネクタの設定」を参照してください。
なし

OSローカルファイルシステム

OSローカルファイルシステムとは、DataSpider Servistaが稼働するOSのファイルシステムを表します。

OSローカルファイルシステムには、以下の2種類があります。

マウント

マウントとは、OSローカルファイルシステムやデータベースのテーブルをDataSpiderファイルシステムとして使用できるようにするための仕組みです。 また、マウントするDataSpiderファイルシステムのディレクトリを「マウントポイント」と呼びます。

マウントは、コントロールパネルの「マウント設定」から行います。

システムマウント

システムで使用するために、特定のディレクトリをあらかじめマウントしています。これを「システムマウント」と呼びます。
システムマウントポイントは以下の通りです。

リポジトリDB有りの場合

リポジトリDB無しの場合

システムマウントとして使用するディレクトリはシステムプロパティから変更可能です。
データベースファイルシステムの場合には変更できません。

DataSpiderファイルシステムの文字制約

DataSpiderファイルシステムでは、以下の文字を使用禁止文字としています。 WindowsとUNIX/Linuxの両プラットフォームをサポートしている関係上、両環境で使用できない文字を制限しています。
また、「~」はユーザのホームディレクトリを示すため、制限に加えています。

大文字小文字の区別について

DataSpiderファイルシステム上での大文字小文字の区別に関する現状の動作は以下の通りです。

項目 ファイルシステムの種類 動作 主な設定
/etc、/home、/share下に保存される設定名およびファイル名・ディレクトリ名
(リポジトリDB有り)
データベースファイルシステム 使用しているデータベースおよびデータベースの設定に準拠します。
  • プロジェクト名
  • サービス名
  • グローバルリソース名
  • グローバルスキーマ名
  • トリガー名
  • 休日設定カレンダー名
  • アプリケーションログ出力先設定名
  • ユーザ名・グループ名(リポジトリDB有りのみ)
/etc、/home、/share下に保存される設定名およびファイル名・ディレクトリ名
(リポジトリDB無し)
ローカルファイルシステム DataSpiderServerが稼働しているOSに準拠します。
  • Windows版:大文字小文字を区別しません。
  • UNIX/Linux版:大文字小文字を区別します。
/etc、/home、/share以外に保存されるファイル名・ディレクトリ名 ローカルファイルシステム・拡張ローカルファイルシステム DataSpiderServerが稼働しているOSに準拠します。
  • Windows版:大文字小文字を区別しません。
  • UNIX/Linux版:大文字小文字を区別します。
-
設定ファイル内に保存される名前 - 大文字小文字を区別します。
  • スクリプト名
  • フォルダ名
  • スクリプト変数名
  • 環境変数名
  • 各種アイコン名
  • ログ検索条件名
マウントポイント下に保存されるファイル名・ディレクトリ名 データベースファイルシステム 大文字小文字を区別します。 -
ローカルファイルシステム・拡張ローカルファイルシステム・Thunderbusファイルシステム DataSpiderServerが稼働しているOSに準拠します。
  • Windows版:大文字小文字を区別しません。
  • UNIX/Linux版:大文字小文字を区別します。
-

異なるOS間で設定の移行(サーバ移行やプロジェクトのダウンロード・アップロードなど)を行う場合、障害が発生する可能性があるため、大文字小文字を区別しないようにアプリケーションを開発されることを推奨します。
バージョンにより、動作が変わる可能性があります。

仕様制限