Excelデータの書き込み

Excelデータへ加工する場合、Excelデータの書き込みについて次の点に留意してください。

(1) 書き込みするシートの単位

ブックファイルにデータを書き込む際、次に示す方法から対象シートを選択できます。

  • 固定値使用

  • 項目値使用

対象シートの選択方法と対象シート名の指定を目的に合わせて組み合わせることで、1シート単位または複数シート単位での書き込みができます。

a) 1シートにだけ書き込む方法

次に示す設定方法で、1シートに対してデータを書き込むことができます。

“固定値使用”を選択し、書き込みしたいシート名を1つだけ指定する。

設定と出力シート名の対応が直感的なため、指定したい名称が決まっている場合に適している書き込み方法です。

なお、出力対象ファイルに指定したシート名が存在しなかった場合、指定した名称でシートが新規作成されます。シート名に指定できる文字については、Microsoft社の仕様に準じます。

“固定値使用”を選択した場合は、シート名に複数のシート名を指定できません。またシート名をマッピングすることもできません。

b) 複数シートに書き込む方法

注意

データを書き込む対象のシートは、同じフォーマットである必要があります。

次に示す設定方法で、複数シートに対してデータを書き込むことができます。

“項目値使用”を選択し、入力設定で使用されている「Sheet」に項目名をマッピングする。

部署名やID、種別、日付などの項目ごとに分かれているデータを、シートごとに特定の視点で分類して出力したい場合に適している書き込み方法です。

マッピング先の「Sheet」にマッピングされた項目の種類の数だけ、シートが作成されます。例えば、IDに「0001」~「0010」までの項目があるとした場合、シートが10枚生成されます。なお、項目値に使用する入力側のデータは、順番に並んでいなくても構いません。

(2) シート内へのデータの書き込み方法

シート内へのデータの書き込みは、次に示す方法があります。レコード単位での書き込みとセル単位での書き込みは混在できます。

レコード単位での書き込み

特定のセルの範囲のある1行を1レコードとみなして、縦方向に書き込む方法です。データ行が連続している、表形式タイプとなっているExcelデータへの書き込みに適している方法です。

セル単位での書き込み

セルの場所を直接指定して書き込む方法です。書き込みたい場所が点在しているExcelデータへの書き込みに適している方法です。

注意

レコード単位とセル単位の書き込み方法は混在できます。

a) レコード単位での書き込み

レコード単位での書き込みでは、項目名に任意の項目の名前を指定します。

列には、「列アルファベット」を指定します。

例:「A」

 

また、次の方法で書き込み位置を指定します。

  • 書き込み開始位置の指定

    指定した行番号からデータを書き込みます。ヘッダ部分に情報がある表形式のデータでも書き込むことができます。

    図4.96 レコード単位での書き込み機能の概要

b) セル単位での書き込み

セル単位での書き込みでは、項目名に任意の項目の名前を指定します。

セルには、「列アルファベット行番号」を指定します。

例:「A1」

 

データの書き込み位置について次に説明します。

  • 単一セルおよび複数セルへの書き込み

    セル単位で書き込む場合、書き込みたいセルの数だけその場所を設定することで、そのセルに対して書き込みます。

  • 注意

    単一セル出力の場合で、同じセルに対して複数の出力レコードがあるときは、最後のデータが反映されます。単一セルとレコードが同時に存在する場合は、レコードの方が反映されます。

     

  • 結合セルへの書き込み

    セルが結合されている場合、結合範囲の一番左上のセルの値としてデータを書き込みます。

    図4.97 セル単位での書き込み機能の概要

(3) テンプレートを利用した書き込み

テンプレートファイルにあらかじめ設定されている、書式、数式、関数、またはグラフなどのExcelの機能を利用し、特定の目的に沿った報告書などの書類をすばやく作成できます。

テンプレートファイルを利用したい場合は、書き込み先のファイルの設定時に、テンプレートファイルのパスを一緒に指定し、テンプレートファイル内に存在するシート名(1つのみ)を指定します。出力時は、テンプレートファイルが出力ファイルとしてコピーされ、指定したテンプレートシートもコピーされ、出力シートが生成されます。その生成されたシートに対してデータが出力されます。このため、出力ファイルにはテンプレートシートが含まれます。

なお、テンプレートファイルには、複数のシートがあるブックファイルを使用できます。これによって、表紙や履歴を管理するシートや、データの見方やサンプルなどを記載したシート、または参照したい過去のデータがあるシートなども出力ファイルに含めることができます。テンプレートを使用した書き込みの概要を次に示します。

図4.98 テンプレートを使用した書き込みイメージ

また、テンプレートを利用して出力する場合、指定されたテンプレートファイルのフォーマットが反映されて出力されます。

注意

Excelファイルの形式が「xlsx」または「xlsm」で、かつシートの書式設定が次のどれかのパターンのシートに対して出力する場合は、そのシートに設定している書式が反映されません。

  • シート全体に書式が設定されたシート

  • ある行全体に書式が設定されたシート

  • ある列全体に書式が設定されたシート

(4) 様々な出力パターンでの動作

Excelデータへの書き込みで、各出力パターンに対する書き込み時の動作について説明します。

a) 非表示のセルおよびシートへの出力

セルやシートが非表示になっていても、その場所への出力はできます。ファイルを開いたとき、非表示の状態で開かれますが、データは書き込まれています。

b) 読み取り専用を推奨する設定が有効になっているブックファイルへの出力

「読み取り専用を推奨する」がチェックされているブックファイルに対しても出力できます。

c) ブックの共有が有効になっているブックファイルへの出力

ブックの共有が有効になっているブックファイルへは出力しないでください。書き込みはできますが、ファイルが破損するおそれがあります。