導入事例

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  • DataSpider Servista

サプライチェーン全体を「見える化」し データに基づいた的確な予測を実現

トヨタグループで唯一の商社である豊田通商株式会社は、金属、機械・エレクトロニクス、自動車、エネルギー・化学品、食料品、生活産業・資材の6つの事業領域をグローバルに展開、付加価値創造ビジネスを推進しています。

豊田通商株式会社

本社名古屋市中村区名駅四丁目9番8号 センチュリー豊田ビル
創立1948年7月1日
代表者清水 順三
資本金649億3千6百万円
従業員数3,014名
(出向者を含み、受入出向者を除く 2007年9月末現在)
Webサイトhttp://www.toyota-tsusho.com/

取材日 2007年9月
記載の担当部署は、取材時の組織名です。
記事の内容は、旧アプレッソによる取材時のものとなっております。

リードタイム短縮を実現すべく新たな受発注システム構築に着手

豊田通商株式会社の機械・エレクトロニクス事業本部に所属する電子デバイス部デバイス第二グループの神戸出張所は、電子部品メーカーから電子機器メーカーへと続くサプライチェーンの中枢を担っています。購買・生産・流通・販売の各業務の内、生産以外の全ての部分を受け持っている豊田通商では、受発注作業の効率化を図るために1990年代の前半にEDIを導入して運用してきましたが、10年以上が経過した近年では、いくつかの課題が見えてきました。

需要予測と購買計画のズレや、生産計画と生産能力とのバランスの崩れなど、サプライチェーンの各段階に存在するボトルネックを発見できなければ、受注時・調達時における業務工数が増大するばかりでなく、顧客満足度の低下に繋がります。

こうした課題を解決するには、「受注から納入に至るサプライチェーンの各段階全てを可視化して、“必要な警告を出すことで異常事態を見落としなく認知できるシステム”が必要だと感じました」と神戸出張所所長の梅津優氏は言います。しかし、古いシステムゆえ、当時の担当者がいなくなっており、小さな修正でさえ難しい状態だったのです。

「ビジネス上で最大の課題は、いかにリードタイムを短縮して効率化するかです。我々は商社として、特に上流側への情報展開が必要となります。できればリアルタイムにやりたいのですが、従来のシステムではそれが非常に困難でした。2006年に、ホストのデータを取り出して扱いやすいExcelで処理できるように改良を加えようと検討しましたが、それさえも困難だというので、新たなシステムを作ろうと決断したのです」(梅津氏)

梅津氏は、受発注システム更新のため、他部署で実績のあったデジタルコンテンツ株式会社を新たなパートナーとして選び、2007年の6月に新システムの検討を開始しました。

データを中心に据えて柔軟に対応できるDataSpiderを採用

新たな受発注システムは、EDIのためのホスト系システムと社内で用いられている会計システムや周辺システムとの連携はもちろんのこと、同時に社内外の情報のやり取りを容易に行えるようにすること、できるだけ取引先に影響を与えないシステムを作ることが、大きなポイントでした。

新システムの仕様検討に際して、データ仕様や業務の流れを調査したところ、EDIなどシステム側では、CSV形式や固定長などデータ形式は多様で、プロトコルも様々なものが使われていました。さらに、EDI以外の部分で行われる人対人のやり取りに関しては、FAXやメールが中心であることが分かりました。

こうした検討の結果、「人と人との連絡を“Excel”と“メール”を使う方法に変えて、受注システムと連携させることは、それほど大きな影響はないだろうと考えました。様々なデータ形式やプロトコルに対応しているデータ連携ツール「DataSpider Servista(以下、DataSpider)」を採用し、データを集約する仕組みを作れば、ホストやEDI、Excelデータを完全に一箇所に統合するシステムが構築できると思いました。すぐ使えて、かつ将来性もあるシステムを考えると、カッチリ固めたシステムでは無理です。中心にデータをまとめて置いて、そのインタフェースにDataSpiderを使い、柔軟性を持たせるのが一番だ、と考えたのです」と、デジタルコンテンツの開発グループマネージャー 辻原康弘氏は説明します。

新たな受発注システムは「TT-Stock」と名付けられました。その開発は2007年7月からスタートし、2007年末にはスケジュール通り第2フェーズまで完了しました。以後も機能アップを続けながら継続して開発を進めています。将来的には、蓄積データを有効活用した、より戦略的なビジネスモデルへと進化させていく計画です。

仕様変更に戸惑うことがなくなった新システム「TT-Stock」

DataSpiderを用いた開発について、辻原氏は次のように語っています。

「開発中には、しばしば細かな仕様変更が発生することもあります。もしDataSpiderを使わず、データ変換をプログラムしていたとしたら、開発作業の負担は大きかったでしょう。その影響は、DataSpiderを使っているおかげで、ずいぶん少なくできたと感じています」

DataSpiderによるデータを集約するロジックと、システム本来のビジネスロジックを切り分けたことで、このような仕様変更に戸惑うことはなかったとのことです。

こうしたデジタルコンテンツ側の対応に対しては、梅津氏も「納期の短い中でしたが、仕様変更に対応できる仕組みをきちんと作り込んでくれました」と評価しています。

また、DataSpiderの仕様について、意外な部分で高く評価されています。

「DataSpiderの出力するメッセージはJavaのメッセージに似ています。当社にはJava開発者が多いので、メッセージが分かりやすくて便利です」(辻原氏)

的確なデータ分析で「攻め」の営業を。社内での横展開も検討

豊田通商電子デバイス部デバイス第二グループの梶井資子氏は、以前のEDIシステム時代との違いを、次のように語っています。

「以前のシステムでは、リードタイムなどの細かい部分が全く見えませんでした。それが、TT-Stockシステムでは、取引先から上がってきたデータに対し、予測とのブレがあった場合などにアラートを出せるようになっているなど、先々を考えた動きができるようになっています。これで、リードタイムや在庫をより適正化していくことが可能になるでしょう。今後は、取引先ごとの特徴を踏まえ、予測を修正して、より精度を高めていこうと考えています」

ゆくゆくはTT-Stockシステムを豊田通商の社内で横展開していきたいというのが、梅津氏の考えです。

「ここ神戸出張所は、特定顧客向けの出先部署です。今回はそこで使うシステムを開発したわけですが、いずれは他の顧客にも対応できるようにと、汎用性の高いシステムを構築することができました」(梅津氏)

他の顧客にTT-Stockシステムが使われるようになった場合、その固有のデータ形式に合わせるためにDataSpiderが役立つであろうことは、言うまでもないでしょう。

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