導入事例

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  • DataSpider Servista

基幹系と連動したメール配信システムを刷新 安定性向上と操作性向上を実現

科研製薬株式会社では、メインフレームの基幹系システムからデータを抽出・加工してMR向けのメール配信を行っています。今回、基幹系からのデータ抽出にDataSpiderを採用してシステムを刷新した結果、エンドユーザー部門の利便性も向上し、情報システム部門においても効率的な開発を実現しました。また、Syncsort DMExpressと組み合わせて利用することで夜間バッチの処理時間にも余裕ができるようになりました。

科研製薬株式会社

本社東京都文京区本駒込2-28-8
Webサイトhttp://www.green-house.co.jp/index.html

取材日 2009年9月
記載の担当部署は、取材時の組織名です。
記事の内容は、旧アプレッソによる取材時のものとなっております。

課題複雑で不安定なメール配信システムの刷新が求められていた

解決安定稼働の確保・生産性の向上、メール処理時間を三分の一あまりに短縮

MRの活動を情報面から支援するメール配信システム

科研製薬株式会社は創業1948年、医家向け医薬品製造販売を中心とした事業を展開している中堅製薬会社です。製薬会社において、医薬品の情報を医師および医療従事者へ適時適切に提供するためには、MR(Medical Representative:医薬情報担当者)の存在がかかせません。

科研製薬では約700名のMRが全国9支店を拠点とし、病院、開業医、調剤薬局などへ医薬品の適正使用を進めるため、また、医薬品の安全性や有効性等について情報収集するために訪問しています。MRにとって最新の製品納入状況を把握することは、日々のMR活動を行ううえで、重要なものの一つです。

そこで、科研製薬ではMRが持つPHSに毎朝メールで前日の納入明細を配信しています。メールは前日分の売上明細と当月累計の2通で、それぞれのMRが担当する医療機関の情報のみを集約した、ユーザー個別の内容となっています。

このメール配信システムは、2005年8月から稼働を開始しました。毎晩、基幹系システムから必要な情報を抽出、各MRの担当に応じて情報を整理、PHSの画面上で読みやすいよう加工した上で配信しています。この配信システムが稼働したおかげで、最新の情報へのアクセスの手間が省け、MRの業務効率化に貢献していました。

ところがその後、メール配信システムなど基幹系の周辺システムで、新たな課題が持ち上がってきました。メインフレームで構築された基幹系の周辺には、そのデータを抽出して活用する各種オープン系システムが構築されているのですが、データ抽出・加工を行う夜間バッチ処理の時間が長くかかるようになってきたのです。

限られた人員で効率的に開発すべくDataSpiderを採用、短期開発を実現

情報システム部開発グループ副主査の菊地新一氏は当時の状況を振り返り次のように説明します。「処理時間は、けっこうギリギリになっていて、期末など処理量が増える時期には遅れることもありました。夜間バッチに使える時間は限られており、より迅速に処理できるシステムが必要だったのです」この問題の解決に取り組むきっかけとなったのは、データ抽出・加工に使ってきたミドルウェアの一部がサポート切れになったことでした。情報システム部では、長年にわたるパートナーである株式会社アシストに相談し、その代替となる製品の選定に乗り出しました。

菊地氏によれば、最も重視したポイントは使い勝手だったそうです。情報システム部の限られた人員で、現場が必要とするサービスを迅速に提供していくためには、開発効率が高くなければなりません。

こういった理由から選ばれたのが、データ連携・スケジュール管理用にDataSpider、大量データ高速処理加工にSyncsort DMExpress、という組み合わせでした。いずれのツールもGUIベースで開発でき、処理も高速という特徴を持ち、まさに科研製薬のニーズに合うものです。実際、メール配信システムの構築に要した期間はわずか1カ月。1週間のテストを経て、2008年7月には本番稼働を迎えるという短期開発を実現しました。しかも担当は1名、他システムのメンテナンスなど日常業務の合間に作り上げたというのです。

担当した情報システム部開発グループの高橋正晴氏は、こう語ります。

「開発者にとって、DataSpiderはとても使いやすいツールですね。アイコンを置いてフローをつないで作っていく仕組みは、画面そのものが仕様書のようなものですから、ソース解析をするまでもなく内容を把握でき、メンテナンスにも優れています。本番システムの構築に先立って、公式解説書『DataSpider実践入門』を入手して、その中のサンプルを題材に3カ月ほど勉強しましたが、開発も容易でした。アシストのサポートも充実しており、安心して取り組めましたね」

処理時間の大幅な短縮を実現、エンドユーザー部門の作業も効率化

新たに開発されたメール配信システムでは、目的通り処理時間の短縮も実現しています。以前のシステムでは2通のメールの処理には各10分、合計で20分かかっていましたが、DataSpiderでの処理は合計6分で済むようになりました。わずか3分の1です

「Excelデータの扱いには全角/半角の管理や、余分なスペースの排除などが必要になりますが、DataSpiderは簡単に対応してくれます。メール配信を受ける各MRには直接関係ありませんが、ユーザー部門からは、端末を問わずマスターデータの管理が可能になり、好評でした」(高橋氏)

また、ユーザー部門の側の作業も効率化されました。以前のシステムではMRのメールアドレスや、各MRの担当先施設などのマスターデータを管理するのに専用端末が必要でした。それがDataSpiderのExcel連携機能により、Excelのマスターデータをそのまま取り込めるようになったのです。

さらに、メール配信システム更新の成功を受けて夜間バッチシステムも更改し、こちらも処理時間を大幅に短縮しました。Syncsort DMExpressで大量データの高速な結合および集計処理を行い、これらの処理実行をDataSpiderで制御しています。

「営業支援システムで使うデータは月に約50万件。過去5年分の3000万件近いデータを扱っています。以前は朝のサービス開始直前まで8時間ほどかけて処理していましたが、今はだいぶ余裕ができました」(菊地氏)

基幹系のオープン化を進めて情報システム部門の負担を軽く

科研製薬では今のところ、DataSpiderの活用は営業支援システム関連に限られていますが、今後は会計、人事、購買などといった他システムの分野にも活用を広げていくことが検討されているそうです。

「システムのオープン化を促進するのに役立つと期待しています。開発効率が高く、メンテナンスも容易なDataSpiderを活用していくことで、残業時間も少なくしていけるのではないかと思います」(高橋氏)

情報システム部開発グループマネージャーの関本幸男氏は次のように語ります。

「DataSpiderはデータの扱いやファイル操作の処理内容が理解しやすく、完成度の高いツールだと思いますね。今後はメインフレームを活用しながら、徐々にオープン系の比率を増やしていく予定ですが、そのために、DataSpiderが役立つと期待しています」(関本氏)

情報システム部を率いる髙嶋幸雄部長は、DataSpiderによって情報システム部の業務負荷を軽減し、その余裕をユーザー部門との話し合いに役立てたいと語っています。

実際、メール配信システムでもPHSでの閲覧に最適化するなど、ユーザーの視点に立った工夫をこらしています。このような工夫を積み重ね、現場を活性化させるシステムを作ることが、科研製薬情報システム部のポリシーといえそうです。

「情報システム部はユーザーあっての存在です。これからも現場のユーザーと話し合いながら、開発を進めたいと思います。ユーザーに求められるシステム作りにDataSpiderを活用していきたいですね」(髙嶋氏)

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