株式会社フロンテッジでは、2008年頃から業務系システム再構築に取り組んでいます。このプロジェクトでは、複数システムの更新を並行して進めるため、データ連携の関係を随時切り替えていく必要があり、その負荷を軽減すべくDataSpiderを採用しました。その結果、システム更新作業の効率化やコスト削減を実現したのみならず、エンドユーザー へのデータ提供なども容易に行えるようになっています。
株式会社フロンテッジ
本社 | 東京都港区西新橋1-18-17 |
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設立 | 2002年4月 |
代表者 | 代表取締役社長 白水哲也 |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 414億円 |
従業員数 | 250名 |
Webサイト | http://frontage.jp/ |
取材日 2010年3月
記載の担当部署は、取材時の組織名です。
記事の内容は、旧アプレッソによる取材時のものとなっております。
「ブランドに大きな付加価値を」をテーマに、あらゆるメディアを融合させたコミュニケーションサービスを提供する株式会社フロンテッジ。ソニー株式会社と株式会社電通の共同出資で設立された、メディアバイイングから企画・制作まで幅広いサービスをワンストップのソリューションとして手掛ける広告会社で、各セクションからスペシャリストが集まり、フレキシブルにユニットを形成してクライアントの課題を解決しています。
同社では、こうした業務を支えるべく、相互に連携し合う複数のシステムが用いられています。その主なものは、販売/会計システムと勤怠管理システム、そして一部の取引先との間で情報共有を行うための取扱実績公開システムの3つです。
2008年頃から、それらの更新・再構築を順次進めていくことになり、連携先を柔軟に変更できる仕組みが求められるようになりました。これまで、3つのシステムはいずれもOralce DBを採用していたため、システム間連携はOracleのDBリンク機能を用いて行っていました。それが、今回の再構築に際し、課題となってきたのです。3つのシステムのうち販売/会計システムは以前とは別のパッケージにリプレースすることとなりましたが、そのパッケージはSQL Serverが用いられているため、これまでのようにDBリンクでのデータ連携ができません。また、各システムの更新は順次行われるため、連携先も随時変更していく必要があります。
「連携部分の開発を委託するにしても、連携先が変わっていくため、何度も作り直さねばなりません。しかも、それぞれのシステムは要件に適した異なるベンダーから導入しており、どこに発注するかといった調整なども課題でした」と、株式会社フロンテッジコーポレート本部経営管理ユニット情報システムグループマネジャーの伊東盛男氏は言います。そこで、伊東氏が注目したのがDataSpiderでした。もともとは別の用途で提案されたものでしたが、システム間連携機能の実績や使い勝手などから、業務システム連携に採用することが決まったのです。
フロンテッジにDataSpiderを紹介、提供したのは、独立系システムインテグレーターの株式会社エヌデーデー(以下、NDD)。伊東氏へのトレーニングやサポートなどを担当しました。営業担当のNDD営業部主任の小林一利氏は、次のように語っています。当社は、DataSpiderの導入作業およびフロンテッジ様へ2日間の実践的なトレーニングを行いました。また、関数の中での小数の扱いやテーブル設定時の型変換など、DataSpiderでの具体的な実現方法についての踏み込んだご質問に対しサポートいたしました。その他については、伊東様ご自身でテキストを参照し開発を進めていらっしゃいました」
各システムの更新は、こうして順調に進められ、新たなデータ連携部分も問題なく動作しているとのことです。「もし仮にデータ連携機能の開発を外部に委託していたら、その費用は数百万円といったところでしょうか。DataSpiderの導入費用や我々の作業工数を考えれば、それを半分くらいに節約できたといえるでしょう」と、伊東氏は言います。また、システム更新の際のデータ移行にもDataSpiderが活用されています。「例えば販売/会計システムでは、別のパッケージへの切り替えでデータ構造の決定に時間がかかりましたが、DataSpiderでは簡単に修正できるので、後から生じた変更点にも対応できました」(伊東氏)
フロンテッジでは現在、当初は想定していなかった用途にもDataSpiderを活用しています。例えば、各部門からデータ抽出の依頼が発生した場合、今までは、データ抽出からファイル加工まで手動で対応していた作業が、繰り返し依頼のあるものはDataSpiderによって自動でデータファイルを出力し、メール添付にて送付しているのです。また、伊東氏らシステム担当者の間では、一部システムで出力されているログデータを、DataSpiderを通じてメールに添付して送っています。
「他にも、サーバの死活やディスク容量の監視、端末状況のチェックなどにも活用できそうなので、いろいろな展開を考えています。エンドユーザー自身に触らせるのは難しいとしても、そこに提供する情報を抽出・送付するために役立つツールだ思っています」(伊東氏)NDDは、今回の実績も含め同じような課題を抱えているお客様に対し、DataSpiderの良さをもっと伝えていきたいとしています。また、単に製品を販売するのでなく、真にお客様の役に立ち、安心して永く付き合える企業でありたいとしています。