心臓循環器や脳外科分野の医療に用いられるカテーテルや人工血管など医療用品、検査機器などの輸入・開発・製造・販売を手掛ける株式会社グッドマンは、社内のワークフローの電子化に取り組んできました。ワークフローパッケージと基幹系・情報系システムとの連携にDataSpider Servistaを採用し、連携部分の開発を効率的に行い、DataSpider Servistaは基幹系や情報系からのデータ抽出などにも活用されています。
株式会社グッドマン
本社 | 愛知県名古屋市名東区藤が丘108番地 |
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代表者 | 余語 岳仁 |
設立 | 昭和50年9月 |
取材日 2011年6月
記載の担当部署は、取材時の組織名です。
記事の内容は、旧アプレッソによる取材時のものとなっております。
株式会社グッドマンは、心臓や脳の検査や手術に欠かせないカテーテルや人工血管などの手術用具をはじめ、検査機器や医療関連ソフトウェアなどを開発・製造・輸入し、全国10カ所の営業所から医療品商社を通じて、全国各地の医療機関へと販売しています。
これまで同社では、社内の承認を経て情報を集約するといったワークフローのほとんどを、紙の書類で処理してきましたが、この業務を効率化し、より迅速に情報を活用できるようにすべく、2009年にワークフローシステムの導入行うことにしました。このワークフローシステムと、基幹系・情報系システムとの間でのデータ連携に採用されたのが、DataSpider Servistaです。DataSpider Servistaは、ワークフローだけでなく基幹系や情報系からのデータ抽出バッチなどの作業にも活用され、IT部門自体の業務効率化にも役立っています
システム化の対象となったワークフローは、各営業所からもたらされた製品の品質に関する情報などを、関係部署の承認を経て、最終的に品質保証部や調達課へと集約するというものです。ワークフローの途中や最終結果では、基幹系システムや情報系システムの情報を参照したり、それらのシステムへ情報を登録するなどの処理も求められます。こうした要件に対し、グッドマンの管理統括本部IT企画室では、パッケージ製品を組み合わせて構築する方針を決定、その選定を進めました。
まず選ばれたのは、キヤノンソフトウェアのワークフローパッケージ「WebPlant」です。社内ユーザー約400名という同社の規模に合うことと、無償でSDKが提供されていることが、採用のポイントになったといいます。「SDKを使えば、.NetやJavaのプログラムを使ってXMLデータを取り出せるため、基幹業務との連携が容易だと考えたのです」と語るのは、グッドマン 管理統括本部 IT企画室 室長の里孝司氏。「しかし、SDKがあるとはいえ、基幹系DBに繋げるにはXMLを処理しなくてはなりません。XML処理のプログラミングが面倒なことは知っていますし、作ったプログラムの管理も大変になります。そこで、ワークフローからXMLデータを抽出するプログラムを作った上で、XMLデータからDBへマッピングするためEAIツールを活用することにしたのです」(里氏)
IT企画室では、展示会などでETLツールの情報を収集し、候補となる2製品を選定しました。それぞれの製品のセミナーに参加したり、2カ月近く試用版を使って検証するなどして比較検討を進め、最終的に採用されたのが、DataSpider Servistaです。「DataSpider Servistaは、ノンプログラミングでXMLファイルのマッピングが可能なだけでなく、メール送信やHTML出力もサポートしていてユーザーインタフェース部分もカバーし、幅広い応用が利きます。その上で、比較検討を行った競合製品よりもプロジェクト作成が直感的にできるという点が、決め手になりました」と、里氏は評価しています。
こうして2009年9月、DataSpider Servistaが導入され、本格的な開発がスタートしました。IT企画室のスタッフ4名が開発を担当しましたが、トレーニングを受講していないスタッフでも、「DataSpider実践入門」(書籍 公式ガイドブック)を参考に開発を進めることができたそうです。その一人、グッドマン 管理統括本部 IT企画室の山本博也氏は、「GUI画面での開発では、他の人が作ったロジックを真似して取り入れることも容易ですし、自分が作ったロジックも後になって見直したとき内容を把握しやすいですね。また、DataSpider Servistaはデバッグ時に細かな情報が出るので修正や改善がしやすい点も助かります」と語っています。
WebPlantとDataSpider Servistaを用いたグッドマンのワークフローシステムは、大きな問題もなく稼働しています。このシステムを利用する品質保証部では、これまで集計データを手作業でメール配信していたのが、DataSpider Servistaによって自動的にメール配信できるようになるなどのメリットがあったといいます。また、ワークフローの途中段階からもデータを抽出し、DataSpider Servistaでサマリ情報を出力するように工夫しており、より早い段階で品質に関する情報を社内に共有できるようになったそうです。
さらに、DataSpider Servistaはワークフロー以外の場面でも活用されています。基幹系や情報系のDBからデータを抽出・加工して活用したいといった社内のリクエストに対し、これまではバッチプログラムを書いて実行させていましたが、DataSpider Servistaを使うことで作業の効率を向上させたのです。
「DataSpider Servistaでは、ユーザーにメールで通知し、そこに記したURLからHTTPトリガーを起動、エンドユーザーが自分でデータを取り出せるようにできます。また、出力されるログの内容も親切です。バッチプログラムは保守の手間がかかりますので、既存のバッチからDadaSpider Servistaに移行したものも少なくありません。おかげで我々IT企画室も省力化できました」(里氏)