導入事例

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  • DataSpider Servista

整備管理システムと部品管理システムとを自動連携

総合物流企業の日本郵船グループにおいて、「国際航空貨物運送事業」を担う日本貨物航空。同社は、全日本空輸へ全面委託していた整備事業を自社で行う体制へ移行するために、整備管理システムを開発。米国製パッケージを使った システムと、ボーイング社がネットワーク経由で提供する部品管理システムとの自動連携を実現するためにDataSpider を活用して、オンタイムでのシステム運用開始に成功しました。その後は、システム連携のみならず情報マージのツールとしてもDataSpiderを活用して、定期レポートの自動生成など、約30種類のシステムを開発・運用しています。

日本貨物航空株式会社

本 社千葉県成田市成田国際空港内 NCAライン整備ハンガー

取材日 2010年12月
記載の担当部署は、取材時の組織名です。
記事の内容は、旧アプレッソによる取材時のものとなっております。

課題専門性の高いパッケージとホスト・サービスを、短時間で自動連携させたい

解決DataSpiderのWebサービスとFTPのアダプタ利用で高度な自動連携を実現し、スケジュール通りの運用開始に成功

委託事業を社内作業へ移行するため、システムの短期構築が不可欠に

日本貨物航空(以下、NCA)は、日本唯一の国際貨物専門の航空会社です。貨物専用機ボーイング747-400Fを8機運航し、8カ国13都市を結んで、定期便とチャーター便を合わせて年間約4800便運航しています※。1978年の設立時は、日本郵船を中心とする海運各社と全日本空輸(以下、全日空)の共同出資で出発しましたが、運航開始20周年を迎えた2005年8月、日本郵船の単独経営体制へと切り替わりました。同時に、それまで全日空へ全面委託していた運航管理および整備事業を、NCAが自ら行うという経営方針が打ち出されたのです。運航管理と整備の「自立」は、コスト効果が上がるうえに、事業環境の変化に対応する経営戦略をタイムリーに立てて実行に移せるという大きなメリットがあります。IT部門では、航空会社の根幹を支える2系統の重要なシステムを、できるだけ短期間に開発するという課題に直面しました。

高度なWebサービス連携とFTP連携を実現

整備部門とIT部門がプロジェクト体制で取り組んだのが、整備管理システムの導入です。これは、飛行時間や飛行回数に応じて行われるさまざまな整備作業と、整備作業で使用する航空機部品の情報を一元管理するシステム。トレーサビリティなど業界特有の必要要件を満足している必要があり、米国製の専用パッケージを採用しました。また、部品の余剰在庫を削減する目的で、ボーイング社が提供する「部品管理システム」を活用することにしました。航空機部品は取り寄せるのに時間がかかりますが、高価であるため、多めの在庫を保有するのは経済的な負担になります。部品管理システムは、"部品を使った"という情報をボーイング社のホストコンピュータへ送るだけで、使った分を補充してくれる自動発注のしくみであり、欠品のない適正在庫の維持を支援してくれます。

しかし、整備管理のパッケージシステムと、ボーイング社の部品管理システムを連携させるのは容易なことではありませんでした。整備管理システムは、「データベースへの他システムからのアクセスはWebサービス経由」が標準仕様であるため、SOAPプロトコルを使用したWebサービス接続を開発しなければなりません。一方の部品管理システムは、米国に設置されているホストコンピュータとのFTP連携が必要です。「さらに、両システムはまったく別のルールで動いており、『販売』や『返品』を認識するタイミングが異なるなど、システム化しようとすると例外処理がたくさん発生してしまいます。試しに手作業で連携させてみましたが、手間がかかりすぎて、自動化が必須だと身に沁みました。」と、管理本部 IT戦略部 技術系システムチームの楠明裕氏は語ります。そこで注目したのがDataSpiderです。 DataSpiderは、SOAPやFTPによるデータ送受信に対応したアダプタ(接続機能)が用意されているうえ、開発の自由度が高いために、複雑なビジネスロジックをインターフェース仕様として定義しやすいのです。「開発のしやすさ、導入事例が豊富、他製品に比べてきわめて低価格、そして、導入検討の段階からベンダーのアシストがていねいなサポートをしてくれる、この4つがDataSpider採用の決め手となりました。」と楠氏は言います。

オンタイムでの稼働開始を支えたDataSpiderの開発生産性

部品管理システムと自動連携する整備管理システムは、2007年8月に運用を開始しました。「DataSpiderの最大の効果は、開発生産性の高さです。整備管理システムそのものの構築と並行してのインターフェース開発だったため、投入できた要員はわずか1人でしたが、予定どおりに運用を開始することができました。」と楠氏は評価します。今では、整備管理システムへ整備作業の報告を入力するだけで、使った分の部品のデータが毎日定刻に部品管理システムのホストへ自動送信され、発注・部品補充が実行されます。逆方向で、部品管理システムから送られてきた部品発送データも、毎日定刻に、整備管理システムのデータベースへ反映されます。整備に使用した部品、在庫、発注が常に整合性のとれた状態を、人手をかけずに維持できる体制を作ることに成功しました。

「うまくいかないとき、エラーの切り分けがわからないときなど、とにかく導入支援をしてくれたアシスト社に質問しました。アシスト社はDataSpiderを熟知しているうえに、ひとつ質問を投げると、画面まで添えた説明資料を返信してくれるなど、期待以上の対応で大変助かっています。」と楠氏。DataSpiderサーバは、今日に至るまで安定稼働を続けています。DataSpiderのもうひとつの効果は、インターフェースの構築・変更・追加をNCA社内で完結できることです。「本番データが存在しない状態で、利用者のオペレーションも確定していない状況でインターフェース開発したので、動き始めてからの変更・追加が相次ぎましたが、すべて社内で対応できました。ベンダーへ相談する手間をかけずに迅速に対応できることは、接続先であるボーイング社からも好評を得ています。」と楠氏。

情報マージツールとしても活用して約30システムを開発

さらに現在では、システム間のインターフェースのみならず、定期レポートを自動作成したり、複数システムで扱っている情報を必要なときに自在に収集・マージ・分析加工するツールとしてもDataSpiderを活用し、すでに30種類のシステムを作って使用しています。たとえば、整備状況を管理・評価する定期レポートは、整備管理システムのデータベースへ決まった日にアクセスし、一定ルールでのデータ抽出・件数カウントや、偏差などの計算・グラフ化などの処理を行い、WebブラウザへHTML表示させるまでの動きの全体を、DataSpiderで自動処理しているのです。「DataSpiderは、スケジューリングやファイル検知など、機能が豊富にそろっていて適用領域が広い。今後は、社内に蓄積されるようになった貴重なデータを活用して、管理精度や経営効果を高めていくためにも、DataSpiderを活用していきます。」と楠氏は意欲的に語りました。

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