多様なブライダルのスタイルに対応した式場施設を取り揃え、結婚式や披露宴の企画・運営を手掛ける株式会社 エスクリでは、会計システムのリプレースと同時に、販売管理システムとの連携を改善するために、DataSpider Servista を導入しました。これまでは手動で行っていた顧客データなどの連携を自動化し、作業負担を軽減しつつ、タイムリー なデータ集計を実現、今後は他のシステム間連携にもDataSpider Servistaを活用していく予定です。
取材日 2012年2月
記載の担当部署は、取材時の組織名です。
記事の内容は、旧アプレッソによる取材時のものとなっております。
専門式場からゲストハウス、レストラン、ホテルと多彩なブライダルのスタイルに対応し、交通アクセスにも配慮した式場を全国各地に展開、挙式披露宴ニーズの多様化する中で成長を続けている株式会社エスクリ。結婚式場を商業ビル内のテナントとして設けたり、最上階に式場を設けたホテルを建設するなど、斬新な取り組みで様々な顧客のこだわりに応じようとしている姿勢は業界内からも注目されています。
同社では、2010年から2011年にかけて会計システムを一新し、同時に販売管理システムとの間のデータ連携を自動化すべくDataSpider Servistaを導入しました。以前は手作業で行っていた顧客ごとのデータの仕訳作業が不要となってバックオフィス業務が効率化されるとともに、より詳細な分析に取り組むことができるようになり、今後さらに他のシステム連携にもDataspiderを活用していく方針です。
今回のシステム入替プロジェクトを主導したのは、同社経営企画部長の松浦啓太氏。このプロジェクトは2010年12月にスタートしました。「会計システムのリプレースを先に考えていたのですが、この機会に業務全体を管理する基幹系システムを作り上げていこうと考え、システム間の連携も念頭に置いて検討を進めていきました。」(松浦氏)特に重視したのは、2009年から使っている販売管理システムとの連携でした。ブライダル事業は顧客ごとにカスタマイズしたサービスを提供している業務だけに、顧客ごとの集計・分析は経営における重要な情報となります。
しかし、以前の会計システムでは、販売管理システムから顧客ごとの情報を取り入れる際にExcelを経由するなどの手作業が必要だった上に、顧客情報を記入するのにメモ欄を使っていたため集計にも手間がかかっていました。新たな会計システムとして、株式会社ワークスアプリケーションズの「COMPANY」を導入。パラメータ設定だけで多様な要件に対応でき、個別開発が不要な点がポイントだと松浦氏は言います。一方、販売管理システムにはSalesforce。この2つのシステムを効率的に連携させるべく、松浦氏はツールおよびSIパートナーの選定を進めていました。
パートナーには、いくつかの候補の中からSalesforce関連の開発を得意とする株式会社テラスカイが選ばれ、データ連携ツールには同社が提案したDataSpider Servistaが採用されることになりました。松浦氏は、採用の理由を次のように説明しています。「DataSpider ServistaはSalesforce連携アダプタが使えることに加え、パッと見て分かりやすそうな画面という点を評価しました。最初はSalesforceに特化した『DCSpider』の提案を受けましたが、要件定義を進めていく中で、今後さらに他のシステムとの接続も考えられることから、汎用性の高いツールの方が役に立つと判断したのです。
一方、COMPANYとDataSpider Servistaの連携事例は調べても見当たらず、いろいろと問い合わせてみたりしましたが、COMPANYではデータの取り込みや取り出しの形式が明確になっているので、適合させるのは容易だと考えました。」DataSpider Servistaの採用が、開発の効率化に役立っていることは言うまでもないでしょう。テラスカイ ソリューション部 第3コンサルティングチーム マネージャーの池島晴昭氏は、こう説明しています。「COMPANY側と連携させる際、Salesforceから出力する時点できちんとしたデータにしておくようにしていますが、DataSpider ServistaはSalesforceとの接続実績が豊富なので、安心してSalesforce側の開発に注力することができ、連携部分の開発は2カ月程度で済みました。」
こうして、連携部分は2011年6月に完成し、顧客マスタと売上・売掛・現金の各データが、SalesforceからCOMPANYへと自動的に連携されるようになりました。このデータ連携が実現したことで、これまで手作業を介していたバックオフィス業務の効率化が進んだだけでなく、顧客情報をキーとした集計も容易に行えるようになり、扱える情報の幅が広がったとのことです。「基幹系プロジェクトは現在も進行中で、現在ではCOMPANY側の設定を変えたりしながら調整を進めています。ゆくゆくは顧客ごとの収益をリアルタイムに把握できるようにしていきたいですね。」と松浦氏は言います。
そして今後、エスクリではDataSpider Servistaを活用して、さらなるシステム連携を進め、ゆくゆくは社内システム全体を統合させていこうとしています。「購買、グループウェア、メールなどの各システムについても、コストと見合いながら順次連携を進めていく方針です。私はITの専門家ではありませんが、DataSpider Servistaを導入した際に研修も受け、DataSpiderから出力されたデータは見れば分かるようになっていますし、簡単なものなら自分でも作れそうだという手応えを感じました。余裕があればやりたいですね。」(松浦氏)