導入事例

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  • DataSpider Servista

DataSpider Servistaで基幹システムとクラウドを連携させ 全国のセンターの在庫を可視化、欠品率低下などの効果も

日本の食品流通をリードしてきた日本アクセス。同社にとって物流を支えるITは生命線だ。その中核となるのが物流系基幹システムだが、情報共有については課題もあった。そこで、物流系基幹システムの情報を集約・参照するためのWebシステムをクラウド上に構築。そのデータ連携を担うEAIツールとして採用されたのが「DataSpider Servista」だった。新システム導入後、在庫の可視化が進み欠品率低下などの効果も出ているという。

株式会社日本アクセス

本社東京都品川区大崎一丁目2番2号
創立1952年10月1日
従業員数3,543名(2015年3月末現在)
URLhttp://www.nippon-access.co.jp/
  • 卸売・流通サービス事業

取材日 2015年11月
記載の担当部署は、取材時の組織名です。
記事の内容は、旧アプレッソによる取材時のものとなっております。

背景物流系基幹システムにおける背景情報共有という課題

日本アクセスは1952年の創立以来、日本における食品流通を支えきた。この分野のリーディングカンパニーとして知られる同社の特徴は、冷凍、冷蔵、常温という3温度帯の物流機能すべてを高いレベルで備えていること。この強みを生かしてスーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストア、外食チェーンといった多様な業態の顧客に対して、幅広いサービスを提供している。

近年、日本アクセスが求められるサービスのレベルはますます高度化している。同社常務執行役員の占部真純氏は次のように語る。

「お客様から注文を受けたものをきちんとお届けするのは当然ですが、それだけでなく、需要予測など一歩先を行く付加価値サービスが重要になっています。そのためには全社的な取り組みが必要ですが、とりわけITの役割は大きいと考えています」

消費者のニーズは多様化しており、小売店が扱う商品の種類も増えている。日本アクセスが担う物流のオペレーションは複雑化せざるを得ないだけに、その効率向上は大きなテーマだ。ただし効率を追求するあまり、オペレーションの安定性が犠牲になることは許されない。食品流通のネットワークは、ライフラインとも言うべき社会インフラである。

その食品流通を支える仕組みが物流系基幹システムである。倉庫や配送の機能を備えた全国約370カ所のセンターをはじめ、同社の物流ネットワークをコントロールするシステム。商品ごとの在庫情報なども、ここで管理されている。物流系基幹システムの概要を、占部氏はこう説明する。

「10年ほど前に動き始めたシステムで、約30台のサーバーで構成されています。中央に1台の大型コンピュータを置くというアプローチもありましたが、万一障害が発生すると全国の物流がストップする危険性もあります。そこで、小さなサーバー30台を置き、それぞれが担当するセンターを管理する仕組みにしました」

障害時の影響を最小化するというリスクコントロールについて、物流系基幹システムの構造は期待どおりの効果を上げている。ただ、それによるトレードオフがあったことも確かだ。占部氏は「情報共有という観点では課題があったことも事実」と打ち明ける。


課題解決策若手中心のプロジェクトでこれまで経験のないプロジェクトに挑戦

物流系基幹システムにおける情報共有は不十分なものだった。例えば、営業担当者は自分の担当する地域についてはセンターの在庫を確認できるが、遠い地域のセンターの在庫は分からない。全国チェーンの顧客に向き合う「広域営業」と呼ばれる部門の担当者が、全国のセンターの在庫情報を知るためには、約30台のサーバーにアクセスしなければならないことになる。

「それぞれの担当者が30台分のIDを持ち、各サーバーにアクセスして情報を集めるというのは現実的ではありません。そうした使い方はほとんど行われていませんでした。このような状態を改善する必要がありました」(占部氏)

同社は情報共有のためのシステム構築に取り掛かった。全国のセンターが保管する在庫の情報を、関係者が必要に応じて素早く見られるシステムをつくる。そんなゴールに向けて、2014年6月にプロジェクトが立ち上がった。中心的な役割を担ったのは、同社システム部物流システム課の若手メンバーたち。当時入社4年目の新田亜衣氏、2年目の前島辰郎氏、1年目の久保山礼子氏である。

「『WEB在庫公開』と呼ばれる新しいシステムは、その名のとおりWebシステムという前提で構想されました。しかし、当社のシステム部にはWebシステム構築の経験がありませんでした。また、従来はユーザー部門からの要求に基づいてシステム部がシステム開発・導入を担当するというパターンでしたが、今回はシステム部から『こういうシステムをつくりましょう』と提案して始まったプロジェクト。これまでにないチャレンジだったので、長年続けてきたやり方に染まっていない若手が選ばれました」と新田氏は言う。

WEB在庫公開システムはAWS(Amazon Web Services)上に構築された。そこに物流系基幹システムの持つ在庫情報を集約し、PCやスマートデバイスなどから参照できるようにする。

「情報を見るためだけの仕組みなので、見やすい画面づくりには工夫しました。ユーザーとなる営業部門などにヒアリングして、どのような機能を盛り込むか、画面に表示する情報を何にするかといった詳細を詰めていきました」と新田氏。プロジェクトがスタートして半年余り後、2015年1月にWEB在庫公開システムはサービスインを迎えた。

選定理由ポータビリティを重視して社内ネットワーク側にEAIを設置

約30台のサーバーの在庫情報を、ネットワークを通じてクラウド上に集約するWEB在庫公開システム。このシステムのポイントの1つが、どのようにデータを吸い上げるかということである。そこで採用されたのが、アプレッソの提供する「DataSpider Servista」だ。

「当初はAWSのAPIを活用するという案もあったのですが、クラウド付属のAPIを使うとロックインされてしまう可能性も考えられます。そこで、ポータビリティを重視して社内ネットワーク側にEAIツールを置くことにしました」(占部氏)

システム間の連携を担うEAIが社内側にあれば、接続先のクラウドを変更するのも容易だ。また、占部氏は「多くの企業で活用されているEAIツールが望ましいと考えました。DataSpider Servistaについては、当社で試験的に使っていたという経験もあります」とも語る。こうしたことから、DataSpider Servistaの導入が決まった。

「稼働後はトラブルもなく順調に動いています」と前島氏は語る。現在、WEB在庫公開システムは同社の営業、物流部門を中心に約2000人のユーザーに活用されている。

効果1時間ごとに在庫の最新情報を更新欠品率の低下、業務効率向上などに効果

「WEB在庫公開システムにより、商品の在庫について全国の状況を把握できるようになりました」と占部氏は語る。現在、公開される在庫情報は1時間ごとに更新され、ユーザーに最新の情報が提供されている。

こうした可視化により、欠品率の低下などの効果を実現することができた。従来は、個々のセンター内で在庫を調整するケースが多かったが、隣接センターの在庫を手軽に参照できるようになったので、商品をセンター間で移動させて顧客の要求に対応しやすくなった。

また、営業部門の提案力アップなどの効果も期待されている。全国チェーンの顧客を担当する広域営業なら、全国を俯瞰した傾向をつかんだ上で、バイヤーに対してより質の高い提案ができるようになる。狭いエリアの担当者にとっても、他の地域での商品の動きを参考にすることで提案力を高めることができるだろう。

「システム稼働後に、ユーザーに対してアンケート調査を行いました。『従来は逐一物流担当に電話をかけて在庫を確認していたが、今ではブラウザを開くだけで容易に確認することができる』といったポジティブな声を多くもらっています」と久保山氏。こうした調査の結果も踏まえて、同社はWEB在庫公開システムをさらに進化させようとしている。

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