プロセスフロー:必要な場合は社長承認を経る、他社との合意文書の作成業務
上司のチェックと法務によるチェックを経て、他社との合意文書を作成する業務フローです。必要な場合には社長にも合意文書にも目を通してもらいます。
合意文書の草案を登録
このプロセスや社員であればだれでも開始できます。他社との合意文書を作る必要が生じた人はこのプロセスを起動し、合意文書の草案を入力して登録します(1.合意文書草案)。
上司によるチェック
合意文書の草案が登録されると、登録した社員の上司に内容の確認をするタスクが割り当てられます(2.草案チェック)。上司は必要に応じて、草案を提出した社員に内容修正を依頼します(3.指摘対応)。またこの際の確認事項や相談などのやり取りは掲示板型のデータを用いてシステム上で行うことができます。
法務によるチェック
上司がOKだと判断すると、次は法務担当者に内容の確認をするタスクが割り当てられます(4.法務チェック)。問題があれば、再度上司に差し戻されます。
社長による確認と総務による印刷
法務でのチェックで問題なければ、社長承認が必要な合意文書の場合には社長に内容の確認をするタスクが割り当てられます(5b.社長承認)。また平行して合意文書は総務担当者によって印刷されて完成します(5.印刷&サイン取得)。
提出
最後に、草案を登録した社員によって出来上がった合意文書を提出した記録がつけられ、プロセスが終了します(6.提出記録)。
プロセスフロー:必要な場合は社長承認を経る、他社との合意文書の作成業務(社長による戻しがある場合)
上司のチェックと法務によるチェックを経て、他社との合意文書を作成する業務フローですが、こちらでは社長によるチェックでNG(戻し)が発生する場合が十分あることが前提となっています。
変更点:社長承認がないと合意文書は印刷されない
上記のプロセスでは、社長に承認を得る作業と合意文書を印刷して作成する作業が平行で行われ、社長承認でNGが出る場合のフローが作りこまれていませんが(NGの場合は例外として処理される)、こちらのプロセスでは社長承認を経ないと合意文書は作成されません。
社長承認が必要な場合は合意文書の内容を確認するタスクが割り当てられ(5b.社長承認)、社長の承認が完了するまでは合意文書を印刷し作成するタスクは割り当てられません(5.印刷&サイン取得)。社長からのNGが出た場合は、タスクは再度提出者の上司に戻されます(2.草案チェック)。
まとめ
他社との合意文書の作成業務をBPM上で管理することで効率化し、作成経緯も含めてきちんと記録が残るようにした例です。
社長の確認作業を効率化する
ここでは草案の作成から社内での確認作業、例えば上司によるチェックや法務チェックだけでなく、社長によるチェックが効率的にできるように業務をデザインし、さらに業務改善をしています。
最初のプロセスでは、通常の合意文書で毎回社長に確認をお願いするのは大変なので、通常の合意文書の場合には上司のチェックと法務チェックだけで作成されるものの、重要な合意文書については社長にも目を通しておいてもらうよう作られています。また、社長の確認完了を待たずに合意文書を印刷して作成することで、文書作成までの時間がかからないように工夫されています。
つまり、最初のプロセスでは基本的に「必要な場合には事前に社長にも合意内容に目を通してもらう」ことが重要で、社長NGは基本的に出ないことが前提になっています。NGが出た場合は、プロセスの例外処理として対応がなされます。
これに対し、後者のプロセスでは、「社長NGが出る場合が十分ある」前提で変更がなされています。こちらでは社長がOKしなければ合意文書の印刷はなされず、NGを出した場合には再度確認タスクが上司に戻るフローが追加されています。こちらでは、社長NGが出た場合の業務効率が改善されています。
BPMならば現場主導で業務フローを柔軟かつ迅速に変更し、業務改善を継続的に行うことができます。どういう場合に社長に目を通してほしいのか、どのような業務フローにすれば業務を迅速にできるかを考え、業務の改善を続けることができます。例えば、社長に目を通してもらうことが主な場合と、社長判断をお願いしたいのでNGも期待される場合を併せて作りこみ、それぞれで社長承認の流れを変えることもできるでしょう。
また逆に社長の立場から、このような合意文書には必ず事前に目を通しておきたい、このような合意文書の作成には遠慮せず私も議論に入れてほしい、このような要望をBPMに作りこんでおけば、社長が守ってほしいことは必ず守られるようになります。
議論の経緯も併せて記録される
また、上司の確認の際の上司とのやり取り、法務のコメント、そして社長によるNGの理由とそれに対する対応、これらにおける一連のやり取りが合意文書と一緒に「掲示板型」のデータとして経緯を追いやすい形でシステム上に記録されるところもポイントです。
例えば社長が確認する際、最終的に完成した合意文書だけでなく、作成までの一連のやり取りも確認してコメントを残したり、OK/NGの判断をすることができます。また、過去の合意文書の作成記録を検索すれば、完成した合意文書だけでなく作成の経緯までわかります。
もしこれらのやり取りを例えば電話で行っていたとしたら、「なぜ合意文書がこうなっているのか」解らず、その都度確認をしなおさないとその理由がわからないようなこともあるはずです。合意文書の作成過程での効率化だけでなく、過去に作成した合意文書の再利用にも、より踏み込んだ業務改善にも役に立つはずです。
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本記事のサンプルは ワークフローサンプル 様の
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