朝日インテック株式会社様 導入事例

IoTデバイスから直接データ取得が可能な環境を整備
製造プロセスの見える化を可能にするHULFT IoT EdgeStreaming

業種・業態
製造 / 医療機器・病院・薬品
導入製品
HULFT IoT
キーワード
開発工数削減 / IoT

カテーテルやガイドワイヤーなどを製造する医療機器メーカーの朝日インテック株式会社では、自社の製造プロセスに適したIoT環境を模索する過程において、情報の柔軟な入出力が可能な「HULFT IoT」を導入。EdgeStreaming機能を利用して現場のPLC(Programmable Logic Controller)からの情報を円滑に収集、安全にデータベースへ流し込むことで製造プロセスの見える化に向けたIoT環境の整備を実現している。

お客様の課題

製造現場の電子化を図り、IoTの推進によって、従来以上に情報活用できる環境の整備。

解決

PLCやシングルボードPCなど様々なIoTデバイスにRuntimeモジュールが設置可能で、直接DBに書き込めるHULFT IoTを採用。

導入効果

現場で手軽に
データ活用

学習コスト低減

各種プロトコルの
差異を吸収

データの入出力が容易に

エッジデバイスから
新鮮なデータを
取得・分析可能に

背景
製造業としてインダストリアルIoTへの取り組みを加速

身体になるべく傷を付けずに治療する低侵襲治療の1つであるカテーテル治療。その治療に不可欠なガイドワイヤーをはじめとした医療機器を主力として開発・製造・販売を行っている朝日インテック株式会社は、世界108の国と地域に事業を展開するグローバル医療機器メーカーだ。創業以来培ってきた高度な極細ステンレスワイヤーロープの技術を活かし、素材から製品までの一貫生産体制を行うことで競合との差別化を実現、外科手術に頼っていたCTO(慢性完全閉塞)治療への新たな可能性を広げるなど、研究開発への積極的な投資によって付加価値の高い商品を生み出し続けている。

Industry 4.0が市場で話題になった2015年ごろ、製造業としてIoTへの取り組みを推進させるべくプロジェクトが発足することになったとグローバル本社・R&Dセンター 技術改善室主幹 山田 和敬氏は当時を振り返る。「我々としてどんなIoTが適しているのか、実績を積み上げながら模索していくことになったのです」。

朝日インテック株式会社
グローバル本社 R&Dセンター 技術改善室 加工技術開発チーム チームリーダー 安倍 由晴 氏

また、これまで製造現場の運用が紙中心だったこともあり、将来的に製造プロセスにおけるエビデンスの電子化が求められた場合に備えて、IoTによる現場の見える化を実現することも1つの目的だった。「紙の情報を電子化するだけでなく、取れていなかった情報も新たに加えることで、まずはデータ活用できる環境を整えていくことをIoTで実現することにしたのです」と同室 加工技術開発チーム チームリーダー 安倍 由晴氏は説明する。そこで、現場で見える化に関するニーズをヒアリングした結果、樹脂の加工で行われる押出成形プロセスの見える化から、まずは取り組むことになったという。

導入
最新鋭と30年前の機器双方に対応可能な基盤づくりに適したHULFT IoT

同社が目指すIoT基盤として必要だったのが、入出力に対する柔軟な環境づくりだった。「今も現場には20~30年前に導入した設備も動いているため、それら既存の設備はもちろん、最新鋭の設備双方から情報が収集できる基盤が必要です。また、生産管理のデータベースやAIに活用する時系列データベースなど、情報を出力する先も目的によって異なります。それゆえ、入出力部分の柔軟性が問われたのです」と山田氏。実は以前からPLCからのデータ取得は可能だったが、装置ごとに特定プロトコルでの通信となっているため、基盤側でうまく吸収できる汎用性が求められたのだ。

朝日インテック株式会社
グローバル本社 R&Dセンター 技術改善室 主幹 山田 和敬 氏

また、取得したデータをその場で見える化して改善活動につなげられるよう、エッジ側だけで情報集約できる環境も必要だった。「クラウドに全て情報を集めてしまうとコストもかかってしまうもの。現場の詳細なデータは、フレッシュなうちに現場で見たほうが改善活動にもつなげやすい。必要に応じてエッジや基幹システムなどヒエラルキー型に情報を蓄積する仕組みを考えたのです」と山田氏。

そこで注目したのが、展示会で出会ったセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)だった。「当時は企画段階だったものの、IoTデバイスから直接データベースに流し込めるという、私が考えていたものに近い機能を実装することが分かったのです」と山田氏。

また、開発志向が強い同社だけに、ニーズをキャッチアップして最適なものを提供しようというセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)のマインドに共感した部分もあるという。機能面では、PLCやシングルボードPCなどさまざまな環境にRuntimeモジュールが設置可能なことで、同社がイメージする環境が実現できると考えた山田氏。他にも、現場で改善していくことを考えると、ノンプログラミングでエッジ開発が可能な点も高く評価したという。

結果として、同社が目指すインダストリアルIoTに必要となる柔軟な情報収集が可能な、かつセキュア送信が実現できる仕組みに適したものとして、「HULFT IoT」が持つ EdgeStreaming機能が選ばれることになったのだ。

効果
PLCからのデータ取得を実現、インダストリアルIoTの一歩を踏み出す

同社が目指すインダストリアルIoTは、現場の見える化を通じて気づきを与え、改善につなげるアプローチを支援するものだ。現状はパイロットラインとして静岡の研究施設に展開しており、これから実際に目的を設定したうえで、どんなデータを取得すべきなのかの検証を進めていくことになる。「実際にPLCからデータを取得したものの、取得したパラメーター同士の相関が見えない場合は、新たなセンサーを追加していくことになります。HULFT IoTであれば、PLC側を見直さずとも新たにデバイスを追加して情報を吸い上げることも負担なく行えます。目的に応じて柔軟に情報が取得できる環境が整備できました」と現状を評価する。

HULFT IoTによるIoT基盤が整備できたことで、現場が日々システムを見ることが習慣化され、仕事の改善などに役立てられるようになってくることを期待している安倍氏。「これまでは検査結果を測定した人しか仕事の出来栄えがイメージできませんでしたが、ロットの出来がイメージとして現場全体に共有できるようになれば大きな効果の1つになると考えています」。直近では、現場での品質に関するKPIを標準化し、各拠点で同じ軸で評価できるようになることをターゲットにしている状況だ。経営層に対しては、プロセスの見える化によって設定したKPIを横串で把握できるようにしていきたいという。

 

HULFT IoTについては、異なるシステムにも組み込みが可能な柔軟性をはじめ、エッジデバイスにRuntimeモジュールが設置できる利便性、プログラミングせずとも直感的に構築できるインターフェースなど、同社の仕様にマッチした機能に対する評価が高い。セゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)に対しては、現場の視点に立ったプロジェクトへの姿勢を高く評価している。

 

今後については、日本でシステムの作り込みを進めていき、いずれはベトナムをはじめとした海外拠点への展開を進めていくことで機能移転を加速させていきたい考えだ。新たなニーズにも互いにディスカッションしながら解決策を探してきたいと山田氏に語っていただいた。

 

HULFT IoTを活用したシステム構成図

会社紹介:朝日インテック株式会社

カテーテル治療に不可欠なガイドワイヤーをはじめとした医療機器を主力として、世界108の国と地域に事業を展開するグローバル医療機器メーカー。自社の高度な極細ステンレスワイヤーロープの技術を活かし、素材から製品までの一貫生産体制を行うことで競合との差別化を実現、研究開発への積極的な投資によって付加価値の高い製品を生み出し続けている。

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